英語力に自信がついてくると、逆に「英語しかできなくて大丈夫かな」と不安になることはありませんか?
もしかしたら、実際に「お前は英語しかできない」と馬鹿にされた経験がある人もいるかもしれません。
私は学生時代に何の迷いもなく英語の勉強に打ち込み、就活の頃には「英語が得意です」と胸を張って言えるレベルになりました。
しかし社会に出てから、周りに優秀な人がたくさんいるのを見て、「英語しかできない私は無能なのでは」という焦りが出てきました。
英語を武器に就職したのに英語で失敗してしまい、「自分は本当に何もできない人間だ」と落ち込んだこともあります。
しかし、英語学習は決して無駄ではありません。
頑張って英語ができるようになったにもかかわらず、やるせなさを感じている人は、ぜひこの記事を読んでみてください。
不安を解消するためにやるべきことがわかり、気持ちが軽くなるはずです。
タップできる目次
英語しかできない人は無能か?
まずはっきりさせておきたいのは、英語ができる人は有能だということ。
ただし、英語“しか”できないと、無能扱いされてしまうこともあります。
一体どういうことなのか詳しく説明しますね。
英語力は武器になる
就職、転職、昇進などさまざまな場面で、英語力は武器になります。
私自身の経験でも、履歴書に書いたTOEICのスコアが評価されることは多々ありました。
日本人の英語力は世界ランキング113カ国中87位で、英語後進国と言われているので、英語ができる人の価値は高いです。
また、インターネット上の情報の半分以上が英語なので、英語がわかればアクセスできる情報量も増えます。
ちなみに日本語の情報は全体の4.1%しかありません。
海外旅行では、英語でコミュニケーションを取ることで適切なサービスを受けられたり、トラブルを円滑に解決できたりすることも。
このように英語ができるメリットはたくさんあります。
英語だけだと活躍の場が限られる
とはいえ仕事において、英語“しか”できないと活躍の場が限られるのも事実です。
帰国子女のように英語力がずば抜けて高ければ、通訳や英語での交渉を任せてもらえるかもしれません。
ですが英検準1級やTOEIC800点程度だと、「英語がそこそこできるレベル」ではあるものの、同時通訳など英語に特化した仕事をするのは難しいですよね。
たとえば、英語ができる人が他に誰もいない小さな会社で、外国からのお客様を迎えなければならない時などがあれば、重宝されるでしょう。
しかしそんな機会にたびたび恵まれることはほぼありません。
よっぽど特殊な環境でないかぎり、「英語はできるけれど他の能力が低い人」よりも、「英語はできないけれど他の仕事ができる人」のほうが求められ
ます。
“英語 ✕ 他の武器”が最強
「英語はできないけれど他の仕事ができる人」よりも、さらに需要があるのは「英語ができて、他の仕事もできる人」。
このような人は、日本だけでなく世界中どこへ行っても引く手あまたです。
すでに英語力という武器を持っているなら、周りよりも一歩リードしていると考えましょう。
もうひとつ別のスキルを手に入れて掛け合わせることで、最強の人材になれます。
仕事で成果を出すために必要な能力
では、英語力以外にどんなスキルを身につければ活躍できるのでしょうか?
仕事で成果を出すために特に重要なのは、コミュニケーション力、行動力、専門スキルの3つです。
コミュニケーション力
英語はコミュニケーションの道具です。
どんなに英語の知識があっても、コミュニケーション力に乏しいと、英語力を活かすことができません。
単に言語を翻訳するだけなら、人間よりもAIのほうが速いし正確です。
しかし、ChatGPTやSiriといったAIとのコミュニケーションは、どこかぎこちなく感じられないでしょうか?
なぜかというと、人間の会話では、言葉の内容だけでなく表情やジェスチャーにも情報が含まれているから。
心理者アルバート・メラビアンが提唱した「メラビアンの法則」によると、相手の印象の9割以上が言語以外の情報に左右されるのです。
機械翻訳が発展している今、人間ならではのコミュニケーション力が改めて見直されています。
挨拶の仕方やリアクションの取り方など、日本と英語圏ではコミュニケーション方法が異なる部分もあるので、グローバルに通用するコミュニケーション力を培うことが重要です。
行動力
行動力、つまり自分で積極的に動く能力も必要です。
せっかく素晴らしいスキルを持っていても、使わなければ能力がないのと変わりません。
英語しかできない人が英語を使わなかったら、それこそ無能だと思われても仕方ないですよね。
英語でも他のスキルでも、自分の能力はどんどん使って、積極的に仕事を取りに行きましょう。
たとえ経験がないことでも思いきってチャレンジすれば、やる気が評価されることもありますし、新たな可能性を切り開くチャンスにもなります。
私は転職したばかりの頃、何をしたらいいのかわからず、「今日一日、全然役に立てなかった......」と落ち込んだことがあります。
そこで翌日から気持ちを切り替え、会議の議事録を取ったり郵便物の整理をしたり、とにかくできることを全力でやりました。
「そんなことだけでは、スキルは身につかないのでは......?」と思うかもしれませんが、徐々に先輩や上司からの信頼してもらえるようになり、自信がついてきました。
特別なスキルがなくても、できることはたくさんあります。
「迷ったらやる!」というつもりで、進んで行動するようにしてみてください。
専門スキル
専門スキルの習得には時間がかかりますが、身につければ自分の市場価値がグッと高まります。
社会人の資格としては簿記や宅地建物取引士(宅建)などが人気ですが、一般的でなくても、自分が熱意を持って取り組めるものを究めることをおすすめします。
たとえば字幕翻訳家の戸田奈津子さんは、もともと大の映画ファンでした。
英語力に加え、深い映画の知識があったからこそ、メジャーな映画の字幕翻訳や、ハリウッドスターの通訳を任されることになったのです。
スポーツ、料理、漫画、車など、趣味の延長線上で構わないので、「◯◯に詳しい」と言えるものをつくってください。
一見キャリアに関係ないようなスキルでも、英語と掛け合わせれば、仕事に繋がるかもしれません。
「英語しかできなくて無能かも...」と不安な時にやるべきこと
仕事で失敗した時など、「英語しかできなくて無能かも......」落ち込んで、どうしようもない不安に襲われることもありますよね。
そんな時に試してみてほしいことを3つ紹介します。
英語を使って楽しむ
まず、「英語しかできない」というネガティブな気持ちを、「英語ができて嬉しい」というポジティブな気持ちに変換してみましょう。
そのためには、英語を使って楽しむことが有効です。
洋書を読んだり、洋画を観たり、外国人の友達と会話したりなど、なんでも構いません。
英語がわかるからこそ楽しめることを、存分に楽しんでください。
すると、英語によって世界が広がることを実感できるはずです。
そして「頑張ってここまで英語ができるようになった自分」を認めて、褒めてあげましょう。
普段日本語で生活しているのに英語ができるのは、努力の証です。
英語ができるのに無能なんてことはありませんよ。
スキルアップに励む
不安や焦りは、成長のきっかけになります。
自分が無能だと感じるなら、自信を持てるようにスキルアップに励むのがおすすめです。
「仕事で成果を出すために必要な能力」として紹介したように、専門スキルを磨くのもいいでしょう。
私は仕事の幅を広げるために、社会人になってから運転免許や簿記検定を取りました。別に資格を取らなくても、興味のあることを学習すればOKです。
どうしても英語以外に興味を持てないなら、TOEIC高得点を目標にして、英語のプロフェッショナルを目指してはいかがでしょうか。
TOEIC900点以上は受験者の4%程度しかいませんから、いくら英語しかできなくても、英語には相当な自信を持てるはずです。
目標を立てて達成すれば、自信がつきます。
興味や将来像に合わせて、ぜひ何かに取り組んでみてください。
キャリアカウンセリングを受ける
ひとりで思い悩んでしまう人は、一度プロのキャリアカウンセリングを受けてみるのがおすすめです。
住んでいる市町村でサービスを受けられる場合もありますし、転職エージェントに無料で相談にのってもらうこともできます。
私は何度か転職エージェントにお世話になりましたが、毎回「本当に相談してよかった」と思っています。
というのも、自分のスキルやこれまでのキャリア、やりたいことなどを整理するきっかけになるからです。
プロの視点から、自分では気づかなかった長所を見つけてもらえることもあります。
結果的に転職をしないとしても、定期的にカウンセリングを受けることで、キャリアを軌道修正できるかもしれません。
まとめ
結論としては、英語力をキープ、もしくはさらに伸ばしつつ、他のスキルアップにも取り組むのが理想的です。
正直なところ、本当に英語以外のことが何もできないのであれば、将来には多少危機感を持ったほうがいいでしょう。
ですが英語ができることがマイナスになることはないので、自信を持ってください。
「英語しかできない人」から「英語もできる人」になれば、さまざまな分野で活躍できます。
英語も他の仕事もできる最強の人材を目指して、ぜひ前向きに頑張ってみてくださいね。