- 英語学習を始めたけれど、1週間しか続かず自分が嫌になった......。
- 英会話をやらなきゃ! と思うけれど続いたためしがない......。
このような悩みを持つ人も多いかと思います。
以前の私は、英語学習を続けられず何度も挫折したことがあります。
「英語学習を続けられない自分はダメ人間だ」と自己嫌悪に陥り、「自分には英会話を続けるのは無理なんじゃないか......」と思っていました。
その原因は、当時の私は「英語学習を続ける方法」を知らなかったからです。その後、私は継続のコツを知りビジネス英語を身につけることに成功しました。
実は英語学習が続かない理由を理解し、継続のコツがわかれば誰でも英語学習を継続できるようになります。
実際、私がビジネス英語コーチとしてサポートしていると、英語学習が続かない人にはパターンがあります。この記事では、英語勉強が続かない4つの理由と5つの継続のコツについて解説します。
- 目標設定のやり方を見直す
- 「意志力」に頼らず英語学習を習慣化する
- 結果が出やすい学習法を選ぶ
- 悪い環境から足を洗い、よい環境に身を置く
タップできる目次
しんどい!社会人が英語勉強・英会話に挫折する4つの理由|続かない人の特徴
まず、英語学習に挫折する5つの理由を説明します。
目標の立て方がよくない
目標の立て方がよくなくて、継続できないケースもあります。
目標が曖昧=英語の必要性が低い
悪い目標の例はあいまいな目標です。
- 英語力を上げたい
- 外国人と英語を話せるようになりたい
などのように。
「いつまでに」「どの程度のレベルになりたいか」が不明確です。
なぜ曖昧な目標は良くないのでしょうか?
それは、ちょっと忙しくなったり疲れたりすると、英語学習を続けられなくなってしまうからです。
- 会社から家に帰ってきて英語を勉強しようかな、と思ってもめんどくさい。
- 「明日、またやればいいか」と思いダラダラしたりYoutubeを見てしまう。
こんな感じで、英語学習が続かなくなり挫折しまうわけですね。
実際、以前の私もそうでした。
漠然と「英語を身に着けたい!」「英語を話せるようになりたい!」と思っていましたが、そこまで英語を身に着ける必要性を感じていなかったのです。
目標が曖昧だと自分に言い訳しやすくなる
また、目標が曖昧だと自分に言い訳をしやすくなります。
たとえば、いまあなたのTOEICが500点で、本当は800点を目指したかったとします。
そうするとTOEICで550点を取ったとき「英語力が上がったから、もう勉強しなくてよいか」と目標を下げるのは簡単ですよね。
人間は誰しも自分に甘いので、少し頑張って成果が出たら「もう、充分かな。自分は頑張ったし。」と思ってしまいがちです。そうすると、途中で英語学習をやめてしまったりします。
目標が高すぎる
別の悪い目標の立て方は、ハイレベルすぎる目標を立ててしまうことです。たとえば次のような目標。
- 字幕なしで映画やドラマを見られるようになる
字幕なしで映画やドラマを見るのは、非常に高いレベルが求められます。
TOEIC900点でも字幕なしで映画やドラマを理解するのは困難です。
なぜなら英語のリスニング力に加え、文化的な背景を踏まえた表現の理解が必要だから。なので、かなりハイレベルな英語力が求めらるので、目標を達成するのに時間がかかってしまいます。
そうなると、途中で「こんなに勉強しているのに、いっこうに字幕なしで映画が理解できるようにならない」と落胆してやる気がなくなってしまいがちです。つまり、高すぎる目標を立てると、成長実感を持てずに挫折しがちということです。
このように、目標設定の時点で挫折する原因をつくっているケースがあります。
自分にムチを打って学習しようとする
本当は勉強をしたくないのに、自分にムチを打って学習しようとするのも、英語学習を続けられない原因です。
たとえば、「今年こそ英語を勉強しよう!」「何としてもTOEICの点数を上げる!」と気合を入れる、みたいな感じですね。
一見、やる気があって良さそうなのですが、途中で燃え尽きてしまいます。なぜなら、人の心はそれほど強くないからです。最初はモチベーション高く、やる気に満ち溢れていても、数日経つとやる気が下がってきてしまうものです。
英語学習に燃え尽きた苦い経験
私自身、かつて自分にムチを打って英語の勉強に取り組み失敗した苦い経験があります。
その当時は「今年こそ英語を頑張ろう!」と思っていました。
気合いが入っているため、最初はものすごい勢いで勉強をします。それこそ平日は毎日3時間、休日は8時間勉強しました。
しかし1週間で燃え尽きてしまいました。
最初は「1週間頑張ったから、今日は休んでもいいか」という感じでサボッたのですが、いったん英語勉強をやめてしまうと、もう復帰できなくなるのです。なぜなら、あまりに勉強が苦痛だったからです。
私の経験からも、英語学習を苦痛だと感じながら自分にムチ打って勉強をするのは、やめた方が良いですね。
結果が出る“実感”を持てない学習法を選んでいる
世の中には多くの英語勉強法や教材があります。
ある教材に決めて学習をし始めたものの、「本当にこれを続けて効果が出るのか?」と不安になり途中でやめてしまうケースがあります。勉強を続けているのに、成長している”実感”を持てないからですね。
こうなると、次から次へと教材に目移りしてしまい、一つの教材をやり切ることができなくなってしまいます。
しかし、教材に目移りする状態だと、英語力は伸ばせません。
なぜなら、英語力が目に見えて向上するには2~3ヵ月くらいの時間がかかるからです。逆に言うと2~3週間では目に見える変化は現れません。
英会話スクールに通っても成長するイメージが持てない
たとえば英会話スクールに通いはじめたとします。クラスの様子を見ていると、1年以上スクールに通っている生徒も、それほど英語が話せるようには見えません。
クラスが終わった後で、スクールに通って英語力がどの位あがったかを聞くと次のような反応。
いや~、英語には慣れた気がするのだけど、それほど話せるようにはなってないね~。
このような話を聞くと「このまま続けていて、本当に英語を話せるようになるのだろうか?」と不安になります。
上記の話は、実際に私が英会話スクールに通っていたときに実際にあった話です。
その後、惰性でしばらくスクールに通いましたが、英会話力はほとんど身に着かないままやめてしまいました。「このまま続けても、どうせ英語を話せるようにならないのだろうな......」と感じてしまったからですね。
このように結果が出る”実感”が持てないと、挫折する可能性が高まります。
悪い環境に身を置いている
学習する環境がよくないと、英語勉強に挫折する可能性が高くなります。なぜなら人は周囲の環境に大きな影響を受けるからです。
クラスメートと傷を舐め合う
たとえば英会話スクールに通っているとき。
クラスメートと「英語が話せるようになるのは簡単じゃないよね」などと傷のなめあいをしたり、「今回のレッスンの先生の●●が気に入らない」などと愚痴を言い合っていたりしたらどうでしょうか?
おそらく、いつまでたっても英語力は上がらないはずです。
なぜなら、クラスメートの環境に流され、無意識のうちに「ああ、英語力が上がらないのは当然なのだ」と感じ基準を下げてしまうからです。
これも実際に私が英会話スクールに通っていたときに経験したことです。
同僚や家族がモチベーションを下げる
また、同僚や家族に「これから英語を勉強する」と伝えたときに「どうせ続かないでしょ」「無駄だからやめときな」と言われ続けたらどうなるでしょうか?
おそらく、途中で心が折れてしまい挫折してしまうでしょう。
友達に流されてしまう
あるいは、毎日のように飲みに誘ってくる友人がいる場合。
一回、二回は断って英語の勉強をしたとしても、そのうち誘いを断りきれなくなり飲みにいってしまうことでしょう。そして一度タガが外れてしまうと、学習を継続できなくなるのも、よくあります。
このように、環境がよくないと英語学習を続けられなくなってしまいます。
英語学習に挫折しない5つのポイント
勉強をする目的に立ち返る
「WHYから始めよ!」という書籍はご存知でしょうか?
サイモン・シネックが書いた本で、スティーブ・ジョブズやキング牧師など「本物のリーダー」がどのように人をインスパイアしているのか?を解説した内容です。
普通のリーダーは「What(製品のスペック目標など)」を最初に語った後に、「How(どのように実現するか)」、「Why(なぜこれを実現するのか)」を語ります。
一方で、本物のリーダーは「How(どのように)」や「What(何を)」の前に、「Why(なぜ)」を語ります。
「Why(なぜ)」は人の根源的な感情に訴えかけるからです。
たとえば、Apple社のi-phoneはなぜこれ程成功してきたのか?
性能だけで見れば、もっと良いものもあります。しかし、Appleのモノづくりやデザインの哲学、つまり「Why」に人は魅かれるのです。
下の図は著者がゴールデンサークルを呼ぶものです。
円の一番内側にWhy、外側にHow、Whatの順で並んでいます。
円の内側ほど、動物的な感情に近いことを表しています。つまり、本能的に動かされるのです。
最初に「Why(なぜAppleがi-phoneを開発するのか)」を語り、その後で「How(どのように作るのか)」「What(具体的にどのようなスペックのものを作るのか)」を語ります。
そのため、人々は共感し、動かされ、i-phoneに魅かれたのです。
英語学習も「Why」から始める
この法則は英語学習にも当てはまります。
もちろん、「What(何の教材をやるか)」「How(どのように学習するのか)」も重要です。
しかし、その前に「Why(なぜ英語を学ぶのか)」を言葉にできていないと、学習意欲が沸きあがらず挫折してしまいます。
内発的な動機に火をつけ、自分を動かせると英語学習を継続しやすくなるからです。
最初に「Why(なぜ、あなたは英語を学ぶのか?)」を自分に問いかけてみましょう。
正しく目標設定する
英語学習を続けるには、正しく目標設定することが重要です。
ここでは数ある目標設定の方法の中で、唯一統計的に効果が証明されている方法を紹介します。
心理学者のガブリエル・エッチンゲン教授の研究結果をまとめた方法で、この方法を使うと、通常の目標設定法に対して2倍の達成率が得られることが実験で示されています。
この目標設定法はWOOP(ウープ)と呼ばれており、以下の頭文字をとったものです。
O:Outcome(得たい結果) 具体的に得たい結果。できれば定量的に書く。
O:Obstacle(障害) 得たい結果を実現する際に想定される障害。
P:Plan(計画) 障害が起きたら、どんな行動をとるかの計画。
ここで重要なのは、ObstacleとPlanです。
WishとOutcomeはポジティブに考える一方、ObstacleとPlanは徹底的にネガティブに考えます。そして、このObstacleとPlanを立てることにより、目標達成率が2倍に高まるのです。
Obstacle(障害)が、「疲れて家に帰ると、英語学習をせずにテレビを見てしまう」だったとすると、Plan(計画)は、「家に帰る前にカフェで英語学習をする」、「テレビの電源を抜いておき、すぐに見られないようにする」などが考えられます。
WOOPの具体的な使い方は以下の記事については詳しく解説しました。詳細を知りたい方は、ぜひ読んでみて下さい。これからの、あなたの目標達成率が飛躍的に伸びることでしょう。
ご参考:英語学習の目標設定の例【達成率2倍の方法を紹介します】
モチベーションに頼らず、英語学習を習慣化する
無理せず、学習を続けるにはモチベーションに頼るのではなく「習慣化」することが重要です。毎日、意識せずとも歯ミガキをするように英語学習を生活に取り入れるのです。
習慣化のポイントは8つあります。
- 英語学習を他の行動とセットにする
- 習慣化する行動を具体化する
- 習慣化する行動のハードルを下げる
- 週4日以上、1日1分でも続ける
- 2ヵ月以上続ける
- 習慣化の失敗を前提に計画を立てる
- 英語力はすぐに伸びないことを知る
- 環境の力を利用する
詳しくは、以下の記事にまとめたので、英語学習を習慣化したい人は読んでみてください。
結果が出る英語学習法を選択する
これは「How」「What」の部分ですが、結果が出る確率が高い学習法を選択することも重要です。結果が出る勉強を選ぶメリットは2つあります。
1つ目は、もちろん英語力が伸びやすいことです。
2つ目は、この勉強を続ければ、英語力が伸びる”実感”が得られることです。
先ほど説明したように、英語力が伸びる”実感”がないと、英語学習を続けるのは困難です。反対に、「この勉強を続ければ、英語力が伸びそうだ」という実感を持てると、英語学習を続けやすくなります。
では、「結果が出る勉強法」を見分けるにはどうしたらよいのでしょうか? ポイントは2つあります。
その学習法に科学的な検証データがあるか?
1つ目は「科学的に効果が検証された」学習法を選ぶことです。
心理学や応用言語学の分野で、効果的な学習法に関する研究がなされています。これらの研究で効果がある方法に則っているか? が一つの判断基準になります。
なぜなら、科学的に検証されている方法は再現性ががあるからです。つまり、あなたも同じ方法で勉強すれば英語力を向上できる可能性が高いです。
反対に、科学的に検証されていない個人の体験にもとづく勉強法の場合は、あなたが実践しても成果は出ないかもしれません。
科学的な知見をもとにした効果的な学習法に関しては、以下の記事にまとめました。心理学の研究結果、第二言語習得論のデータを調べ、筆者がわかりやすくまとめた内容です。科学的な英語学習法について知りたい方は読んでみてください。
口コミをよく読む
2つ目は、教材やスクールを選ぶとき、口コミをよく読むことです。
Amazonなどの通販で、ものを買うときに口コミを参照するのと同じです。口コミを見るときのポイントは、教材を購入した人の満足度ではなく「どのような結果が得られているか?」に注目することです。
たとえば、「英会話スクールの先生の教え方が丁寧だった」「受付の対応がよかった」「教室の雰囲気がスタイリッシュだった」などの口コミは意味がありません。なぜなら英語力アップと関係ないからです。
一方で、「2ヵ月続けてTOEICの点数が100点上がった」「英語のプレゼンができるようになった」などの口コミは意味があります。同じトレーニングをすれば、あなたも同じような結果が得られる可能性が高いからです。
このように、あなたの目的に合う結果が得られるか? という視点で口コミを見るとよいでしょう。
スクールの選び方に関しては、以下の記事を参考にしてみて下さい。
⇒おすすめ英会話スクールの選び方|エビデンスで知る口コミと評判の見方
よい環境に身を置く
ここまで記事を読み、あなたのいる環境が英語学習を継続するのによくないと思った場合、その環境から足を洗って、よい環境に身を置くことをおすすめします。
先ほども書いたように、人は環境から大きな影響を受けるからです。
たとえば、英会話スクールのクラスメートと傷をなめあっているのであれば、クラスメートから距離を置く。
友人からしょっちゅう飲みに誘われて、英語の勉強に支障があるのであれば、しばらくの間は英語学習に集中するため飲みにいけないと宣言する、など。
反対に、ともに英語学習をする仲間を見つけるのは、よい環境に身をおくことになります。
繰り返しになりますが、環境の力は非常に大きいものですので、学習に取り掛かる前に整えておくことをおすすめします。
まとめ|挫折する原因を知れば、英語勉強は続けられる
この記事では英語学習に挫折する原因と、継続するためのポイントをお伝えしてきました。
「英語学習は続かないもの」と思っている人もいるかもしれませんが、挫折する原因を特定し対処すれば、誰でも勉強を継続することは可能です。
英語習得には1,000時間かかると言われています。
自分がどのパターンに当てはまるかを考えて、学習に取り組むとよいでしょう。
独学で英語学習を続ける自信がない人へ
「独学で英語学習を続ける自信がない......」
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