イングリッシュカンパニーの本「マンガでわかる英語学習マップ」が低レビューの理由は?

B!

「英会話スクールに通ったけど、あまり話せるようにならなかった…」

「英語をやろうと教材を色々買ったけれど、どれも3日坊主でやめてしまった…」

「スキルアップのためビジネス英語を身につけたいけれど、何から始めてよいか分からない...」

 

このような悩みを持つ方は、「マンガでわかる 最速最短! 英語学習マップ」を読んでみることをおすすめします。

英語学習法に関する書籍やウェブサイトは数多くありますが、2019年12月現在で最も体系的にまとめられた本です。

この本を読むと、「どのように英語勉強を進めたらよいか」が分かり、タイトル通り最短最速で英語を身につけられるでしょう。

 

しかし実はこの本、Amazonでは低レビュー、☆3.1(5点満点)です。☆5が37%である一方、☆1が38%もあり賛否両論である様子がうかがえます。

今回、「マンガでわかる 最短最速! 英語学習マップ」を読んだ筆者が口コミを分析しました。

この記事では、マーケティングの市場浸透理論を用いて、「なぜ、『英語学習マップ』は低レビューなのか?」を考察しました。

 

この記事でわかること
  • 「マンガでわかる 最短最速! 英語学習マップ」のポイント【従来の学習法との違い】
  • 低レビューの理由
  • レビューからわかる、英語学習の近未来|価値観の違いが英語力格差を生む
  • おすすめな人、おすすめしない人

 

「マンガでわかる 最短最速! 英語学習マップ」のポイント

本書は英語パーソナルジムEnglish Companyを運営する、株式会社スタディハッカーが出版した書籍です。

English Companyは、いわゆる英語コーチング型のスクールで「科学の力で効率的に英語を習得する」がコンセプト。社名の通り「学習をハック」し効率化するのがモットー。

3ヵ月でTOEICスコア400点アップなど、飛躍的に英語力を伸ばす生徒が続出していることが評判を呼び、600人待ちともいわれています。

 

※英語コーチングスクールとは、生徒一人ひとりに専属コーチがつき、オーダーメイドのカリキュラムで、数か月間で生徒の英語力を伸ばすスクールです。詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。

なぜ、英語勉強法が重要なのか?

タイトルの通り本書は英語勉強法を解説しており、具体的なトレーニングの詳細や、英語の解説などは書かれていません。

なぜか?

実際に勉強をはじめる前に、「どのように学習するか?」の作戦を立てることが大切だからです。。

なぜなら、学習法は英語勉強の「地図」に相当するから。

 

初めて訪れる旅先や、山登りの際に地図を持っていく人がほとんどでしょう。迷子になってしまうからです。

勉強も同じで地図がないと迷子になってしまいます。だからこそ、英語勉強法が重要です。

本書で紹介されているトレーニング法は一般的なもの

本書で紹介されている英語トレーニング法は特殊なものではなく王道とされるもの。

たとえば、シャドーイング、ディクテーションなど。

シャドーイングは、英語音声の後について発声するトレーニング。ディクテーションは、英語音声を書きとる練習。

どちらもリスニング力アップに効果があると言われています。

これらのトレーニング法は、他の書籍やウェブサイトにも詳しく書かれており、本書を読むまでもありません。

つまり、個別のトレーニング法の解説は、本書のポイントではないということです。

 

※シャドーイングについて知りたい人は以下の記事を参考にしてみて下さい。

⇒英語シャドーイングの効果と正しいやり方のコツ|TOEIC900の京大卒が解説

ポイントは課題発見と課題解決アプローチ【正しいタイミングで、正しいトレーニングを】

では、何が本書のポイントなのか?

タイトルの通り、「英語の学習マップ」です。

つまり、正しいタイミングで、正しいトレーニングができるようになること。

言い換えると以下の2点です。

① 自分がどのレベルにいて、何が課題かを知る 【課題発見】
② 自分のレベルに最も適したトレーニングを知る 【課題解決】

 

スポーツや音楽の練習と同じ

これはスポーツや音楽の練習と同じです。

テニスの練習を想像してみて下さい。

あなたが初めてラケットを持つテニスの初心者だとします。そのとき、いきなりサーブの練習を繰り返しても、なかなか上達しないでしょう。最初はラケットの持ち方、素振りの仕方などを習う方が効果的です。

反対に、ある程度テニスに慣れ、ボールを打てるようになったら、サーブの練習をすると効果的にテニスが上達します。

このように、自分のレベルを知り、適切なトレーニングを積むことがテニスの上達につながります。

本書に書かれている最も重要な点は、「正しいタイミングで、正しいトレーニングをする」ということ。

これが英語学習マップの本質です。

 

「イングリッシュカンパニーの本」高レビューの概要

次に本書の高レビューの内容を見てみましょう。

English Companyの宣伝的な意味があるのはもちろんだが、手法をここまで公開してよいのだろうか? と思った。わかりやすさとコストパフォーマンスの点で☆5

・ネットには成功談的な英語上達法をまとめたサイトが氾濫しているが、自分に合った方法か分からないと理解できた。まずは自分の課題を明確にしていきたい

・自分の現在の英語力がどの程度なのか、次に進むための課題が何なのかが理解できました。やみくもな学習法でも長時間の努力をすれば英語を身につけられると思いますが、忙しい現代人は英語学習ばかり時間を費やせないですよね。

この本を読めば、自分の学習時間を大幅にカットしつつ効果を上げられるのではないかと思います。

・この本で英語そのものが学べるわけじゃないですが、本当に効果のある英語の学び方が体系的に知りたいならおすすめだと思います。個人的にも英語系の本は何冊か買っていますが、新しい発見がいくつもありました。

・今までのいろいろな英語学習法を見てきましたが、これを読んでどう学習していくべきかが分かりました!!

※Amazonレビューより抜粋

忙しいビジネスパーソンで「英語を最短最速で身につけたい!」と思う人が、体系的に書かれた英語勉強法に価値を感じている様子がうかがえます。

「イングリッシュカンパニーの本」低レビューの内容

反対に低レビューの内容を見てみましょう。3つのカテゴリーにまとめてみました。

具体的な内容が少なく、実践的でない

「具体的な英語勉強法やノウハウが書かれていない」という口コミです。

・「第二言語習得」「自分に合った最短ルート」と聞こえはいいけれど、結局のところ、リスニングと単語の記憶をやればTOEICの点数が取れると書かれているだけのように感じました。

「最短ルートを通りましょう」と言っているページが多くて、その具体的な内容に乏しいと感じました。

結局、勉強するしかないでは?

・勉強方法論のみで実践があまり無い。実践ドリルの方がまだ良いですね。

※Amazonレビューより抜粋

たしかにドリルのように具体的、実践的な教材を求める人に、「英語学習マップ」は向きません。

なぜなら、「そもそも、いまのあなたはどんな教材で学べばよいか?」を教えてくれる本だからです。

具体的なトレーニングは他の教材や本を使う方がよいでしょう。

English Companyの体験談、受講待ち600人待ちなどの情報が信用できない

体験談

・「(3ヶ月後)TOEIC 900点獲得!?」⇒そもそもの学習開始地点が不明。3ヶ月で何時間、どのような勉強をしたのか不明。唐突に点数が上がっており信憑性がない。

・「わずか3ヶ月でTOEICのスコアを400点上げる」⇒何点から何点上がったのか。またどういう人が、何人実現出来たのかが不明。

※Amazonレビューより抜粋

たしかに本書に書かれている体験談は簡潔に書かれています。そのため、信憑性がないように感じられるのかもしれません。

イングリッシュカンパニーの公式HPを見れば57件の口コミが出ており、学習開始時⇒卒業時の変化が書かれていいます。

また、スタディハッカーのサイトには詳細な口コミも寄せられています。たとえば、2歳のお子様の育児をしながら、フルタイムのお仕事をされている生徒さんの体験談です。

スキマ時間を活用し1日1時間の学習で、3ヵ月間でTOEICスコアを200点アップの815点を達成されたとのこと。

⇒口コミを見てみる

少し検索すれば、具体的な成果が分かるかと思います。

受講待ちの人数

・(帯に書かれていた文句)受講待ち600名超の「入りたくても入れない英語パーソナルジム」のメソッドを大公開。

⇒私が受講希望者で600名待ちって言われたら、その瞬間に他社の同種のサービスを検討します。この「受講待ち600名超」って数字、明らかに盛られていますね。

※Amazonレビューより抜粋

本の冒頭(p7)にも書かれていますが、English Companyの生徒数がおよそ600人、受講待ちも約600人と同程度の人数。English Companyのプログラムは2~3ヵ月です。つまり、この当時(2018年12月)の受講待ち時間は2~3ヵ月程度と予想できます。

他のスクールでも、受講まで1ヵ月待ちということはよくあるので、筆者は特に話を盛っているとは感じませんでした。

 

一方で、実際にEnglish Companyの体験を受けた際に聞いてみましたが(2019年11月)、受講待ちの期間は1ヵ月程度。本書が出版されたとき(2018年12月)よりスクールを増やしているため、状況が緩和されているようです。

会社の宣伝が多い

・この本は、本の執筆をした会社のノウハウ宣伝でした。内容的には、この会社のサイトを見れば十分かと思います。

・自分に適した勉強法がわかると思っていましたが、会社の宣伝本でした。

※Amazonレビューより抜粋

たしかに、本書にはEnglish Companyの取り組みやトレーニング内容が紹介されています。

これらの記載が宣伝のように感じる方もいるのだと思います。

一方で、良い口コミには「ここまでスクールの手法を公開してよいのかと思った。わかりやすくコストパフォーマンスが高い」というものもありました。

同じ本を読んでも、捉え方は人それぞれだなと感じます。

「マンガでわかる 最短最速! 英語学習マップ」のレビューを見た考察

「英語学習マップ」は英語勉強法に悩む人への最終的な答え

これまでにも、多くの英語学習法に関するノウハウが書籍やウェブサイトで紹介されていますが、大半は一個人の経験談であったり、ごく一部のレベルの人にしか使えない勉強法だったりします。

本書で紹介されている学習法は、英語レベルごとに課題を細分化⇒解決のトレーニングを提案しており、英語力アップのための全体像が示されています。

さらに、English Companyの口コミを見ると、本書に書かれた英語勉強法で、生徒が短期間で英語力を伸ばす成果が出ている。

このように考えると、「英語学習マップ」に書かれている課題発見⇒解決のアプローチは、「何が最も効率的な英語勉強法か?」に対するファイナルアンサーといえます。(もちろん研究が進み、新しい知見が出れば英語学習法も進化するでしょう)

マーケティングの理論から見る「効率的な英語勉強法」の普及

今後、「効率的な英語勉強法」がスタンダードになっていくと予想できます。

その理由を、マーケティングで有名な「市場浸透理論」を使って解説します。

市場浸透理論

社会学者のエンベット・ロジャーズが1962年に提唱した理論で、新しいアイディアや技術がどのように社会に普及するかを説明するものです。

新しいアイディアや技術を採用する(購入する)人々を5カテゴリーに分類します。

市場浸透論の5カテゴリ
  1. イノベーター:初期にアイディアや技術を採用する人たち。新しいもの好き。
  2. アーリーアダプター:いわゆるオピニオンリーダー。取捨選択を賢明に行い、アイディアを採用する。
  3. アーリーマジョリティ:一定の期間が経ってからアイディアや技術を採用する。口コミを見て動く。
  4. レイトマジョリティ:平均的な人が採用した後にアイディアを採用する。イノベーションが普及しても懐疑的に見る
  5. ラガード:最も後期の採用者 or 新しいものを採用しない。伝統を好み、変化を嫌う。

そして、これらの人たちは正規分布(ベル型曲線)で人数比が決まるという理論です。

 

    スマホの普及

    スマートフォンの普及過程を思い出してみるとわかりやすいと思います。

    スマホの普及過程
    1.  最初に、新しいもの好きの人がi-phone発売と同時に購入(イノベーター)。
    2.  スマホが便利だと理解した人が購入し(アーリーアダプター)、
    3.  口コミを見て購入する人が増え一気にスマホが普及(アーリーマジョリティ)。
    4.  その後、「みんなが使っているから」という理由で購入する人が増える(レイトマジョリティ)。
    5.  その一方、いつまでもガラケーにこだわる人もいる(ラガード)。

      という感じです。

      市場浸透論から見る「効率的な英語学習法」の普及

      これは筆者の感覚ですが、「効率的な英語学習法」というアイディアは、はイノベーター~アーリーアダプターが採用しているステージではないかと思います。

      なぜなら、「英語学習マップ」やEnglish Companyの口コミを見ると、一定数の人が効率的な英語勉強法に価値を感じ、アイディアを採用しているから。

      その一方で、勉強法に価値を感じていない人たちは、レイトマジョリティやラガードの層にあたるのでしょう。口コミの人数分布(☆1、☆2合計で44%)を見ても、おおむね市場浸透論と対応しています。

      今後、口コミが広がると、「効率的な英語勉強法」を採用する人が一気に増えてくると予想できます。

      価値観の違い、情報を見る目の違いが英語力格差を生む

      前の章では、マーケティングの市場浸透論を使って、「効率的な英語学習法」の普及を考察しました。

      今後、数年~10年くらいかけてアイディアが浸透していくと予想しますが、その過程で英語力の格差が生まれるのでは? と感じています。

      なぜなら、イノベーターやアーリーアダプターは、効率的な英語学習法を採用してどんどん英語力を伸ばしていく。

      一方で、レイトマジョリティやラガードは、従来の根性で勉強する方法を続けるので、なかなか英語力は伸びない。

      その差は広がるばかりだろうと想像できます。

       

      言い換えると、

      1. 真に効率的な英語勉強法は何か?」を見極める力
      2. 「従来の勉強法を改め、効果のある英語学習法を採用する」という価値観

      があるかないかで、英語力の格差が生まれるだろうということ。

       

      その理由を説明します。

      まず、「科学的エビデンスを元にした、真に効率的な英語勉強法」と「巷にあふれる英語学習法ノウハウ」の見分けがつなかないと、ノウハウコレクターとなりいつまでたっても英語力は上達しません。

      また、「ひょっとしたら、この学習法はよいのかも」と思いつつ、従来のやり方にこだわる人も、これまでと同じように英語力を伸ばせません。

       

      反対に、情報を見極めて効率的な英語勉強法を見極め、採用する価値観を持つ人は、短時間で飛躍的に英語力を伸ばしていくでしょう。

      このような格差は、スマホやインターネットの黎明期だけでなく、18世紀~19世紀に起こった産業革命にも起きたことです。

      今後、英語学習業界にも同じことが起こるだろうと予想されます。

      「マンガでわかる 最短最速! 英語学習マップ」おすすめな人、おすすめしない人

      おすすめな人

      • 学術研究で効果が証明された、「本当に効率的な英語学習法」を知りたい人
      • 個別のトレーニングよりも、英語学習の全体像を知りたい人
      • 日々忙しくて、短時間の学習で英語力を伸ばしたい人

       

      おすすめしない人

      • 聞き流すだけなど努力せずに英語力が上がる魔法を求める人
      • 具体的なノウハウやトレーニングを知りたい人
      • 価値観を変えるのに抵抗がある人

       

      まとめ|英語学習に挫折した人こそ、「英語学習マップ」を読んでみるべき

      この記事では「マンガでわかる 最速最短! 英語学習マップ」の内容と、口コミ内容を紹介してきました。

      さらに、低レビューな理由を筆者の視点で考察し、今後の英語学習業界を予想しました。

      もしあなたが、

      • 英語学習に挫折した経験がある
      • 英会話スクールに通ったけれど、英語力が伸びなかった
      • 本当に効果のある英語学習法を知りたい

      のであれば、「英語学習マップ」を読んでみると発見があるはずです。


      マンガでわかる 最速最短! 英語学習マップ

       

      英語学習マップの唯一の欠点は、一人だけでは自分の課題を見つけづらいということ。

      「英語学習マップ」を読み興味を持った人は、English Companyの無料体験レッスンを受けて、実際に自分の課題を教えてもらうとよいでしょう。

      体験レッスンを受けても押し売りなどは一切ないので安心です。

       

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