英語ができれば、転職や昇進で有利になってキャリアアップにつながったり、自由に海外旅行をしてプライベートを充実させたりなど、人生がより豊かになります。
とはいえ、「忙しくて英語を勉強する時間がとれない!」というのが、社会人の本音ではないでしょうか?
そこでおすすめしたいのが、通勤時間を利用したリスニング学習です。
電車やバスでなんとなく過ごしている時間を、英語力を磨く有意義な時間に変えましょう。
この記事では、通勤時間のリスニング学習をすぐに実践できるよう、具体的な学習法や教材を紹介します。
電車やバスなど公共交通機関での移動を想定していますが、車通勤にも応用できますよ。
忙しい中でも英語学習を習慣化してリスニング力を伸ばすのに役立つ内容になっているので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
タップできる目次
リスニング力を伸ばすために必要なこと
そもそも、リスニング力を伸ばすためには何が必要なのでしょうか?
私の経験上、特に効果が高いことは次の3つです。
英語をたくさん聞く
何より大切なのは、英語の音声にたくさん触れること。
「耳を慣らす」というイメージですね。
初めて聞く音は雑音にしか聞こえませんが、だんだん言語として認識できるようになってきます。
これは日本語でも同じ。
東京出身の私は、関西にしばらく滞在した時、地元の人たちの会話のスピードやイントネーションの違いに苦戦しました。
しかし1週間もすれば慣れ、自分の話し方も関西弁に寄ってきました。
同じように、毎日英語を聞いていると英語の発音やリズムに耳が慣れ、自然と聞き取れるようになっていきます。
聞き取れない部分を確認する
リスニングをしていて、「だいたいわかるけど、聞き取れない部分があった」という時がありますよね。
その後、聞き取れなかった部分を確認していますか?
わからないまま放置してしまうと、いつまでたっても上達しません。
- 速すぎて聞き取れなかったなら、ゆっくり再生したりスクリプトを見たりして、もう一度聞いてみる。
- 単語の意味がわからなかったのなら、調べてからもう一度聞いてみる。
このように確認と反復を行えば、次に同じ文章を聞いた時、聞き取れる確率が上がります。
語彙を増やす
単語・熟語の暗記をコツコツ続けることも重要です。
なぜなら知らない単語は聞き取れないから。
たとえ音として聞き取れたとしても、単語の意味がわからなければ、何を言われているのか理解できません。
つまり語彙が多ければ多いほど、リスニングに有利なのです。
語彙の増やし方は、単語集を使ってもいいですし、リスニング中に出てきた単語を覚えていってもOK。
ただし必ず発音を確認するようにしてください。
スペルだけで覚えてしまうと、せっかくの知識をリスニングで活かすことができません。
単語の発音と意味を結びつけることを意識しましょう。
通勤時間におすすめな英語リスニング学習法
私は会社員時代、TOEICのスコアアップや英会話上達のために、通勤時間にリスニング学習をしていました。
その時に実践していて効果を感じた学習法を紹介します。
歩きながら英語ニュースを聞く
歩きながら本やスマホを見るのは危険ですが、耳を使うことはできますよね。
そこで、最寄り駅やオフィスに向かう時など、徒歩移動の時間はイヤホンで英語のニュースを聞きましょう。
英語の歌やトーク番組など、ニュース以外でも構いませんが、社会人にはニュースがおすすめ。
リスニング力が上がるだけでなく、ビジネスシーンで役立つ時事ネタを仕入れることができて一石二鳥です。
コロナが流行した時には、
- close contact(濃厚接触者)
- tested positive(陽性になる)
など、それまで馴染みのなかった表現を知ることもできました。
ニュースで繰り返される話題は、外国人との会話でも盛り上がりますし、TOEICなどのテストで取り上げられることもあるので、ぜひ押さえておきましょう。
電車・バスでスクリプトや字幕を確認
リスニングをしていると、聞き取れない部分や意味がわからない部分が出てきます。
本当はスクリプトを確認するのが良いのですが、歩いている時に確認するのは難しいですよね。
私の場合は最寄り駅まで歩きながら音声を聞き、電車に乗って落ち着いてからスマホを開いてスクリプトを確認していました。
電車やバスに乗っている間は比較的集中しやすいので、スクリプトや字幕を表示して、目で追いながら再度リスニングをすると効果的です。
わからない単語があったら、その場で検索するとスッキリしますよ。
「夜、家に帰ってからまとめてやろう」と思っていると、忘れてしまったり、残業で時間が取れなくなったりして、結局わからないままになってしまうことも。
通勤時間中に疑問点の解決まで済ませてしまいましょう。
バイリンガル形式の音声もおすすめ
- 電車が混雑していてスマホを取り出すことすらできない
- 車通勤だから、目的地に着くまで手を離せない
など、スクリプトなどを確認したくてもできない人もいるかもしれません。
その場合はバイリンガル形式の音声がおすすめです。
バイリンガル形式とは、英語の後に日本語訳が流れたり、英語と日本語で交互に会話が進められたりする音声のこと。
日本語が混じっているので、たとえ英語で理解できない部分があっても、話についていくことができます。
次の章で、バイリンガル形式でリスニングができる、おすすめのアプリも紹介します。
【無料あり】通勤時間のリスニング学習におすすめのアプリや教材
通勤中に可能な行動は限られているので、自宅学習で使っている教材をそのまま使おうとすると、やりづらく感じるかもしれません。
通勤時間のリスニング学習に適したアプリや教材を3つ紹介します。
TED Talks
TED Talksは、世界中の著名人や識者のスピーチ動画を無料で視聴できるサイトです。
テーマが幅広く、勉強になる内容が多いため、誰でもいくつかはお気に入りのスピーチが見つかるでしょう。
アプリ版では簡単に動画をダウンロードできるので、Wi-Fi環境がない場所でも安心して視聴できます。
英語だけでなく日本語でも字幕を表示できたり、再生速度を変えたりなど、機能面でも充実していて英語学習に最適です。
音声だけ聞いてもいいですし、動画を見るとジェスチャーや口の動きも参考になりますよ。
バイリンガルニュース
Podcastの人気番組「バイリンガルニュース」では、日本語と英語で世界のおもしろいニュースを紹介しています。
各トピックを、アメリカ人のMichaelが英語で、日本人のMamiが日本語で読み上げ、そのあと2言語で会話を繰り広げる形式です。
- AIアバター主導の教会礼拝が行われた
- ウミウシは切断しても生きている
など、取り上げるトピックが興味深いものばかりなので、私はかれこれ10年くらい楽しく聞き続けています。
台本がないので、たまに英語が崩れていることもあるものの、生の英語に触れる良い機会と言えるでしょう。
聞くだけなら無料ですが、アプリのサブスクプランに登録すると、月額240円で全ての文字起こしテキストが読み放題になります。
レシピー
レシピーは英語学習のオールインワン型アプリですが、最新ニュースを使ったリスニングが特におすすめです。
ニュース記事の更新頻度が高く、ニュース以外の読み物系もあるので、飽きずに続けられますよ。
また、機能面で充実しているのもポイント。
ネイティブの読み上げ音声をペースメーカーでスピード調整しながら聞けたり、テキストの単語をタップしてすぐに意味や発音を確認できたりするので、初心者でも安心です。
AIが現在の英語力に合わせてカリキュラムを提案してくれるので、コンテンツ選びに迷うこともありません。
通勤時間を使って英語力を伸ばすコツ
通勤時間を利用した学習は、慣れないと難しく感じるかもしれません。
効率的に英語力を伸ばすためのコツを3つ紹介します。
習慣化する
英語上達のカギは“継続”です。
通勤時間の学習は、気が向いた時だけ行うのではなく、毎日の習慣にするのがおすすめ。
「今まで英語学習がなかなか続かなかった」という人も安心してください。
通勤自体がすでに習慣化されているため、そこに学習を取り入れることは、比較的簡単です。
私は以前、自宅を出る時「今日は何の音楽を聞こうかな」と迷ったり、電車の中で手持ちぶさたになってネットサーフィンをしたりしていたので、「通勤時間は英語の勉強をする」と決めたらむしろ気持ちがラクになりました。
「自宅から駅まで歩く間はバイリンガルニュースを聞く」など、学習のタイミングや使う教材を決めて、後は何も考えずにそれをこなせばOK。
短時間でもいいので、毎日続けましょう。
集中する
机に向かって勉強する時と比べると、通勤中は集中力が分散しやすいです。
やりがちなのが英語音声の流し聞き。
「いつも英語を聞いているけれど、いっこうにリスニングが上達しない」という人は、英語を流しながら別のことを考えているのではないでしょうか?
いくらイヤホンから英語が流れていても、集中して聞き取ろうとしなければ、雑音と同じです。
たとえば英語のニュースを聞く時は、
- 何があったのかな?
- 今の単語の意味はなんだっけ?
など、興味を持ちながら聞くように心がけましょう。
もちろん、多少は意識を外に向けていないと、乗り過ごしたり人にぶつかったりしてしまいますから、注意してくださいね。
繰り返し聞く
すでに述べたとおり、リスニング力を伸ばすためには「聞き取れない部分を確認すること」が必要です。
なので、ひとつの音声を「一回聞いて終わり」にせず、何度も繰り返し聞くようにしましょう。
具体的には最低3回、次のステップで聞いてください。
- 1回目はとりあえず全体を聞く
- 2回目はスクリプトを確認しながら聞く
- 3回目はスクリプトなしで聞き直す
できれば、最後のステップで完全に聞き取れるようになるまで繰り返すのが理想です。
同じ音声をずっと聞いていると飽きてしまう場合は、他の音声で気分転換してから、数日以内に最初の音声に戻っても構いません。
よくある質問
最後に、通勤時間を使った英語学習についてよくある質問にお答えします。
電車通勤で使えるおすすめの英語勉強アプリを知りたいです
この記事で紹介したレシピーのニュース記事は、リスニングだけでなくリーディングにも使えるので、英語力を総合的に伸ばしたい人におすすめです。
また、スタディサプリENGLISHは1回3分で学習が一段落するので、「乗り換えが多い」など勉強が細切れになってしまう場合でもストレスなく使えます。
車通勤の運転中にできる英語勉強法やアプリを教えてください
運転中は学習に集中しすぎると危険なので、Podcastやラジオで英会話を流しておくくらいがちょうどいいでしょう。
信号待ちなどで時間ができた時には、聞こえた音声をそのまま繰り返す「シャドーイング」を行うと、リスニング力やスピーキング力が向上します。
まとめ|通勤時間を使ってリスニング力を伸ばそう
たとえ1日の通勤時間が短くても、積み重なると膨大な時間になります。
往復1時間とすると、週5日で5時間、1ヶ月で20時間以上。
せっかくの時間をぼーっと過ごしていてはもったいないですよね。
リスニングは手軽に取り入れられるので、ぜひ毎日の習慣にしてください。
仕事が忙しい人でも、継続すれば必ずリスニングが上達しますよ。