- 書き出し、結びの挨拶や署名はどうしたらよいのか
- ”お世話になっております”や”よろしくお願いします”は、英語で何と言うのだろう
このように悩み、パソコンを目の前にフリーズした経験がある人もいるかと思います。
実際、私がビジネス英語コーチとしてサポートする中、「英文メールをどう書けばよいか分からない」という声を聞くことがあります。
例文とメールの構成を覚えれば、英文メールは怖くありません。とはいえ、例文が多すぎると覚えられなくて使えません。
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英語メールの書き方~書き出しから結び、署名まで~
英語メールは以下の流れで書いていきます。
タイトル・件名は具体的に書く
タイトル、件名はぱっと見て内容がわかるように、具体的に書きます。
なぜならビジネスパーソンは多くのメールを受信しているため、タイトルがあいまいだと読まれない可能性があるからです。
たとえば、以下はよくない例です。
- Inquiry (問い合わせ)
- Request (依頼)
- Question (質問)
上記のタイトルが良くないのは、タイトルを読んでも、内容がわからないためです。
反対に、以下のタイトルは良い例です。
- Inquiry about your samples (御社のサンプルに関する問い合わせ)
- Request for an appointment next month (来月のアポイントメントの依頼)
- Questions about your product specs (御社製品スペックに関する質問)
このように、タイトルを具体的に書くと相手にメールを読んでもらいやすくなります。
宛名の書き方は相手との関係性による
日本語ではメール冒頭の宛名に「●●様」と書くのが一般的です。
英語では、”Dear Mr. Tanaka”のようにDear+Mr./Ms.+ファーストネームで記載します。
初対面の場合は上記の書き方をしますが、何度かメールをやり取りしていると、次第にくだけた書き方に変化してきます。
具体的には”Hi Taro.”のように、Hi+ラストネームになることがあります。
宛名の書き方を、相手に合わせる
実際にはどのタイミングで、“Dear+Mr./Ms.+ファーストネーム"から“Hi+ラストネーム"に変えたらよいか分からない人も多いと思います。
相手から送られてくるメールの書き方が変わったら、こちらも合わせて応対するとよいでしょう。
ちなみに、日本人とのコミュニケーションに慣れている人は宛名に”Dear Tanaka-san” “Hi Taro-san”と書くことがあります。”-san”は日本語の「●●さん」の意味。
このときは、”Hi Jhon-san”と返すのがよいでしょう。お互いの親密度が高まるからです。
このように宛名の書き方は相手との関係性により変わります。
最初は”Dear+Mr./Ms.+ファーストネーム”と書いて、次からは相手に合わせるのがおすすめです。
メールの書き出しに定型文を活用する
日本語メールの場合は時候の挨拶などを書くことが多いです。
英語メールにも書き出しの定型文があるので、迷ったら使ってみるとよいでしょう。
お世話になっております
日本語メールの冒頭に書く「お世話になっております」。英語に直訳できませんので、代わりに以下の表現を使います。
冒頭に簡単に自己紹介(名前と社名)を書きます。
- I hope all is well with you. (すべて順調であることを願っています)
- I hope you’ve been well. (お元気にされていることと思います)
上記は日本語の「お世話になっております」に当たる表現です。
返信メールでお礼を言う
メールに返信をもらったとき、冒頭に返信のお礼を入れます。
- Thank you for your quick reply. (早速のご返信ありがとうございます)
- Thank you for your response. (返信ありがとうございます)
“Thank you for”は感謝を伝える表現として使えます。
とはいえ、英語メールの場合は挨拶を抜きにしていきなり要件を書き出してもかまいません。
メールの要件をシンプルに伝える
いわゆるメール本文です。できるだけシンプルに要件を伝えます。
以下の2点を明確にするのがポイントです。
ポイント1|伝えたいことを明確にする
ポイント2|相手にとってほしいアクションを明確にする
たとえば、注文した部品の納期の前倒しを交渉したいとき以下のように書きます。
1) 伝えたいこと
We were wondering if we could receive the sample by the end of next month to meet our customer’s schedule.
(今月末までにサンプルを受け取りたいのですが、いかがでしょうか。
顧客のスケジュールに応えるためです)
2)相手にとってほしいアクション
We would appreciate it if you could consider our request.
(こちらのリクエストをご検討いただけると幸いです)
丁寧な表現を使いながら、こちらの伝えたいことと相手にとってほしいアクションを明確にしています。
英語メールの結び・署名の書き方
日本の手紙のマナーとして、結びに「敬具」を書くと習った人もいるかもしれません。しかし、実際には日本語メールで「敬具」と書く人はほとんどいません。
英語も同様です。学校では英語の手紙の最後に”Sincerely yours”と書くと習いましが、英文メールでは使いません。
よく使われる定型文は以下の通りです。
セミフォーマルな表現(ビジネスでよく使われる)
- Best regards,
- Regards,
- Thank you,
ややカジュアルな表現(同僚や親しい相手)
- Best,
- Thanks,
結びと署名の書き方
”Best regards,”を使う場合、以下のように最後に自分の名前を入れます。
Best regards,
Taro Suzuki
以下では、英語メールに使える例文を紹介していきます。
ビジネス英語メールに使える例文と定型文
日本語でもよく使う定型文、英語ではなんと表現したらよいのでしょうか。
お世話になっております
先ほども述べましたが、以下の表現を使います。
I hope all is well with you. (すべて順調であることを願っています)
I hope you’ve been well. (お元気にされていることと思います)
よろしくお願いします
直訳はできないため、以下に置き換えて書きます。私もメールの最後の一文に加えることがあります。
I’m looking forward to seeing you soon.
(近々お会いできることを楽しみにしています)Take care and see you again soon.
(お元気で、また近々お会いできることを楽しみにしております)
下の例文は、上の例文よりカジュアルです。
ありがとうございます
“Thank you for”は「~~をありがとうございます」を意味し、よく使う表現です。
Thank you for your reply.
(返信ありがとうございます)Thank you for your help.
(ご協力に感謝します)
~してくださると、ありがたいです
学校教育では、"please"は丁寧に頼むときに使うと習いました。しかし、相手に何かお願いするとき"Please"を使わない方が無難です。
なぜなら、"Please"をつけても命令形なので、高圧的に聞こえてしまうからです。
では、どのように表現すればよいでしょうか。
私は英語ネイティブのメールを読んで、以下の表現を学びました。
We would appreciate it if you could send us the sample.
(サンプルを送付いただけると助かります)It would be great if you could fill in the blanks.
(空欄をうめていただけると助かります)Could you send us the test results?
(テスト結果を送付いただけますか?)
これらの表現を用いると、エレガントにお願いができるようになります。
申し訳ありません
Sorry for the late reply.
(返信が遅れてすみません)
私もこの表現をよく使います。
なぜなら日本企業は、社外にデータや情報を送るのに社内手続きが必要な場合が多くメールの返信が遅くなるケースが多いです。
特に最近は機密情報の取り扱いが厳しくなっており、データや添付ファイルを送付するのに社内の承認が必要なことがあります。
その結果、相手を待たせてしまうことになります。そのような時は、冒頭に上記の一文を入れています。
添付ファイルを見てください
日本語メールで「添付ファイルを参照ください」と一文を入れることはよくあります。
私は以前、英語でどのように表現をすればよいか分からず困っていました。
あるとき、海外のパートナー企業の方からのメールで以下のように書かれたメールを受け取りました。
Please find attached the file. / Please kindly find attached the file.
(添付ファイルをご確認ください)
一種の慣用表現で、海外の方は頻繁に使います。(この場合、”Please”を使っても違和感ありません。)
別の表現として、以下のものもあります。
Attached is the agenda for the next meeting.
(次の会議のアジェンダを添付します)
定型文なので、覚えておくとよいでしょう。
残念ながら~~
ネガティブな情報を伝える必要があるとき、どのように書いたらよいか迷うことがあります。
その場合、以下の定型文を使うとエレガントに伝えることができます。
I’m afraid this is the best we can offer.
(これ以上の値引きはできません)Unfortunately, we won’t be able to meet the deadline.
(残念ながら、期限に間に合いません)
覚えると便利なビジネスで使われる略語
海外の方からメールを受け取ると、略語に出合うことがあります。
最初は面食らうかもしれませんが、シンプルに済ませられるため覚えておくと便利です。
以下に、私が実際に使ったり受け取ったりしたことがある略語を紹介します。
- TBD=To be determined (未定。今後、決定する予定)
- ETA=Estimated time of arrival (到着予定日)
- ETD=Estimated time of departure (出発予定日、発送予定日)
ETAとETDは、サンプル配送時などに使います。
- FYI=For your information (ご参考までに)
ニュース記事を共有するときなどに使います。
必要に応じて、略語を使うとコミュニケーションがシンプルになります。
まとめ|例文を覚えればビジネス英語メールは怖くない
ここまで英語メールのテンプレートや例文を紹介してきました。
この記事で紹介したコツを抑えるだけでも、英語メールが書きやすくなるはずです。
ぜひ試してみてください。
レポート、議事録などメールよりも長文の英語を書く必要が生じたときは、以下の記事を参考にしてみて下さい。