このように思ったことはありませんか?
音読をしているのに英語力が伸びない人は、もしかしたらやり方を間違えているのかもしれません。
しかし音読は、正しい方法で続ければ英語の4技能全てに効果がある素晴らしい学習法なので、やめてしまってはもったいないです。
この記事では、「なぜ音読しても英語力が伸びないんだろう?」という疑問を解消したうえで、「どうやったら効果的な音読ができるのか」を解説していきます。
おすすめの教材も紹介しているので、英語の基礎体力をつけたい人は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
音読をやっても英語力が伸びない理由
せっかく音読に取り組んでいるのに効果を感じられないと、やる気がなくなってしまいますよね。
まず、音読をやっても英語力が伸びない理由を確認しておきましょう。
あなたは次の項目に当てはまっていませんか?
- 教材が自分のレベルに合っていない
- 音読回数が足りない
- フィードバックを受けていない
心当たりがある人は、やり方を改善する必要があります。
教材が自分のレベルに合っていない
リーディングやリスニングでは、「自分の英語レベルより少し難しい教材」が良いと言われています。
しかし音読にちょうどいいのは「自分の英語レベルよりも少し簡単な教材」です。
なぜなら、音読はあくまでも「声に出して読むこと」がメインだから。
レベルの高い教材を選んでしまうと、知らない単語でつっかえたり、文の区切りを間違えて変なイントネーションになったりして、音読に集中できません。
目安としては、一度黙読して、9割〜10割理解できる内容のものが適切です。
また、2〜3回音読してもスラスラ読めない場合、教材が難しすぎる可能性があるので、少しレベルを落としてチャレンジするのがおすすめです。
音読回数が足りない
「気が向いた時、たまたま見かけた英文を一度音読して終わり」。
こんな音読をしていませんか?
全くの無意味とまでは言いませんが、これだけでは実感できるほどの効果は得られません。
音読には繰り返しと継続が重要であり、初見の英文をたまに音読するくらいでは足りないのです。
何度も同じ文章を読み続けることによって、口の筋肉が鍛えられ、だんだんうまく読めるようになります。
同時に、英語の音や語句が脳に定着していきます。
ひとつの英文を1日5回、1週間続けて読めば、意味を考えながらでもスラスラ読めるようになるはず。
音読は気まぐれでやるのではなく、コツコツと積み重ねましょう。
フィードバックを受けていない
いくら一生懸命音読をしても、発音やアクセントが間違っていては意味がありません。
自己流で続けてしまうと、間違ったまま定着してしまうおそれがあります。
理想をいえば、オンライン英会話などを活用し、定期的にネイティブにフィードバックをもらうのがおすすめです。
それが難しい場合は、自分の声を録音し、お手本となるネイティブの音声と聞き比べてみてください。
私もスマホのレコーダーを使ってトレーニングしていますが、「音読中はネイティブのように読めているつもりだったのに、録音を聞いてみたら日本語なまりだった」ということがよくあります。
自分が発音する英語を客観的に聞いて、ネイティブの発音とどこが違うのか分析することで、少しずつ改善していくことができますよ。
英語音読の効果
音読は英語力を総合的に底上げできる学習法です。
筋トレも「効果を意識すると筋肉を鍛えやすくなる」と言いますが、音読も具体的な効果を知ることで、英語力アップの効果が上がります。
- 発音が良くなる
- 語彙が増える
- 4技能全てが上達する
発音が良くなる
最も実感しやすい効果は、発音が良くなることです。
音読でネイティブの発音をマネすることで、正しい発音、アクセント、イントネーションが身につきます。
特に、きちんとネイティブのフィードバックを受けていれば、発音は見違えるように上達するでしょう。
また、音読を続けると口周りの筋肉が鍛えられるので、はじめは難しく感じていた発音も、だんだんスムーズに発音できるようになります。
語彙が増える
音読を続けると、自然に語彙が増えていきます。
英文を繰り返し読むことで、英語らしい言い回しが脳に蓄積されていくからです。
音読中に出会った単語については、正しい発音はもちろん、「どういう時にどういう文脈で使われるのか?」を合わせて理解できます。
このように実際に文章の中で使われている単語に触れると、機械的に単語を暗記するより印象に残りやすく、忘れにくくなります。
4技能全てが上達する
最終的には、リスニング、リーディング、スピーキング、ライティングの4技能全ての上達が期待できます。
わかりやすいのはリスニングとスピーキングですね。
お手本の音声と自分の声を聞くことでリスニング力が上がり、英語をたくさん話すことでスピーキング力が向上します。
では、リーディングとライティングはどうでしょうか?
まず、単純に、語彙が増えればどちらも上達しますよね。
また、特にリーディングについては、音読によって読解スピードが上がると言われています。
なぜなら音読を繰り返すことで、脳が「英語を英語のまま理解するモード」に入ってくれるから。
頭の中でいちいち「英語→日本語」に翻訳することが少なくなるので、英文の理解が速くなるのです。
このように音読は4技能全てを伸ばす効果があるので、ぜひ続けてくださいね。
正しい英語の音読のやり方
音読はとても効果の高い学習法ですが、やり方を間違えると、いくら続けても英語力が伸びません。
ここであなたに質問です。
あなたは音読をする時、次の点を意識できていますか?
- 「本物の発音」をよく聞く
- 英文の内容を理解する
- 1日10分以上、毎日続ける
ひとつずつ解説するので、これを機に自分の音読方法を見直してみてください。
「本物の発音」をよく聞く
自己流で読んでいるだけではトレーニングになりません。
間違った発音やイントネーションが定着してしまい、むしろ逆効果です。
音読をする時は、ネイティブによる本物の発音をお手本とし、よく聞いてマネしましょう。
個々の単語の発音だけではなく、区切るタイミングや文全体のイントネーションにも注目してみてくださいね。
英文の内容を理解する
よく聞いて音だけマネすればいいかというと、それだけではありません。
英文の意味を理解していないと、いくら音読しても語彙が増えないので、効果が半減してしまいます。
黙読しても意味がわからない部分があったら、理解できるまで調べましょう。
単語はともかく、文法の理解には少し時間がかかるかもしれません。
参考書やネット検索で70%程度理解できたら、あとは「こういう使い方をするものなんだ」と思って音読を繰り返せばOKです。
その時は完璧にわからなくても、何度か同じ文法事項に出会えば、だんだんと理解が深まっていきますよ。
1日10分以上、毎日続ける
音読は最低でも1日10分、毎日コツコツと続けることが重要です。
できれば毎日30分程やると、早めに効果を実感できるでしょう。
音読は筋トレと違って、やりすぎて体を痛めるということはありません。
やり方さえ間違えなければ、やればやるほど効果が出ます。
同じ英文を繰り返し音読し、暗唱するくらいになれば、出てくるフレーズを実際の会話でも使えるようになります。
半分以上暗唱したら、別の英文に移るようにすると、飽きにくいのでおすすめです。
音読におすすめの教材
「音読に取り組みたいけど、何を読めばいいんだろう?」と悩んでいる人もいると思います。
ここからはおすすめの教材を3つ紹介します。
- 『なりきり英語音読』
- Read Along
- 『名スピーチで英語「速」音読』
『なりきり英語音読』
暗唱するくらい繰り返すと、音読の効果が高くなります。
せっかく何度も読んで覚えるなら、実際の会話で使えるフレーズだと嬉しいですよね。
そこでおすすめなのが『なりきり英会話』。
登場人物になりきって日常会話を音読することで、ネイティブのようなイントネーションやアクセントと同時に、実用的なフレーズも自然と身につきます。
なお、著者のYouTube「サマー先生と英会話!」も、基礎から英語を勉強したい人に役立つ動画が多くておすすめです。
Read Along
Googleによる子供向けリーディング学習サイト「Read Along」は、大人の英語初心者にもおすすめです。
PCマイクに向かって音読をすると、単語ごとに発音をチェックし、間違っている部分はAIアバターが訂正してくれます。
音読スピードも自動測定されますし、教材がレベルごとに分かれているので、英語力が伸びている実感を得られます。
やや上級になると、音読の途中で読解クイズが出されるため、リーディング力アップにも効果的です。
『名スピーチで英語「速」音読』
長めの音読をしたい場合は、著名人のスピーチなど、何度も聞いたり読んだりしたくなる文章がおすすめです。
私はスティーブ・ジョブズのスピーチの抜粋を繰り返し音読し、暗唱しました。
本書では、実業家イーロン・マスクやイギリスのエリザベス女王を含む10人の名スピーチを、音読に適した長さに分割し、3種類の音声で読み上げています。
少し難しい英語表現もありますが、日本語訳と語注が掲載されているので、意味を噛みしめながら読んでみることをおすすめします
よくある質問
最後に、音読についてよくある質問をまとめました。
1ヶ月続ければ音読の効果を感じますか?
個人差はありますが、毎日10分以上続ければ、1ヶ月程度で効果を感じられます。
具体的には、「英文をスラスラ読めるようになった」「スピーキングでとっさに使えるフレーズが増えた」といったことを実感する人が多いです。
音読をするとつっかえてしまいます
最初はつっかえて当たり前なので、10回は繰り返し練習してみましょう。
読む時はお手本の音声を参考に、意味のまとまりを意識するようにしてください。
それでもスムーズに読めない場合、教材の難易度が高すぎると考えられるので、もう少し簡単で短い英文からチャレンジするのがおすすめです。
音読をすると意味が頭に入らないです
音読をしながら意味を理解しようとしていませんか?
事前に黙読で辞書を引きながら内容を理解し、頭に入れたうえで音読に進むとやりやすいですよ。
まとめ
音読に即効性はないので、なかなか英語力に変化が見られず、不安になってしまうかもしれません。
ですが、長期的に見れば、正しいやり方で音読を続ければ誰でも必ず英語力が伸びるので、信じて続ける価値はありますよ。
ただし、効果を得るには音読のやり方が重要なので、この記事を参考に正しいやり方を心がけてくださいね。