「単語も文法も頑張っているのに、なぜか英語が聞き取れない」
「読み書きはできるのに、英語を話すと通じない」
こんなふうに悩んでいませんか?
その原因は、「アクセント」にあるかもしれません。
この記事では、アクセントの基本的なルールと覚え方、勉強法やおすすめの教材を、わかりやすく解説します。
最後まで読んで正しいアクセントを身につければ、リスニング力やスピーキング力が伸び、英語をより自由に使いこなせるようになりますよ。
タップできる目次
英語のアクセントの基本的なルールと覚え方
現在使われている英単語の総数は17万語以上あると言われており、日常会話に必要な単語だけでも数千語にのぼります。
そんなにたくさんある単語のアクセントをひとつひとつ覚えるのは、あまりに大変ですよね。
ですが、英語のアクセントにはルールがあるので安心してください。
初心者は5つの基本を押さえておけばOK。
これらのルールにあてはまらない例外もあるので、あくまで目安となりますが、ルールを知っていれば効率的にアクセントを身につけられます。
アクセントの重要な要素「音節」
5つのルールの前に、アクセントの学習に欠かせない「音節」を覚えておきましょう。
音節とは、「まとまって発音される音のかたまり」のこと。
mountainならmoun-tainで2音節、beautifulならbeau-ti-fulで3音節です。
アクセントを見分けるうえで重要な要素なので、頭に入れておきましょう。
ルール1| 1〜3音節の単語は最初にアクセント
3音節までの単語は、最初の音節にアクセントがある単語が圧倒的に多いです。
つまり、アクセントの位置に迷ったらとりあえず最初を強く読めば、正解の可能性が高いということ。
2音節目、3音節目にアクセントのある単語は少ないので、例外として個別に覚えましょう。
ルール2|4音節以上の単語は3音節目にアクセント
4音節以上の長い単語になると、多くの場合3音節目にアクセントが置かれます。
たとえば entertainment(en-ter-tain-ment:4音節)や university (u-ni-ver-si-ty:5音節)など。
実際に声に出して読んでみるとわかりますが、長い単語は、最初にアクセントを置くと読みにくいです。
ルール3| 接頭辞の直後にアクセント
接頭辞とは、語頭につくと意味が加わるもの。
in-/im- は否定の接頭辞で、たとえば formal(公式の)が informal(非公式の)に、possible(可能である)が impossible(不可能である)になります。
ほかに「前の」を表す pre- や、「ともに」を表す con- などがあります。
接頭辞がついている単語のアクセントは、接頭辞の直後の音節です。
上で挙げた例だと、in-formal、im-possible となります。
ルール4| 接尾辞の直前にアクセント
接尾辞は、語尾について意味を加えるものです。
たとえば accept(受け入れる)に可能の接尾辞 -able をつけると acceptable(受け入れられる)になります。
「満ちた」を表す - ful、「する人」を表す - er など、見聞きしたことのあるものも多いのではないでしょうか。
アクセントは接尾辞の直前の音節に置かれます。
accept-able のほか、wonder-ful(素晴らしい)、direct-or(指導者) などが当てはまります。
ルール5|名詞は前、動詞は後ろにアクセント
同じスペルで名詞と動詞がある単語の場合、名詞は前、動詞は後ろにアクセントがつくことが多いです。
impact「影響」と impact「影響を与える」、address「住所」とaddress「対処する」などがあります。
この場合、動詞は「ルール1」の例外ということになりますね。
聞き取れない、相手に英語が通じないのはアクセントのせい
英語学習において、単語や文法に比べると、アクセントは後回しにしてしまいがちかもしれません。
しかしリスニングやスピーキングにおいて、アクセントはとても重要です。
アクセントを間違えると、英語が通じないことがあるからです。
英語は「強弱」が重要な言語
前提として理解しておきたいのは、「英語という言語において、アクセントによる強弱はとても重要である」ということ。
しかし日本語の発音は平坦なので、日本人はなかなか「強弱」を意識できません。
たとえば日本語の「おはよう」を、「お・は・よ・う」と1音ずつ分けて発音しても、問題なく聞き取れますよね。
ところが英語で「Good Morning」を「グッ・ド・モ・オ・ニン・グ」と発音したら、理解してもらえません。
むしろ「グッ・モー」のようにアクセント部分だけ発音したほうが通じる可能性が高いです。
英語では単語がひとまとまりで捉えられるため、「その単語のどこを強く読むのか?」さらには「文章のどこを強く読むのか?」がポイントになります。
アクセントの位置で意味が変わる
英語のアクセントの位置を間違えると、意味が変わってしまうこともあります。
先ほど挙げた「同じスペルで名詞と動詞がある単語」のように、「object」は「物体」という意味の名詞ですが、「object」は「反対する」という意味の動詞。
下手をすると、「I have an object.(私はある物を持っています)」と言いたいのに、「I have objected.(私は反対しています)」と勘違いされてしまうかもしれません。
また、white house「ホワイトハウス」は単に「白い家」という意味ですが、「ホワイトハウス」と読むと the White House(米大統領官邸)になります。
アクセントが違うだけで、話の内容が変わってしまうのです。
カタカナ英語に要注意
カタカナ英語はアクセントが間違っていることが多く、注意が必要です。
私は学生時代、イギリス人の友達が何を言いたいのかわからず困ったことがありました。
彼女は有名な自動車メーカーに就職が決まったとのことで、「日本人も絶対に知っている会社!」と言うのですが、社名が聞き取れないのです。
「ジョッグ」「ジャッゴ」のように聞こえるものの、どうしてもわかりません。
結局スマホで車の画像を見せてもらったら、「ジャガー(JAGUAR)」でした。
本来の発音では、アクセントのある「JA (G)」が強く、残りの部分は非常に弱く発音されます。
「ハンバーガー」や「ヨーグルト」など、一見簡単そうに見える単語も、英会話の中で苦戦したことがあります。
カタカナになっている英語を使う時は、特にアクセントに気をつけてください。
英語のアクセントの勉強法
アクセントは、学校の授業でもサラッとしか触れられない項目ですし、詳しく教わる機会が少ないかもしれません。
しかし今からでも独学で身につけられますよ。
具体的な勉強法を紹介します。
アクセントとセットで単語を覚える
単語を暗記する時は、必ずアクセントとセットで覚えましょう。
そもそも、「正しいアクセントの位置」は「正しい発音」をするために絶対に必要です。
普段から「単語は発音とセットで覚える」ができている人は、すでにアクセントも身についているのではないでしょうか。
音声を聞きながら覚えるのが最もおすすめですが、辞書の発音記号などをチェックするだけでもOKです。
私の場合、ノートにスペルを書いて練習する時、「compúter」のようにアクセント部分に記号をつけて覚えます。
アクセントを意識して聞く
英語を聞く時も、常にアクセントを意識してください。
ポイントは、「単語のどこが強く読まれているか」だけでなく「文の中でどの単語が強調されているか」に注目することです。
個々の単語の発音はわかるのに、文章や会話になると聞き取れないこともありますよね。
それは、文章になると前置詞や冠詞が弱く読まれたり、伝えたいポイントが強く読まれたりするからです。
なので単語ごとのアクセントの位置を覚えるだけでなく、英語のリズムやイントネーションに慣れることが大切です。
音読を習慣にする
アクセントを頭と耳で理解できたら、自分でも発音してみましょう。
実際に発音してみると、「わかったつもりだったけど、実は曖昧だった」という点が出てくるはずです。
曖昧なところをひとつひとつ確認し、正しい発音を再現できるようになって初めて、本当に「アクセントを身につけた」と言えます。
そのためには練習を重ねることが必要なので、英語の音読を習慣化するのがおすすめです。
英語のアクセントを身につけるにおすすめの教材
「最短でアクセントを身につけたい!」という人におすすめの教材を3つ紹介します。
大学入試 関正生の英語の発音・アクセント プラチナルール
アクセントと発音に特化して解説している書籍です。
大学入試のアクセント問題対策がメインではあるものの、社会人でも「アクセントのルールや見分け方を詳しく知りたい」という人には役立つ内容となっています。
ひととおり目を通しておくだけでも、アクセントについての理解が深まるでしょう。
あいうえおフォニックス(英語のアクセントとイントネーション)
気軽にアクセントを学びたい時は、YouTubeチャンネル「あいうえおフォニックス」のアニメーションがおすすめです。
英語の発音の解説動画がたくさん公開されており、その中に「英語のアクセントとイントネーション」という再生リストがあります。
これを見るだけで、「どんな単語のアクセントを間違えやすいのか」や「音節とは何なのか」などを知ることができますよ。
スピークバディ
スピークバディはAIを活用した英会話アプリ。
自分のペースでリアルな会話練習ができるので、英会話を上達させたい人におすすめです。
音声認識が優れており、発音の間違いを的確に指摘してくれるため、アクセントの改善にも役立ちます。
発音練習で高評価の「Perfect」をもらえなかった時は、お手本を聞きながら該当部分のアクセントをしっかり確認し、何度も挑戦してみてください。
よくある質問
こちらにも回答をお願いします。内容が重なる場合、記事内リンクを使っていただいてOKです。
最後に、英語のアクセントについてよくある質問をまとめました。
英語で強く読むところの見分け方を教えてください
単語の中でどこを強く読むかは、アクセントの基本的なルールを覚えれば、だいたい推測できます。
文章の中でどの単語を強く読むかは、日本語と同じで「強調したい情報を強く読む」が基本です。
たとえば「昨日どこに行きましたか」に対する答えが「I went to the library.(図書館に行きました)」なら、library を強く読みましょう。
一方、前置詞 to や冠詞 the は聞こえなくても支障がない語なので、弱く読みます。
英語のアクセントが全くわかりません......
この記事で紹介している勉強法を試してみてください。
ただしアクセントは単独で学ぶというよりも、日々の学習の中で意識して自然と身についていくものです。
アクセントを意識することが習慣になれば、だんだんわかるようになりますよ。
英語のアクセントの調べ方を教えてください
辞書を引くと、単語のスペルの近くに発音記号が載っています。
辞書によりますが、たいてい「´」または「ˈ」という記号でアクセントが示されています。
前者の場合、「´」がついている部分がアクセントです。(例:study [stʌ́di] )
後者の場合、「ˈ」の直後がアクセントです。(例:study [stˈʌdi])
Weblio などのオンライン辞書では、発音記号が確認できるだけでなく、音声を再生することもできます。
まとめ
大人になってからでも、この記事で紹介したちょっとしたルールを学ぶだけで、正しいアクセントを身につけられます。
日本人はアクセントを軽視してしまいがちですが、英語を聞いたり話したりするためには、アクセントの知識が欠かせません。
「アクセントを間違えただけで話が通じなかった」ということは十分起こり得ますし、反対に「アクセントを直したら一気に英語が上達した!」というケースもあります。
身につけた時の効果の高さを考えると、アクセントの学習は非常にコスパがいいと言えるでしょう。
ぜひ今日から、アクセントを意識してみてくださいね。