- 留学前にどんな準備をしたら良いのだろう?
- どうやって英語を学習すれば良いのだろう?
今回、筆者はNLPE英語コーチングスクールのコーチとして活躍中の玉嵜香織(たまさき かおり)さんにお話を伺いました。
玉嵜さんは過去に2度の留学経験があり、さらに留学カウンセラーとして10年以上仕事された留学のプロフェッショナルです。
そんな玉嵜さんですが、NLPEを受講する前は英語に対してコンプレックスを抱かれていたとのこと。
今回のインタビューでは、
など興味深いお話を詳しく聞かせていただきました。
「なんとなく英語学習がうまくいっていない」、「留学を検討しているけど、事前に何をすれば良いかわからない」という方は必見です。
タップできる目次
お話を伺った玉嵜コーチのプロフィール
語学留学をしたが英語コンプレックスがあった
-玉嵜さんはアメリカ留学の経験があるのですよね。以前から英語は得意だったのですか?
(玉嵜さん)確かに留学をして英語力は伸びましたが、実はずっと英語にコンプレックスがありました。
-え? そうなのですか?
英語を話すのが苦手だった
(玉嵜さん)留学前から英語の勉強はやっていました。TOEICやTOEFLの試験対策の勉強をしたり、英会話に通ったりしていました。
その後、アメリカに留学して語学学校で勉強をしました。
それまでの勉強で、リーディングやリスニングのスキルはある程度伸びたのですがスピーキングに苦手意識がありました。
リーディングやリスニングのスキルと比べるとスピーキング力が劣っているというか......。
スピーキングが苦手なのに話すことを避けていた
-なるほど。留学先ではスピーキングの練習はやらなかったのですか?
(玉嵜さん)やるにはやっていたのですが……。
「私は英語を話すのが苦手」と思っていたので、スピーキングに躊躇(ちゅうちょ)してしまっていました。
- 下手な英語を聞かれると恥ずかしい
- 英語を話すのが苦手だから自分はダメだ
このように感じていたので、英語を話すことを避けていたんですよね。
本来はスピーキング力を伸ばしたいなら、英語を話してみるのが大事なのに。
「スピーキングが苦手なのに、英語を話さない。だからスピーキングが上達しない」という悪循環に陥っていました。
英語に関わるのは好きだがコンプレックスがあった
-そうだったのですね。玉嵜さんは以前、留学カウンセラーとして留学を志す方をサポートしていらっしゃったのですよね。英語に関わることがお好きだったのかと思っていました。
(玉嵜さん)英語に関わることは好きでした。留学したい方のサポートをしたり、手配などもやったりしていました。
ただメールなど文章でのやりとりは多かったのですが、それでも英語を話す機会は圧倒的に少なかったです。
今振り返るとわかるのですが「英語を話す機会がない」というよりも、自ら英語を話す機会を遠ざけていたのだと思います。
「英語を話すのが苦手」と思っていたので、その信念を強化する行動をとっていたわけです。
-なるほど。NLPE英語コーチング代表の南山さんも、信念や思考が重要とおっしゃっていますよね。
(玉嵜さん)そうなんです。当時は自分でも気付かぬうちに英語コンプレックスを持っていたので苦しかったですね。
- 留学をしたなら、もっと話せないと恥ずかしい
- 留学したのに、英語を話せないのはダメだ
無意識のうちにこんな風に感じていました。
英語に関わるのは好きなのに、英語にコンプレックスを持っている状態でした。
NLPE英語コーチングスクールとの出会い
-ある意味、留学をされたからこそ英語コンプレックスが強くなっていたのですね。
(玉嵜さん)そうなんです。さらに留学して英語力が伸びても、帰国後に使わないと次第に力が落ちていきます。
英語自身は好きだったので「改めて英語を学び直そうかな」と思い立ちました。
それでAmazonで英語のテキストを調べていたところ、たまたま南山の書籍(*)が目に入りました。
(*)『するする身に付く、ペラペラ話せる 日本人が“英語脳”になる、たったひとつの方法』
表紙を見て気になったので読んだのですが、その内容にビックリしました。
英語学習系の書籍はハウツー本が多いのですが、この書籍は英語学習の大前提となる「思考」の部分にフォーカスしていました。抽象的な話がとてもわかりやすく書かれているのが印象的でした。
書籍を読んだ後にNLPE英語コーチングの体験セッションを受け、すぐに本コースに申し込みました。これがNLPEとの出会いです。
NLPE英語コーチングで変わったこと
-最初は受講生としてNLPEを受けられたのですね。実際にNLPEを受講して、どんな変化があったのでしょうか?
欠乏感を埋めるために行動していた
(玉嵜さん)当時の私はなんとなく停滞感を感じていました。
- 頑張っているのに満たされない感じがする
- 歯車が噛み合っていないように思える
こんな感じです。
NLPEでは、ワークを通じてその人の「思考」の根っこに何があるかを探っていきます。
そして、過去を振り返るワークをしていたときに気づいたんです。漠然とした停滞感の背景には自分の「思考」に問題があることに。
-どういうことでしょうか?
(玉嵜さん)当時の私は「自分はこのままではいけない」、「自分には何かが不足している」と思っていました。
常に「何かを身につけないといけない」、「環境を変えなければならない」と追い立てられていました。
この欠乏感を埋めるために行動していたんですよね。
逆に「何かを身につければ人生が変わるかもしれない」、「環境を変えれば幸せになれるかもしれない」と期待していました。
今ならわかるんですが、何かを身につけて人生が劇的に変わることなんてないんですよね。だから、欠乏感を埋めるために行動するのは、ハムスターが回し車の中で走り続けるように終わりがありません。
そもそもの「思考」を変えない限り、常に苦しさを感じますし、本当の幸せは手に入りません。
-なるほど。その気持ちはよくわかりますね。
自分の思いより周囲の目を気にしていた
(玉嵜さん)さらに、自分がやりたいことをやるのではなく、他人や社会の価値観に合わせていました。
やりたいことがあっても自分で自分を制限していて。
「社会に対して、自分はどうあるべきか?」ということをずっと考えて生きていたので、いくら仕事を頑張っても満たされない思いを感じていました。
NLPEで過去の自分を癒した
-小さな頃から「周りに迷惑をかけないようにしなさい」と言われていると、自分より周囲の目を気にしてしまいますよね。NLPEを受講されて変化があったのですか?
(玉嵜さん)そうなんです。このような思い込みを持っていたのが停滞感の原因でした。
でも、こういう「思考」の歪みには自分ではなかなか気づけないんですよね。
NLPEのセッションで過去を振り返るワークをやりました。
コーチに問いかけてもらいながら「何が問題なのか?」、「なぜ自分は苦しい思いをしているのか?」を考えました。
その時に気づいたんです。自分を苦しめていたのは自分自身の「思考」だったと。
- 自分には何かが不足しているから、新しいことを身につけなければならない
- 自分の思いよりも、社会で求められることを優先すべき
これらは私の「思考」が生み出したもので、単なる思い込みだとわかりました。
-なぜ、そのことに気づけたのですか?
(玉嵜さん)私は過去に不安感に苦しめられたことがあります。
しかし過去を振り返ると、不安自身に苦しめられていたのではなく、「不安な状態だといけない」という思考により苦しんでいたのです。
-なんとなく分かるような気もしますが......
ちょっとわかりにくいかもしれませんね。
たとえば緊張する場面に出会ったとき「緊張する自分はダメだ」と思うと余計に緊張してしまうことってありませんか?
これは「緊張はダメだ」という思考が更なる緊張を生み出しているからです。
反対に「緊張してもOK」と思えると、かえってリラックスできたりします。
私の場合は「不安な状態だといけない」という思考が、さらに不安感を生み出していたんです。
まずはその不安を受け入れ、不安の原因となっている思考の癖を見ていくことで、徐々にその不安を手放していくことができました。
自然体で英語に取り組めるようになった
-ネガティブな状態にあることを否定するのではなく、その状態も受け入れるのが大事なんですね。「思考」に原因があることに気がついて、どんな変化があったのでしょうか?
(玉嵜さん)セッションを受けてから、自分の思考に敏感に気づけるようになりました。「あ、いまネガティブなことを否定しちゃったな」みたいに。
そうするうちに自然と自己否定がなくなっていきました。
- できない自分でもいいんだ
- 周囲に求められることより、自分がどうありたいかを優先していいんだ
こんな風に思えるようになったんです。ありのままの自分を肯定できるようになったというか。
それで、英語学習のやり方にも変化がありました。
これまではTOEICやTOEFLの対策など、いわゆる「お勉強」をやっていましたが「とりあえず持っている」だけのテキストは全て捨ててしまいました。
その代わりにリスニングにSpotifyを使ったり、興味を持てる内容のオーディオブックを利用したりするようになりました。
自分の心が動くこと、やりたいと思うことを勉強に取り入れるようになったんです。そうすると、無理なく学習を続けられるようになる。
「勉強しなくちゃいけないからやる」のではなく「楽しいから英語学習をする」という感じですね。
この頃には英語に対するコンプレックスも薄まり、人前で英語を話すことに恥ずかしさを感じなくなりました。
NLPEを受講するうちにコーチに興味を持った
-それはすごい変化ですね。玉嵜さんがNLPEでコーチをやろうと思ったのは、なぜなのでしょうか?
(玉嵜さん)NLPEのコースを受講するうちに、自分もコーチとして他の受講生様のサポートをしたいと思うようになったからです。
私自身がNLPEを受講して英語コンプレックスを解消して楽になりましたし、自然体で英語と関われるようになりました。過去の私のように英語学習や人生で停滞感を感じている人をサポートしたいと思ったのです。
以前は留学カウンセラーとして、アドバイザー的な仕事をしていました。この仕事もやりがいはあったのですが、受講生のポテンシャルを引き出すコーチングに強く惹かれました。
なので、NLPEを卒業後にコーチとしての本格的なトレーニングを受けてコーチを目指しました。
NLPEのコーチングの内容|英語を教えない理由
-NLPEのコーチとして、玉嵜さんはどんなことをされているのでしょうか?
質問を通じて思考の制約を取り除く
(玉嵜さん)受講生一人ひとりと週一回の面談をしています。
この面談では「思考」に焦点を当てていきます。なぜなら私のように思い込みの「思考」が活力を奪っていたり、英語への苦手意識を作ったりすることが多いからです。
具体的には、私から質問を投げかけながら対話をしていきます。
-どんな質問をされるのでしょうか?
(玉嵜さん)受講生が「私って●●なんです」と言うことがあるんですが、そんな時に「それって本当ですか?」と問いかけたりします。
過去にあった例を紹介します。
ある受講生の方が「初対面の人の前に立つと、リラックスして話せない」と言っていました。
私は「それによって、どんな問題がありますか?」と聞きました。
「相手を緊張させていると思う」との答えがかえってきました。
そこで私は「それって本当ですか?」と聞いてみたんです。
すると、その方はハッとしたような顔をしてこう言ったんです。
たしかに自分が思い込んでいただけで、相手が緊張していたのかはわからない。相手が緊張していると思い込んでいたから、さらに自分は緊張していたのかもしれない。
このことに気づいた後は、初対面の人が相手でもそれほど緊張しなくなったようです。
こういうことは、なかなか一人では気づけないものです。質問によって思考の制約が取り除かれます。だからコーチが質問を投げかけることが重要なんです。
NLPのワークで得られる変化
-他にはどんなことをされるのでしょうか?
(玉嵜さん)NLPのワークを行うこともあります。
たとえば自分の未来を描き、目標を設定するワークや、過去を振り返るワークなどをやります。
私自身もそうだったのですが、過去を振り返るワークで目の前が開けることがあります。なぜかというと、物事には2つの側面があることに気づけるからです。
-え? どういうことですか?
一見ネガティブに思える出来事にもポジティブな側面があるということです。
中国には「陰と陽が一体となっている」という考え方がありますが、それと同じです。
大病を患った方が「仕事から離れて人生について考えて本当に大事なことに気づいた」というエピソードを聞いたことがあるかもしれません。
これと同様に、過去におきたネガティブな出来事を振り返って意味づけをしていくんです。
たとえば「小学校の時に、仲間外れにされて嫌な思いをした」という思い出がある場合。
ひょっとすると、このような出来事があったから「人の気持ちに敏感になり心の機微が分かるようになった」という人もいるかもしれません。
このような気づきがあると、まるでオセロのように黒い思い出が白く変わっていく感覚が得られます。
英語との関わりに気づく
-なるほど。他にも得られることってあるのでしょうか?
(玉嵜さん)まず日常生活が楽になります。思い通りにならないことがあっても、冷静に内省することでその出来事や感情に振り回されることが減ってきます。また、そのことによって得られるポジティブな側面に目が向くようになるからです。
他にもこのワークを通じて英語学習を始めたきっかけに気づく人もいます。
「意図せずに今の職場に移ったけれど、そのおかげで英語に興味を持ったんだ」と気づかれた方もいらっしゃいます。今の職場に対しても英語に対しても前向きになっていました。
英語に関わりがないことをやる理由
-NLPEのコーチングは、他のスクールと比べて独特ですよね。英語を教えるのではなく、マインドや思考にフォーカスをしたりしています。なぜ英語に関わりがないことをやるのでしょうか?
(玉嵜さん)たしかにNLPEでは、英語に限らず人生全般について扱っています。
NLPEを受講される方は、なんらかの形で英語に問題意識を持っていらっしゃいます。「英語学習が順調にいかない」とか「英語が苦手」など。
私自身もそうだったのですが、実は英語がうまくいっていない理由の根本は、生き方全般に関わっていることがあるんです。
- 完璧でないといけない
- 嫌いなことでも我慢してやらねばならない
- 英語ができない自分は恥ずかしい
というような思い込み。
このような思考を持っていると、いくら英語学習のハウツーを学んでもあまり効果はありません。
なぜなら英語学習が苦しくなり、続かなくなってしまうからです。
本当に大事なのは英語学習に取り組む前に、このような思い込みを取り払うことなんです。あるいは自分自身が大切にしている価値観に気づくことです。
そうすれば誰かに強制されなくても、自然と英語学習を続けられるようになる。自分の心が動くやり方を見つけ、ワクワクしながら英語を続けられるようになる。結果として、無理をしなくても英語力を伸ばせるようになります
だからNLPEでは表面的な英語学習法のハウツーよりも、一人ひとりの「思考」に向き合うことを重視しているのです。
コーチングの本質
-なるほど。英語を教えるスクールとは、考え方が全然違うのですね。
(玉嵜さん)コーチングの本質は「すべての答えはその人が持っている」という考え方です。
コーチができるのは質問を投げかけることだけ。質問をしながら、あらゆる角度からその人が持っている答えを導きだす。
本来の自分に戻って力を取り戻すためのプロセスです。
だからコーチはアドバイスをしませんし、「こうした方がいいよ」という処方箋を渡すこともしません。強制することはないんです。
次のようなことわざがあります。
馬を水辺に連れていくことはできるが、水を飲ませることができない。
コーチングも同じで、受講生のサポートをすることはできますが強制することはできません。
一人ひとりにカスタマイズする理由
-ここまでお話を伺って、NLPEでは一人ひとりの受講生に合わせて完全カスタマイズしていることがわかりました。とはいえ、ここまでカスタマイズするのは大変ではないんですか? ある程度枠にはめた方が楽ではないのでしょうか。
(玉嵜さん)そう言われるとそうかもしれませんが......。一人ひとりに合わせるのが当たり前だと思っていたので、あまり考えたことがありませんでした。
もちろんNLPEにも大まかな流れがあります。セッションで目指したい目標や段階などです。
でも、やり方をこちらから押し付けたりすることはしません。なぜなら誘導になってしまいコーチングの本質から外れてしまうからです。
真のコーチングを実践しようとすると、一人ひとりにカスタマイズしない方が難しいと思います。
NLPE受講生の変化
-これまで玉嵜さんがコーチとして接する中で、NLPEの受講生にどのような変化がありましたか?
内面が変わると行動が変わる
(玉嵜さん)過去に担当した受講生を紹介しますね。
受講前は動きたいけど動けない、人生が停滞しているように感じられている方がいました。歯車がうまく回っていない状態ですね。
その方はNLPEのセッションを通じて内面の活力を取り戻していかれました。自分のペースで英語学習を継続できるようになり、コースの後半では英語に限らずほぼすべての領域が順調に回るようになっていました。
このような変化をされる方は本当に多くいらっしゃいます。なぜなら内面が変化すると自然と行動も変わるからです。自分を縛っていた「思考」を変えられると、英語学習に限らず人生全般がうまく回り始めることが多いですね。
瞑想の習慣化が変化のきっかけ
-なるほど。内面が変わるのは、何がきっかけになることが多いのでしょうか?
(玉嵜さん)いろんなケースがありますが、瞑想を習慣化することで変わるケースが結構あります。
日本ではまだ一般的になっていませんが、欧米でマインドフルネスとして瞑想が注目されています。米Google社もマインドフルネス瞑想を推奨していますよね(※)。
※『サーチ・インサイド・ユアセルフ〜仕事と人生を飛躍させるGoogleのマインドフルネス実践法〜
集中力や作業の効率が上がることが注目されていますが、瞑想にはそれ以外の効果もあります。
それは「メタ認知」ができるようになることです。メタ認知とは一段高い視点から自分を客観的に見ることです。
言い換えると、自分の思考や状態を客観的に受け止められるようになる。そうすると、嫌なことがあってもポジティブな意味づけができるようになります。ネガティブな出来事があっても、すぐに切り替えられるようになるわけです。
NLPEではセミナーなどで瞑想のトレーニングを行っていますが、瞑想の習慣化が英語学習にも日常生活にも良い影響を与えることがあります。
早い人は一回目の面談で変わる
-そうなのですね。受講生はどのくらいの期間で変化するのでしょうか?
(玉嵜さん)人によりますが内省するのが得意な方だと一回のセッションで変化することもあります。セッションで気づいたことを自分の生活に落とし込むことができるからです。
実際に私が担当した受講生の例を紹介します。
初回のセッションで先ほど紹介した「過去を振り返るワーク」を行いました。対人関係で悔しかった出来事を思い出してもらったんです。
その方はある分野を学ぶためにコミュニティに参加していました。ところが、そのコミュニティの中で「あの人のせいで、悔しい思いをした」という体験をされたそうです。
「もうその人には会いたくない」という気持ちが強くなり、コミュニティに参加できなくなっていました。
セッションでは「なぜ悔しい思いを感じたのか?」という点を掘り下げていきました。
すると悔しい思いをした根本には、自分自身の思考に原因があることに気づかれたのでした。
-どういうことなのでしょうか?
(玉嵜さん)悔しい思いをしたのは相手に原因があるのではなく、相手とのやり取りの中で「大切にしていた価値観を満たせなかった」ことが原因だと気づかれたのです。大切にしていた価値観を満たせなかったために、「悔しい」と感じていたわけです。
その方は「私はこういうことを大切にしたかったのか」と自分の価値観に初めて気づかれたようでした。
さらに対話を深めていくと、次のような気づきが得られました。
それは「悔しい思いをさせた相手も、その人自身が持つ価値観に従って行動しただけ」ということ。悪気は全くなく、価値観に従って行動しただけだと気づかれたのです。
思考→行動→得られる結果
-なるほど。相手に悪意があったわけではないと気づかれたのですね。それで、どのような変化があったのでしょうか?
(玉嵜さん)考え方が変わってから、コミュニティに参加するのが怖くなくなったそうです。「ネガティブに感じることがあっても、自分を知る機会になるから楽しみ」と思うようになり、積極的に人と関わるようになりました。
以前は「人のいる場に出向くのを躊躇(ちゅうちょ)してしまう」と言っていましたが、「もっと人と関わって色々体験したい」との考えに変化していました。
-思考が変わると行動も変化するのですね。
(玉嵜さん)そうなんです。
「こんな発言をして、相手から変に思われたらどうしよう」。
以前は思考が邪魔をして、コミュニティの中でも言いたいことが言えない状態だったようです。
ですが思考が変わった結果、次のことにフォーカスするようになりました。
- 自分はその場で、どうありたいのか?
- どのような感情を味わいたいのか?
これが原動力になって、どんどん行動できるように変化されました。
実際にコミュニティの中で勇気を出して発言をしたり、講師の方に質問を投げかけてみたりしたそうです。
すると講師から「良い質問をしてくれてありがとう」と言われたと嬉しそうに話してくれました。
これらの経験を通して「相手からどう見られるか?」よりも「自分がどうありたいか?」にフォーカスできるようになっていったのです。
思考の変化→行動の変化→得られる結果の変化が起き、歯車が周りだしました。
英語学習を成功させる秘訣
-ありがとうございます。英語学習に関してですが、玉嵜コーチが考える「英語学習を成功させる秘訣」を教えていただけますか?
(玉嵜さん)3つの観点でお話させていただきます。
やりたいこと、好きなことをやる
大前提として、やりたいことや好きなことを取り入れて勉強するのが重要です。
なぜなら、やりたくないこと、やらねばならないことをやっていると身体が拒否するからです。結果として英語を嫌いになってしまいかねません。
英語力アップに効果があると言われる学習法でも無理にやる必要はありません。実際、NLPE代表の南山もシャドーイングやディクテーションはやったことがないと言います。効果があるのは知っているけれど、心が動かずストレスになってしまうから。
※シャドーイング:英語の音声を聞きながら、後に続いて発生するトレーニング、ディクテーション:英語の音声を聞いて書き取るトレーニング。いずれもリスニング力アップに効果的と言われている。
私自身も、以前買い込んで結局続かなかったテキストは捨ててしまいました。代わりにSpotifyで洋楽を聴いたりしています。
人と比べない
-2つ目のポイントを教えていただけますか?
(玉嵜さん)英語学習を続ける上で重要なのは、自分自身の小さな成長に目を向けることです。
ところが学習のやり方や進み具合を人と比べると、できていないところに目がいってしまいます。英語が楽しくなくなり自然と遠ざかってしまう。
人と比べずマイペースに学習を続けるのがポイントです。
-「コミュニティ・ラーニング」のように仲間と一緒に学習した方が効果的と言われることもありますよね? 必ずしも一人で勉強をするのが良いわけではないんじゃないですか?
(玉嵜さん)それもその方次第で、仲間と一緒に学習するのが好きな人にはコミュニティ・ラーニングが向いています。
仲間と励まし合うのが好きだったり、会社でもプロジェクトチームで仕事をするのを好んだり。アドバイスをもらうのに喜びを感じたり。
反対に仲間と一緒に学習すると、人と比べてしまい苦痛な場合はやめた方が良い。
一番大事なのは、「自分の心が動くか」なんです。
日々、少しずつでも英語に触れる
-なるほど。「コミュニティ・ラーニング」と「人と比べない」の関係がよくわかりました。その人自身の特性によるのですね。では3つ目のポイントを教えていただけますか?
(玉嵜さん)たまにいらっしゃるのが、平日は何も勉強をしなくて週末に2時間や3時間まとめて学習するという方です。しかし、このような学習のやり方はあまりおすすめしません。
なぜなら英語に毎日ちょっとずつでも触れることが成長につながるからです。
1日5分でも良いので、生活の中に英語を取り入れていくのがポイントです。
コーチと受講生が一緒にプランニングする
-NLPEでは受講生の学習プランをコーチが作るのですか?
(玉嵜さん)コーチが学習内容を提案することはありますが、押し付けることはありません。なぜなら、受講生本人がやりたいこと好きなことでないと続きませんし効果が出ないからです。
たとえばシャドーイングを学習メニューに取り入れて試してもらいます。実際にやってみて「やっぱり、シャドーイングは合わないかも......」という場合は、メニューから外します。「好きになれない学習はやめましょう」という感じで。
二人三脚で、受講生が楽しんでできる英語との関わり方を見つけていきます。
受講生によって学習メニューは違う
-そうなのですね。すると受講生ごとに学習内容は違ってくるのでしょうか?
(玉嵜さん)学習内容は人それぞれですね。たとえば次のようなものです。
- 映画を見て、自分も役になりきって演じる
- 洋楽を歌手になり切って歌う
- ライフスタイルや健康など自分が興味を持つテーマでディスカッションをする
- 好きな本を読みまくる
基礎固めとして中学英語の復習をやってもらうことがあります。この場合にも、単語帳で暗記をせずに「これを使ってみたい」という単語をピックアップしてもらい、文章を作ってもらったりします。その方が記憶に残りやすいからですね。
-本当に受講生によって学習内容が違うのですね。
NLPEが目指すこと|英語学習の習慣化
-先ほど英語学習は毎日続けるのが重要との話が出ました。とはいえ英語を習慣化するのに苦労している人も多いと思います。英語学習を習慣化するコツを教えていただけますか?
(玉嵜さん)NLPEでは受講生が自律して学習を進められるようになることを目指しています。そのために学習の習慣化は欠かせません。5つの観点でお話させていただきますね。
ハードルを上げすぎない
「学習の継続が苦手」という人の中に「これから毎日2時間や3時間、英語を勉強しよう!」と無理な計画を立ててしまう人がいますがオススメできません。
なぜならハードルが高すぎるからです。
1日5分もやっていなかった人が、いきなり2時間や3時間の学習を続けらるわけがありません。
そもそも「学習の継続が苦手」と思っているからこそ「毎日2時間の勉強をしよう」と無理な計画を立ててしまうという側面もあります。
-どういうことでしょうか?
人間にはホメオスタシスという機能が備わっています。今ある安定な状態を維持するための機能です。
脳も同じで、これまで経験してきたことと同じ状態にとどまろうとします。この状態をコンフォートゾーンとも呼びます。重要なのは、人は無意識にこのコンフォートゾーンを維持する行動をとってしまうことです。
つまり「学習の継続が苦手」との信念を持っている人は、英語学習を続けられず挫折することがコンフォートゾーンになっています。
そして、脳は無意識のうちに挫折しやすい行動を選択してしまう。
「毎日2時間勉強しよう!」という計画を立てて、結局続けられず「ほら、やっぱりダメだった」となります。そうすると「自分は学習の継続は苦手」との信念が強化されることになります。
この悪循環から抜け出すためにも、ハードルを下げて学習を続ける経験を積むのが重要なんです。
どれくらい勉強するか?を深掘りする
-2つ目のコツについて教えていただけますか?
(玉嵜さん)1つ目のコツとも少し重なりますが「どのくらい勉強するか?」も自分で決めることが重要です。
NLPEでは「どのくらい勉強したいか?」についての思考を見ていきます。
具体的には次のような問いかけをします。
毎日2時間学習した方が良い理由はなんですか?
すると次のような答えが出てきます。
- 勉強を頑張った気になる
- どんどん学習を進められる
次に、逆の問いかけをします。
毎日2時間学習をしない方が良い理由はなんですか?
- 自由な時間が減る
- 英語が嫌になりそう
両方の問いかけをしながら「これならできそう」という学習時間を探り、試していきます。
忙しい時でもできる計画を立てる
-学習時間も「心が動くか」で決めるのですね。3つ目のコツについて教えていただけますか?
(玉嵜さん)いったん計画を立てても、仕事や生活が忙しくなり、思うように時間が取れない日が出てきますよね。
そんな時に最悪なのが、
- 今日は計画通りにできなかった
- 計画通りにできない自分はダメだ
と思うことです。
挫折感を味わったり、自己否定をしたりすると行動を続けられなくなってしまうからです。
とはいえ「自己否定をしないでください」といっても、そう簡単にできるものではない。
なので、忙しい時でも実行できる計画を事前に立てておくのがポイントです。
たとえば毎日1時間の学習をする計画を立てている人の場合。忙しい日のために15分の短縮バージョンの計画を作っておくんです。「これだけやればOK」というような。
あらかじめ計画を立てておけば、忙しくなっても挫折感や自己否定を覚えることなく学習を続けられるようになります。
プランニングをしっかりやる
-なるほど。事前の計画が大事なんですね。
(玉嵜さん)まさにその通りです、4つ目のコツは事前に具体的にプランニングを立てることです。
なんとなく「英語を勉強しよう」とボンヤリとした計画を立てると、実際に学習をするときもいまいち集中できません。そうではなくて「映画を見ながら役になり切って台詞を練習する」、「好きな小説を10ページ読む」みたいに具体的に計画を作っておくのがポイント。
-学習する時間帯とかも、事前に決めておいた方が良いのでしょうか?
(玉嵜さん)それは人によりますね。
「朝に小説を読んで、夕方に映画の台詞練習をする」のように時間帯を決めた方がうまくいく人もいます。一方で時間帯は決めずにフレキシブルにやるのが性に合う人もいます。
受講生一人ひとり違うので、どのやり方があっているかを見ながら学習スタイルを作っていきます。
学習のきっかけを作る
-計画の立て方も人それぞれなのですね。5つ目のポイントを教えていただけますか。
(玉嵜さん)学習に取り掛かるきっかけを作っておくことも重要です。
毎日歯を磨くのと同様に、英語学習を生活に取り入れられると習慣化しやすくなります。
「お風呂から上がったら歯を磨く」みたいな感じですね。
英語学習の場合ですと、次のようなやり方があります。
- 家についてカバンを置いたら本を開く
- 朝起きて、顔を洗ったらイヤホンをつけて洋楽を聞く
日常の行動と英語をセットにすることで、習慣化しやすくなります。
もう一つ大事なのが、サボりたくなった時の対処法を事前に考えておくことです。
家についてカバンを置いたら本を開く、と決めていても休憩したくなり、英語に取り掛かるまでに時間がかかってしまうという方がいらっしゃいました。
その場合は、「休憩したくなったら10分間だけ時間をとる」とルールを作りました。そうすることで、休憩をとりつつダラダラするのを避けることができるようになりました。
NLPE英語コーチングはどんな人におすすめ?
-玉嵜さんはNLPEを受講された経験もあり今ではコーチとして活躍されています。どのような方がNLPEに向いているのでしょうか?
(玉嵜さん)そうですね。3つの側面からお話しさせていただきます。
英語学習に悩んでいる人
(玉嵜さん)英語学習に悩んでいる方には、ぜひ体験セッションを受けていただきたいですね。
- 色々試したけれど、英語学習がうまくいかず苦労した経験がある
- どういった勉強法を実践すれば良いかわからない
- 英語を使って実現したいことがある
NLPEはこんな悩みを持つ人のお役に立てると思います。
人生を変えたい人
さらに英語学習だけでなく、人生全般を変えたい人も色々な気づきがあるはずです。
- 英語を切り口にして、人生や生き方を見直したい
- なんとなく停滞感を感じてモヤモヤしている
- 頑張っているのにうまくいかず歯車が噛み合っていない感じがする
このような悩みを持つ方もNLPEを受講され、大きな変化を実感していただいています。
留学を検討している人
もう一つ、これは私の経験なのですが、留学を検討している人はぜひ留学前にNLPEを体験していただきたいですね。
留学前に思考やマインドを整えることで、留学後の成果に大きな差が出てくるからです。せっかく留学をするならチャンスを最大限に活かさないともったいない。
-留学で成果が出るか出ないかは、環境が重要ではないのですか? たとえば日本人が少ない環境に行く方が良い、みたいに。
留学カウンセラーとして多くの留学生を見てきたからわかるのですが、実は留学の成否を決めるのは環境ではないんですよね。
もう少し詳しく説明しますね。
英語より大事な留学前に準備すべきこと
-先ほど、留学する上で大事なのは環境ではないとのお話を伺いました。これはどのような意味なんでしょうか?
留学で伸びる人と伸びない人の違い
(玉嵜さん)留学カウンセラーとして多くの留学生を見る中で、「留学で伸びる人と伸びない人の違いはなんだろう?」ということを考えてきました。
気づいたのは、留学の成否を分けるのは留学先の環境ではないということ。
- どんな学校に行くか
- 日本人が少ない環境に行くか、日本人が多い環境に行くか
このような違いは留学の成否にほとんど関係がなかったのです。
伸びる人は日本人が多い学校に行っても伸びます。
留学で成果が出ない人ほど環境のせいにする
(玉嵜さん)もう一つ気づいたことがあります。それは成果が出ない人ほど環境のせいにすることです。
- 成果が出ないのは学校のせいだ。日本人が多い環境が良くない。
こんな風に周囲のせいにしてしまう方もいらっしゃいました。
今なら「このような方は、根っこにどんな思考を持っているのだろうか?」を見ていくと思います。ですが当時はエージェントの立場で、なんとか本人の希望に沿うように環境を変えてあげようとしていました。
「今の環境はその子に合っていないから、なんとかしてあげたい」と。
でも、残念ながら環境を変えても結果が変わらない、というケースも多く見られました。。
今ならわかりますが、思考や信念などの中身が変わらないまま環境だけを変えても、得られる結果は変わらないからです。
なので、留学を意義あるものにしたいのであれば、留学前に根本的な思考や信念にアプローチするのが重要なんです。
留学で自分自身の価値観や思考が浮き彫りになる
(玉嵜さん)そもそも留学というのは自分のコンフォートゾーンを抜ける体験です。日常の安全地帯から抜け出して慣れない環境に飛び込んでいく。
そうすると自分自身の価値観や思考が浮き彫りになります。
新しく出会ったことをどのように捉えどう行動していくか。日常から遠ざかる分、価値観や思考の違いが如実に現れるんです。
想像してみてください。次の2人の人が半年間の留学の後にどうなるかを。
- 気に入らない出来事に出会って、不平不満をこぼし環境のせいにする人
- 気に入らない出来事を通じて、異文化の価値観に触れる喜びを感じる人
一人目は「自分は悪くない」と環境のせいにし続けたまま留学期間を終えてしまうでしょう。環境にも馴染めないので思ったように英語力も伸ばせません。
二人目は、色々な国の方と関わることに喜びを覚え、積極的にコミュニケーションをとっていくはずです。そうすると英語に触れる機会も増え、留学後には自然と英語力が伸びているはず。
このように価値観や思考が違うだけで得られる結果が大きく変わってきます。
これがカウンセラーとして私が多くの留学生を見てきた結論です。
留学前にNLPEに出会いたかった
-なるほど。留学先の学校や環境を熱心に調べる人も多いかと思います。ですが、実際には自分自身の思考や価値観を整える方が重要なんですね。
(玉嵜さん)何を隠そう私の苦い経験でもあるんです。
私が留学した時は、「自分の英語を聞かれるのは恥ずかしい」といった思い込みの思考を持っていました。
なので、せっかく留学したのに当時の私は積極的に話すことを避けていました。本当はスピーキングが苦手なら英語を話す練習をした方が良いのにも関わらず。
だから留学でリーディングやリスニングは伸びてもスピーキング力は思うように伸びなかったんですよね。
もし留学前に自分の思い込みに気づいていたら結果は違ったはずです。
今でも「留学前にNLPEに出会っていればよかった......」と思うことがありますね。
留学の機会を無駄にしないためにも、留学を検討されている場合はぜひNLPEの体験セッションを受けていただきたい。
きっと色んな発見があるはずです。