TOEICリスニングのテクニックとして、よく耳にする「先読み」。
リスニング満点の私も毎回実践しており、スコアアップを目指すなら必ず取り入れるべきです。
そこでこの記事では、先読みの効果とメリット、具体的なやり方とコツを解説します。
先読み力を鍛える勉強法と教材も紹介するので、「先読みに挑戦したいけど、どうやったらいいんだろう?」と疑問に思っている人は、ぜひ参考にしてくださいね。
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TOEICリスニングの先読みとは?
そもそも、TOEICリスニングの先読みとは具体的に何を指しているのでしょうか。
3つのポイントを確認しておきましょう。
設問や選択肢を先回りして読むこと
一言で表すと、
です。
TOEICリスニングでは、
- Directions(各パートの説明)
- 設問
- 選択肢
が放送されます。
普通は、放送されている音声と同じ箇所を目で追い、順番に解いていきますよね。
先読みとは、放送よりも先に設問や問題文を読んでしまうことを指します。
先読みが有効なのはPART3, 4
リスニングはPART1から4までありますが、先読みが有効なのはPART3と4。
PART1と2は設問と選択肢が問題用紙に印字されておらず、先回りして読むものがないからです。
PART1に関しては、写真を先に眺めておくことはできるものの、設問が流れるまで何を聞かれるのかわかりません。
ポイントを絞らずに漠然と写真を眺める時間は、どちらかというと無駄になってしまいます。
一方PART3と4は、設問と選択肢が全て印字されています。
放送されるのは設問のみなので、同時に選択肢を読みきるのは大変。
ですが、先読みをしておけば、余裕をもって解くことができます。
TOEIC高得点の必須テクニック
TOEICで800点以上の高得点を目指すなら、リスニングの先読みは必須です。
リスニング満点を取った私も、毎回先読みを実践してきました。
私の経験から考えて、先読みを全くしないで800点以上を取るのは、かなり難しいでしょう。
上級者のほとんどが先読みを取り入れているはずです。
もちろん、600点〜700点台を目指す中級者にも役立つテクニックなので、無理のない範囲でチャレンジすることをおすすめします。
その理由をこれから説明します。
先読みをするメリットと効果
TOEICリスニングで先読みをすると、以下の3つのメリットや効果が得られます。
ひとつずつ見ていきましょう。
回答時間を節約できる
TOEICは問題数が多いため、時間との勝負。
これはリーディングだけの話だと思っている人もいるかもしれませんが、リスニングにも当てはまります。
スピード感をもって回答しないと、音声がどんどん先に進んでしまうからです。
音声を聞いてから、選択肢をじっくり読んで、「え〜っと、さっきこう言ってたから……」などと考えている暇はありません。
先読みをしておくと、あらかじめ何を問われるかがわかっている状態になります。
選択肢も把握していれば、音声を聞くと同時に答えられるので、回答時間を節約することができるのです。
内容の理解度がアップする
先読みをすることで、先読みしておいた設問の内容の理解度がアップします。
あらかじめ設問や選択肢を読んでおけば、ある程度内容を推測して、心の準備ができるためです。
日本語でも英語でも、誰かの話を聞く時のことを考えてみてください。
脈絡もなく急に話が始まると、「え?何の話?」と戸惑ってしまい、理解に時間がかかりますよね。
ですが「明日の会議のことですが」などと前置きがあり、おおまかなテーマがわかっていれば、その後の話が頭に入りやすくなります。
TOEICリスニングも同じで、先読みをすると、内容のヒントをもらえます。
「設問にmeetingって書いてあるから、会議の話だな」
「地図が載っているから、道案内かな」
といったように、できるかぎり想像をふくらませておきましょう。
大事なポイントに集中できる
TOEICリスニングの音声は、一度ずつしか読まれません。
聞き逃したら、その問題は捨てて、カンで答えるしかなくなってしまいます。
なので聞き逃さないようにしなくてはいけません。しかし、リスニングは45分間あるので、ずっと集中し続けるのは難しいですよね。
また、Part3と4ではそこそこ長さのある音声が流れるので、「聞き取れたけど、解こうとした時には、何を言っていたか忘れてしまった」ということもあります。
そのため、先読みをして大事なポイントをしぼっておくことが重要です。
たとえば設問が「Where is the woman?(この女性はどこにいますか?)」だったら、場所を示す部分が重要なので、「I’m at...」と聞こえてきた時に意識を集中させればOK。
同じように、「選択肢がMonday, Tuesday, Wednesday, Thursdayだから、曜日を聞き逃さないようにしよう」と心構えをしておくこともできます。
先読みの具体的なやり方と3つのコツ
ここからは、先読みの具体的なやり方とコツを解説します。
基本は“1問先の設問を読む”
先読みするタイミングの基本は、流れている音声の“1問先の設問を読む”です。
つまり、
- Directions放送中に最初の設問を読む
- 質問文の放送中に次の設問を読む
を繰り返すことになります。
「もっと先まで読める!」という場合でも、進みすぎるのはおすすめしません。
放送中の箇所と読んでいる箇所が離れると、どこを解いているかわからなくなってしまうからです。
あまり欲張らずに、「1問マークしてから、次の設問を読む」というリズムを守るようにしましょう。
音声を全て聞く必要はない
実は、放送される音声の中には、聞かなくてもいい部分があります。
まず、各パートの最初に流れるDirections。出題形式が頭に入っていれば聞く必要はありません。
そして、「答えがわかった後の音声」。
たとえば、次の設問と選択肢が印刷されているとします。
What is the man’s job?(男性の職業は何ですか)
(a) Doctor(医師)
(b) Cook(料理人)
(c) Photographer(写真家)
(d)Teacher(教師)
そして、男性がこう言うのが聞こえてきました。
「Hi. I’m a travel photographer. And I want to edit my photos...(こんにちは。私は旅行写真家で、自分の写真を編集したいのですが......)」
この場合、「travel photographer」さえ聞き取れれば、答えが (C)Photographer(写真家)だとわかります。
その後の音声は聞かず、次の設問を読み始めましょう。
「最後まで聞かないと不安......」という時は、無理に先読みを優先しなくても構いません。
でも、回答に自信が持てた時は、ためらわず次に進むことをおすすめします。
余裕がある時に図表をチェックする
PART3と4には、地図やタイムテーブルなどの図表を使った設問があります。
読み解くのに時間がかかるので、余裕がある時にチェックしておくと、落ち着いて回答できます。
「余裕なんてない!」と思うかもしれませんが、PART1と2は先読みするものがないので、少なくともPART1と2のDirectionsが流れている間は時間がありますよね。
この時、少し先のページをめくって、図表をチラチラ眺めておきましょう。
ただし、PART1と2の回答がおろそかになってしまってはいけないので、くれぐれも無理はしないでくださいね。「レッスンの内容と開始時間が書いてあるな」とか「値段を比べる問題かも」のように、ザックリ把握するだけでも十分です。
先読み力を鍛える勉強法と教材
先読みはリスニングスコアを伸ばすために効果が高いテクニックですが、いきなりやろうと思ってもうまくいかないかもしれません。
「どうすれば先読み力をつけられるの?」という人のために、効果的な勉強法と教材を紹介します。
語彙力を鍛える
先読みをするには語彙力が必要です。
先回りして設問や選択肢を読もうと思っても、使われている単語を知らなかったら、内容がつかめませんよね。
意味のわからない文字を目で追うだけでは、先読みの意味がありません。
TOEIC頻出単語を押さえておくと、先読みがラクになりますし、全体的に解くスピードが速くなります。
1冊単語集を買うなら『TOEIC L&R TEST 出る単特急 金のフレーズ』がおすすめ。
単語がレベル別に掲載されているので、初級から上級まで、長く使うことができます。
地道な努力になりますが、見出し語の1,000語を覚えきれば必ずTOEICスコアが上がるので、ぜひ頑張ってみてください。
リスニング問題を分析する
TOEICは出題形式が決まっており、似たような表現が繰り返し出てくることが多いです。
そのため、リスニング問題を分析することで、速く的確に先読みできるようになります。
たとえば、
「What will the man do next?(男性は次に何をしますか)」
「What is the topic of today’s meeting?(今日の会議のテーマは何ですか」
などは毎回のように見かける質問です。
分析といっても、難しいことをする必要はありません。
演習問題を繰り返し解いていれば、自然とわかるようになってきます。
アプリ「スタディサプリENGLISH」の「TOEIC® L&R TEST対策コース」には、TOEIC20回相当の演習問題が用意されているので、スキマ時間に少しずつチャレンジするのがおすすめです。
本番と同じ形式で問題演習をする
一気に大量の問題を解かないと、先読みは身につきません。
スピード感をつかむめに、本番と同じ形式で問題演習をしておきましょう。
『公式TOEIC® Listening & Reading 問題集』には模試2回分が収録されているので、リスニングセクションを通して解いていきます。
公式問題集はリーディングのスコアアップにも役立つため、1冊は手元に置いておくのがおすすめ。
リスニングセクションのみ重点的にトレーニングしたい場合は『公式TOEIC® Listening & Reading プラクティス リスニング編』も有効です。
こちらのほうが解説が詳しく、順を追ってレベルアップできるように構成されているので、リスニングに苦手意識がある方は検討してみてください。
TOEICリスニングの先読みに関する「よくある質問」
最後に、TOEICリスニングの先読みについてよくある質問をまとめました。
TOEICのリスニングで先読みが禁止と聞きましたが本当ですか?
リスニングの先読みは禁止されていません。
ただし、リスニング中にリーディングのページを見ることは禁止です。
また、マークシート以外への書き込みも禁止なので注意しましょう。
先読みをしても忘れてしまいます
忘れてしまっては意味がないので、先読みする分量を減らしましょう。
選択肢の先読みは諦めて、選択肢を2回読むのも効果がありますよ。
選択肢だけ先読みをすれば良いですか?
どちらかというと設問を優先して読むのがおすすめです。
「What...?」と「Where...?」では、集中して聞くべきポイントも、答えも変わってくるからです。
設問を理解したうえで、余裕があったら選択肢にも目を通しましょう。
先読みが間に合いません。何秒くらいでやれば良いですか?
先読みに使っていいのは、直前の設問が読まれている間です。
PART3と4では、設問が読まれる時間が平均5秒前後、無音の回答時間が8秒あります。
マークする時間を差し引くと、1問10秒程度が限度と考えてください。
まとめ|先読みに慣れてリスニングスコアを伸ばそう
先読みができるようになると、リスニングのスコアは確実にアップします。
最初は難しく感じるかもしれませんが、慣れれば自然にできるようになりますよ。
私も始めの頃は「先読みして、音声を聞いて、マークして、先読みして......」と焦りながら解いていて、試験中に汗がにじむくらいでしたが、そのうち先読みが習慣になり、リスニング満点までたどり着けました。
この記事を参考に、ぜひ先読みを練習してみてくださいね。
「独学だと難しそう......」という場合はスクールを活用するのもあり
どうしても一人で学習するのが難しい場合は、スクールの力を借りるのもアリです。TOIECを塾知した講師から「リスニングの先読み」など、すぐに役立つテクニックを指導してもらえるので、短期間で効率的にスコアを伸ばすことができます。
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