
英語を学ぶ目的は、人によってさまざまです。
キャリアアップのため、海外との仕事のため、あるいは自己成長のため──。
しかし、多くの人が「勉強しているのに話せない」「続けられない」という壁にぶつかります。
英語コーチングのプログリット(PROGRIT)は、そんな学習者を支え、短期間で英語力を身につけるサポートを行っています。
その中心にいるのが、学習設計とメンタルサポートの両輪を担うコンサルタントです。
本記事では、現役のカウンセラー兼コンサルタントとして多くの受講生を支えてきた八木原さんに、
「英語力が伸びる人と伸びない人の違い」
「人が変わる瞬間」
そして、“AIでは代替できない”人が伴走する意味について伺いました。
英語学習を超えて、「人の成長」に向き合う現場のリアルをお届けします。
タップできる目次
英語教育への想いと転機

ーよろしくお願いします。八木原さんは、以前から英語教育に携わっていたのですか?
子供向けの英語教育から大人向けの英語教育へ ―”親の一言”が転機に
(八木原さん) もともと英語教育に興味があり、子供向けの英語教育の仕事をしていました。
保護者の方と話す機会が多かったのですが、皆さん口をそろえてこう言うんです。
「自分が英語が苦手だから、せめて子どもには英語をできるようになってほしい」と。
その言葉を聞くたびに、私は思いました。
「なぜ大人は“自分はもう無理”と思ってしまうんだろう?」と。
私はずっと「何歳から始めても、英語力は伸ばせる」と信じてきました。
だからこそ、“大人が英語を学ぶ意味”を伝えたいと思うようになったんです。
「もし親である大人が英語を話せるようになれば、その姿を見た子どももきっと変わる」。
そんな確信が、私を大人の英語教育へと導きました。
プログリットはエネルギー値が高い
―大人向けの英語スクールはたくさんあると思います。なぜ、その中でプログリットを選ばれたのでしょうか?
(八木原さん) 実は他の英語スクールさんの面接も受けていました。
でも、プログリットだけは“空気の熱量”がまるで違ったんです。
Webサイトを見たときから「何か違う」と感じていましたが、面接でそれが確信に変わりました。
特に、最終面接でお会いした岡田社長からは、「日本の英語教育を本気で変える」という強い意志と前向きなエネルギーが伝わってきました。
- ネガティブな人がいない。
- 話しているだけで前向きになれる。
そうした雰囲気に惹かれて、「この環境で、自分もエネルギーを循環させる側になりたい」と思ったんです。
直感的に「ここしかない」と感じ、プログリットに入社を決めました。
入社して感じたのは、「ポジティブなエネルギー」は単なる雰囲気ではなく、受講生一人ひとりの努力や成果を“本気で信じている”文化そのものだということでした。
受講生と本気でぶつかるコンサルタントの信念

―ありがとうございます。過去に担当された印象深い受講生のお話を聞かせていただけますか?
(八木原さん)コンサルタントを始めたばかりの頃、ある受講生(仮名:山田さん)と本気でぶつかり合ったことがありました。
英語学習の壁:シャドーイングが続かない
(八木原さん) 山田さんは6ヶ月コースを受講中に転職され、仕事も環境も一変。英語学習に割く余裕がなくなっていました。
特に“シャドーイング(※)”に取り組む時間が激減していたんです。
(※) シャドーイングとは、英語の音声を聴きながら1秒程度後に続いて発声するトレーニングで、特にリスニング力アップに効果がある。
でも、その時期こそ山田さんの英語力を飛躍させるチャンスでした。
私は「今こそ英語学習、特にシャドーイングに取り組むべきタイミング」だと思っていました。
”喧嘩”から始まった本音の対話
(八木原さん) 面談でお話を伺うと、「仕事が忙しい」「やっても成果が出ている気がしない」と本音がポロッと出てきました。
私もその気持ちはよくわかります。
ただ、”本当に変わってもらうためには、今ここで向き合わなければいけない”と感じました。
私たちコンサルタントは、受講生の人生を変えてもらうつもりで向き合っています。
なので、言いにくいことであっても、いっときは受講生に嫌われるリスクがあっても、必要なことはお伝えしています。
山田さんが目指す目標や、それまでの英語学習の状況を踏まえると、シャドーイングに本気で取り組む必要があるタイミングでした。
そこで面談で率直に、こう伝えたんです。
「確かにシャドーイングは難しい。でも、難しいからこそ意味がある」
「今の山田さんにとって必要なトレーニングだ」
小さな”成長”を見える化する
ーなるほど、その後はどうされたのでしょうか?
(八木原さん) これまでの記録を見ながら、「以前はWPM(※)=100の音声しか追えなかったのに、今はWPM=120ができている」と具体的な成長を一緒に確認しました。
※WPM (Words Per Minutes) : 1分間に話される語彙数
成長を“数値化して見せる”ことで、本人の中に少しずつ納得感が芽生えました。
また面談の中で、日々の学習時間を調整したり、トレーニングメニューの優先順位を整理したりしました。
面談の最後、山田さんはこう言ってくれました。
「八木原さんが“やるしかない”って言ってくれたから、やります。」
本気でぶつかった先に見えた変化
(八木原さん) 翌日から彼は本当に行動を変えました。卒業までに山田さんは英語力を伸ばし、あの時の努力が実を結んだのです。
その後、山田さんとお会いした時にこう言ってくださったんです。
「あの時、ハッキリ言ってもらえてよかった」
正直に言うと、「本当に率直にお伝えして大丈夫かな......?」と不安だったので、このように言っていただき私も嬉しかったですね。
たしかに、受講生に甘い言葉をかければ、その場の対立は防げます。
しかし、本当に英語力を伸ばしてほしい、人生を変えてほしいと思うからこそ、時には厳しいことも言わないといけない。
この経験から「本気で伝えることが相手を動かすんだ」と心から実感しました。
モチベーションが下がった時に“再び立ち上がる”サポートの秘密

―ありがとうございます。プログリットの受講生はかなりハードな学習に取り組まれています。途中でモチベーションが下がることもあるのではないでしょうか?
まずは”なぜ”を見極める
(八木原さん)もちろんあります。むしろ、最初から最後までモチベーションが高いまま走り切る人の方が珍しいです。
大事なのは、「下がったときにどう立て直すか」。
だから私は、面談の中でその理由を丁寧に探っていきます。
- 頑張っているのに成果が見えない
- 忙しくて疲れがたまっている
- プライベートで落ち込む出来事があった
こうした要因が重なると、誰でも英語学習の手が止まってしまいます。
だからこそ、私たちは“学習内容”だけでなく、“心の状態”を一緒に見ていくようにしています。
”責めずに支える”アプローチで前を向く
―英語学習だけでなく、仕事やプライベートまで踏み込むのですね。信頼関係がなければ難しいと思いますが、どんなことを意識されていますか?
(八木原さん) 一番気をつけているのは、「否定しないこと」です。
落ち込んでいる時に、頭ごなしに「それは言い訳だ」と言われたら、誰でも心を閉ざしてしまいますよね。
私は、「お客様に共感しすぎず、理解を示す」スタンスを大事にしています。
「◯◯さんはそうやって感じたんですね」と、まず受け止める。
その上で、「じゃあ明日、できることは何か?」を一緒に考えていきます。
たとえば仕事で忙しい時期は、学習時間を減らしてOK。
これも私から一方的に決めるのではなく、受講生自身に“自分で宣言”してもらうようにしています。
その上で、限られた時間で最大の成果を出すため、トレーニングの優先順位をつけていきます。
そうすることで、学習が「やらされるもの」から「自分の意思でやるもの」に変わるんです。
人が前に進むのは”実感”があるとき
―素晴らしいですね。まさに“寄り添う伴走”という感じがします。
(八木原さん) ありがとうございます。
ただ、どんなサポートよりも大事なのは、「成長実感」だと思っています。
どれだけ頑張っても成果を感じられなければ、続けるのは本当に難しい。
だからプログリットでは、“見えない成長”を見える化する仕組みを大切にしています。
たとえば、週ごとのテストで小さな変化を確認したり、以前と同じ教材で再測定して“伸び”を体感してもらったり。
また、数値だけでなく「以前よりリスニング中に迷わなくなっていますね」など、私の言葉で成長を言語化して伝えるようにしています。
小さな成長でも、それを実感できると「よし、もう少しやってみよう」という気持ちが自然に湧く。
結局、人は“実感がある時”にしか前に進めないんです。
同じ努力でも差が出る理由 ― 伸びる人・伸びない人の決定的な違い

―八木原さんはこれまで多くの受講生をサポートされてきました。英語力が伸びる人と、なかなか伸びない人。その違いはどこにあると感じますか?
伸びる人は「まず信じてやってみる」
(八木原さん) 一番の違いは、「素直さ」です。
英語力がどんどん伸びる人は、アドバイスを一度“心から信じてやってみる”ことができる人。
プログリットには、これまでの受講データや第二言語習得理論に基づいた明確なメソッドがあります。
「これが最短で成果を出す」と確信を持ってお伝えしているので、素直に受け入れて実践してくれる人ほど結果が出るんです。
特に印象的なのは、アドバイスを試した上で、前向きにフィードバックを求めてくる人。
「自分としては、こういうところが課題だと思うのですが、八木原さんはどう思いますか?」と質問してくれる方ですね。
そういう方は、試す→修正→改善のサイクル(PDCA)がとても速い。
コンサルタントとの対話を“共創”のように使っていて、英語力が伸びやすい傾向にあります。
伸び悩む人は「頭で考えすぎる」
―なるほど。反対に、伸びにくい人にはどんな傾向がありますか?
(八木原さん) 正直に言えば、頭で考えすぎるタイプの方です。
「このやり方は自分に合わない気がする」「もっと効率のいい方法があるのでは?」と、実践する前に考えてしまう。
プログリットにいらっしゃる方は、いろんな学習を試して、それでも英語力が挙げられずに困ってお越しになる方も多いです。ですので、気持ちはすごくわかります。
ただ、英語学習においては、“体験して初めて分かること”が意外と多いんですよね。
やってたからこそ、感覚が掴めたり、改善点が見えたりすることがあります。
だからこそ、「まず信じてやってみる」という方は、英語力が伸びやすいと感じています。
私たちコンサルタントは、受講生の時間を1分たりとも無駄にしないよう、常に学習メソッドをアップデートしています。
その上で、「まず試す→結果を見て一緒に考える」プロセスが、英語力を確実に伸ばす近道だと思います。
たった1時間で学習プランを立てる〜プログリット流カウンセリングの極意〜

― 八木原さんは、いまはカウンセラーのお仕事をされていると伺いました。プログリットにおいて、コンサルタントとカウンセラーでは、どんな違いがあるのでしょうか?
1時間で“本音”を引き出す難しさ
(八木原さん) カウンセラーは、プログリットでのご受講を検討しているお客様や、英語学習をしたいが何から始めていいかわからないお客様に対して、無料カウンセリングを実施します。
つまり、プログリットを検討しているお客様と最初に会うポジションです。
お客様のお悩みをヒアリングし、英語力を診断します。
その上で、その人にとって最適な学習プランを提案したり、プログリットがどのようにお役に立てるかをお伝えしたりする。
情報がほとんどない中で、たった1時間で“その人の人生と英語の関係”を理解し、信頼関係を築く必要があるわけです。
なぜなら、このような背景を本音で話して頂かないと、その人にとって最適な学習プランを提案できないからです。
例えば、
- なぜ、いま英語学習に取り組まれようとしているのか?
- これまで、英語とどのように関わってきたのか?
- あるいは、英語学習に対してどのような感情を持っているのか?
こういったことを具体的に、細かく理解しないと良い提案ができないのです。
なので、この1時間の密度は、想像以上に濃いです。
特に難しいのは、“できていない部分”を率直に伝える瞬間。
まだ関係性が浅いと、反発されることもあります。
だからこそ、最初の10〜20分で信頼をつくれるかどうかが勝負になります。
最初の20分で信頼を築く方法
―信頼関係を築くために、どんな工夫をされているのでしょう?
(八木原さん) 基本は“相手に合わせる”です。
たとえば、ポジティブな目標をお話してくれる人には、一緒にワクワクしながら話をする。
真面目でロジカルな方には、構造的に話す。
カウンセリングの主役はあくまでお客様。
だから自分のスタイルを押し付けず、相手の世界に合わせて話すことを意識しています。
話し方や表情などをお客様に合わせるようにしています。
―具体的に大事にされていることはありますか?
(八木原さん)そうですね......。大きく3つのことを大事にしています。
相手のタイプに合わせて“心のチューニング”をする
ー 1つずつ教えていただけますか?
(八木原さん) 1つ目は、相手のタイプに合わせて自分をチューニングすることです。
カウンセリングで一番大事にしているのは、「お客様が安心して話せる空気をつくること」です。
なぜかと言うと、安心してお話をしていただけると、より良い学習プランの提案ができるからですね。
そのために、相手のテンポや表情、話し方に合わせて自分の姿勢を調整します。
- ポジティブな方には明るくテンポよく。
- 慎重な方には、落ち着いたトーンで丁寧に。
“素の自分”のままで行くよりも、目の前の人に合わせて心をチューニングする。
これはテクニックではなく、「相手を尊重する姿勢」だと思っています。
言葉に想いをこめる
(八木原さん) もう一つ意識しているのは、「言葉の重み」です。
カウンセリングの時間は限られています。
その中で「どんな言葉を選ぶか」が、お客様の心の開き方を左右します。
質問って、とても繊細な道具だと思うんです。
一つの言葉が、相手を不安にも安心にも変えてしまう。
だからこそ、私は “相手が話したくなる問い” を届けたい。
この一言が、相手の明日を変えるかもしれない
そんな気持ちで一人ひとりと向き合っています。
厳しさの中に“尊重”を忘れない
ー最後の1つを教えていただけますか?
(八木原さん) 3つ目は厳しさの中に”尊重”を忘れないことです。
学習プランをお伝えする際に、その人の英語力の課題をセットで伝える必要があります。
ただ、英語力の課題を伝える時、ただダメ出しするだけでは人は前を向けません。
大切にしているのは、その言葉の裏側に「あなたならできる」という信頼と期待を込めること。
例えば、このように前置きします。
「本気で変わってほしいと思うからこそ、あえて言います」
言葉そのものよりも、どんな気持ちで伝えているか。そこに人は動かされると思うんです。
英語学習は、知識の勝負ではなく、最後は 心が動くかどうか で決まると思っています。
だから私は、英語の話をする前に、目の前の相手の心に触れることを、いちばん大切にしています。
何歳からでも英語を身につけられる

―ありがとうございました。八木原さんは「何歳からでも英語を身につけられる」とお話されていました。この考えは、プログリットで働かれてからも変わっていませんか?
プログリットで想いが確信に変わった
(八木原さん) もちろんです。
私は昔から
- 何歳からでも英語を身につけられる
- 留学しなくても英語は伸ばせる
と信じていました。
でも、その信念が“感覚”から“確信”に変わったのは、プログリットに入ってからですね。
毎日のように、仕事や家庭、年齢を言い訳にせずに努力する受講生を見ています。
その一人ひとりの努力と結果が、私の中で“信念の証拠”になっています。
これまで感覚的に信じていたことが、実例とデータで裏付けられた。
それが今の私の確信です。
「変われる」と思えば人は変われる
― その一方で、「人はそんな簡単に変われない」と言う人もいます。
(八木原さん) たしかにそう思う人もいます。
でも私は、「変われる」と信じた人は本当に変わると断言できます。
プログリットの卒業生の中には、
「英語力だけでなく、生活リズムや考え方まで変わった」
と話してくださる方がたくさんいます。
それは“英語を学んだ”というより、“自分の可能性を信じる力”を取り戻したということなんです。
人は、自分を信じて正しく行動できれば、必ず変われる。
逆に、「どうせ無理」と思って立ち止まると、現実もその通りになってしまう。
だから私は、「変われる」と信じる力を引き出すことこそ、教育者の役割だと思っています。
AI時代でも、人が学ぶ意味は変わらない

―ありがとうございました。最後に、AIの進化についてお聞かせください。
最近はChatGPTのように自然な対話ができるAIも登場しています。そんな時代に、人が英語を学ぶ意味、そして人間のコンサルタントが伴走する意味はどこにあると思いますか?
人間だからこその”温かさ”
(八木原さん) AIの進歩は本当にすごいですよね。
私も業務でよく活用しています。
それでも、やはり“感情を動かす”のは人間だと思います。
コンサルタントが人だからこそ、受講生の辛さや嬉しさを感じ取り、その瞬間にかける言葉を選ぶことができる。
同じアドバイスでも、「心がこもっている」と感じると、人は行動を変えるんです。
それが“人の温かさ”だと思います。
一方で、AIや自動翻訳の進化はとても素晴らしい。
私自身も、学習や業務の効率化にはどんどん取り入れています。
ただ、英語を学ぶ意義は“情報のやり取り”だけではありません。
言語を通して、相手の文化や考え方、その人の背景を理解できる。
それはAIには代替できない、人と人の“通じ合い”です。
だからこれからは、「人×テクノロジー」の時代。
AIを上手に使いながら、人間としての温かさを持って支援する。
私自身も、これから一人でも多くの受講生が英語を通じて人生を変えられるよう、伴走者として力を尽くしたいと思っています。
英語を身につけて終わりではなく、「その先にどんな自分になりたいか?」を一緒に描いていく。
そんなサポートができたら嬉しいですね。


























