
「英語学習にモチベーションは不要です」
このように聞くと、驚かれる方も多いのではないでしょうか?
しかし実は「やる気を上げよう」と、モチベーションにフォーカスするからこそ、英語学習を続けられないのです。
なぜなら、モチベーションは短期間から持続しないから。
その代わりに、英語学習を「習慣化」するのがポイントです。
私がビジネス英語コーチとしてサポートしていると、「やる気を上げよう」とモチベーションにフォーカスしている人が多いことに気づいたため、この記事を書きました。
- 英語学習にモチベーションが不要な3つの理由
- 英語勉強を習慣化する5つのポイント
この記事の目次
英語勉強にモチベーションが不要な3つの理由
世の中では、「モチベーションを高めると行動できる」「やる気の継続が大事」と言われていますが、そもそもモチベーションにフォーカスするから続かないのです。
その理由は3つあります。
理由1|“モチベーション”は長く続かないものだから
理由2|結果につながる行動が大事だから
理由3|環境づくりが大事だから
“モチベーション”は長く続かない
“モチベーション”は長く続きません。
なぜなら、多くの人がいう“モチベーション”は「アメとムチ」を指すからです。
心理学の研究では、モチベーションには二種類あることが知られています。
外発的動機付け
いわゆる「アメとムチ」です。
たとえばお金、ご褒美、他人からの評価がアメで、「勉強しないと怒られる」というのはムチです。
外発的動機付けは強力ですが、短期間しか持続しません。いわばカンフル剤のようなものです。
なぜなら、人はアメとムチの刺激にすぐに慣れてしまうからです。
たとえば、勉強をがんばったらご褒美がもらえる、勉強をやらないと怒られる、という刺激が与えられると短期的にやる気が向上します。しかし、3日も繰り返せば慣れてしまうでしょう。
また、ずっと先の将来に得られるものをアメやムチに設定して、モチベーションを継続させることも困難です。なぜなら、臨場感が沸かないからです。
たとえば、1年後に英語で外国人と議論している姿を思い浮かべてやる気を出そうとしても、英語学習を継続するモチベーションは続きません。
実際、私も将来の目標をアメとしてやる気を奮い立たせようとしましたが、3日程度しか持続しませんでした。
内発的動機付け
本人が面白みや興味を感じ、周囲から何も言われなくても勝手にやってしまう状態です。
たとえば、子供がお絵かきに夢中になっているときは、内発的動付けで行動しています。
実際、努力をすることが楽しくなれば、無理に気持ちを奮い立たせなくても学習を継続することができます。
一般に「モチベーションを高める」というとき、外発的動機付けに着目しています。
しかし、上記で説明したようにこの“モチベーション”は長く続かないのが当たり前なのです。
英語学習の結果につながる行動の重要性
無理にモチベーションを高めようとするより、結果につながる行動をすることが重要です。
なぜなら結果につながるとわかっている行動は、意志力を使わずに行動できるため、外発的動機付けに頼らなくてよいからです。
たとえば大学などで「このレポートさえ書けば絶対に単位が取れる」とわかっていれば、行動しやすいと思います。
一方で、「このレポートを書くと単位が取れるかもしれないし、取れないかもしれない」という状況だと行動するのにエネルギーが必要になります。なぜなら不安を感じるからです。
あるいは、ダイエットをしようとしたとき「効果があった!」という口コミを見ると、自分もダイエットできそうな気がするため、行動しやすくなります。
英語学習においても、同じ学習法で効果があった口コミを多くみると、自分も同じように上達するだろうというイメージができ行動しやすくなります。
このように、結果につながると感じる行動の場合は、外発的動機づけでモチベーションを高めようとしなくても継続しやすいです。
英語学習をする環境の重要性
意志力を使わずに英語学習を継続しやすい環境を設計することも重要です。
なぜなら、人は環境から影響を受けやすいからです。
たとえば、「英語を勉強しよう!」と思っても同僚から毎日飲みに誘われる環境の場合、学習を継続するには相当の意志力が必要でしょう。
また、すぐにインターネットで動画をみたり、ゲームをしたりしてしまう環境でも継続は難しいでしょう。
反対に誘惑を減らすように環境を設計できれば、学習を継続しやすくなります。
たとえば学習するときはネットの接続を切るなどです。また、同僚に英語学習を優先したいから、この先2か月は飲み会に参加できないと宣言することも環境設計につながります。
あるいは、英語を集中的に取り組むことを他人に宣言したり、勉強仲間を作ったりすることも学習継続に効果的です。
実際、私の場合は英語コーチに学習継続をコミットし毎日報告する環境を設計したことで、余計な意志力を使わずに学習を継続できるようになりました。
ここまで、モチベーションにフォーカスするからこそ英語を続けられなくなる理由を説明してきました。では、どのようにしたら英語を続けられるのでしょうか。
以下では、モチベーションにフォーカスせずに英語を継続する方法を解説していいます。
モチベーションややる気に頼らず英語勉強を習慣化する5つの方法
ポイントは5つあります。
ポイント1|英語が上達する“実感”が持てる学習法を採用する
ポイント2|目標設定にWOOPを使う
ポイント3|意志力を使わない環境をつくる
ポイント4|習慣の力をつかう
ポイント5|完璧主義を捨てる
以下で詳細を説明します。
モチベーションではなく英語が上達する“実感”を持てる勉強法を採用する
世の中にはさまざまな学習法がありますが、英語が上達する“実感”を持てる学習法を採用すると、学習を継続しやすいです。
なぜなら、人は結果が出るとわかっていることは行動しやすいからです。
たとえば、実際に口コミを見て生徒が本当に成果を出しているかを調べることが重要です。口コミの中には、いわゆる「サクラ」が混じっていることがあります。口コミが動画の場合や、写真付きの場合は比較的真実が述べられているケースが多いようです。
実際、私がコーチングスクールを選んだ際も、口コミを熟読しました。
そして、当時の自分と同じような悩みを抱えている人が、複数人成果を出していることを確認しました。そのため、自分も同じような結果が得られるだろうという実感が得られ、学習を継続しやすくなりました。
英語学習の目標設定にWOOPを使う
WOOP(ウープ)は科学的に効果が示された唯一の目標設定法です。この方法を使うと、通常の目標設定法と比べ目標達成率が2倍になることが統計的にわかっています。
WOOPは以下4つの頭文字です。
W:Wish(望み) どのようになりたいか。ある程度抽象的に考える
O:Outcome(得たい結果) 具体的に得たい結果。できれば定量的に書く。
O:Obstacle(障害) 得たい結果を実現する際に想定される障害。
P:Plan(計画) 障害が起きたら、どんな行動をとるかの計画。
ここで重要なのは、ObstacleとPlanです。事前に障害と計画を立てることで、目標達成率が2倍になります。
目標設定の際に、学習継続の障害になりそうなことを、できるだけ洗い出し対策を立てておくことが重要です。
実際、私もコーチングを受ける前にWOOPを使った目標設定をしました。以下の記事で、私が立てたWOOPを詳細に解説しています。
英語勉強に意志力を使わない環境をつくる
意志力を使わない環境を作ることで、モチベーションに頼らず学習を継続できるようになります。
上述したように、人は環境から大きな影響を受けるからです。
たとえば、英語学習にスマートフォンアプリを使うことも意志力を使わない環境設計の一つです。
なぜなら、英語の本を開くのは面倒で意志力を使う一方、アプリならワンクリックで立ち上げられるからです。
本の場合は、キチンと椅子に座ってから気合いを入れてから学習を始めることになります。一方アプリの場合は、たとえば電車の待ち時間の5分間に、立ったままでも学習を進めることができます。
実際、私も英単語学習にスマホアプリを入れてスキマ時間を使って学習を進めました。
英語勉強に習慣の力を使う
習慣の力を使うと、モチベーションを高めなくても英語学習を継続できます。
なぜなら、習慣化すれば無意識で行動できるようになるからです。
たとえば、歯を磨くのにモチベーションはいらないでしょう。習慣になっているからです。
歯磨きと同じように、英語学習を習慣化できれば、モチベーションを高めずに学習を継続できるようになります。
習慣化するには、英語学習を生活に組み込むことが大事です。
実際、私の場合は通勤時間と昼休みの時間を英語学習にあてることにして、ルーチン化することにしました。たとえば、昼休みは上述の単語アプリを進めることにしました。
ルーチン化したことにより、「朝の時間に何をやろうか?」「昼休みはどうしよう?」などと余計なことを考えなくて済むようになり、学習を継続しやすくなりました。
完璧主義を捨てる
完璧主義を捨てることも大事なポイントです。
なぜなら、完璧主義になると目標の学習時間に到達しなかったときに、一気にやる気がなくなってしまうからです。
たとえば、「毎日2時間学習する」こと目標にしたとき。
ある日は1時間しか学習できなかったとします。完璧主義の人は「あぁ、目標を達成できなかった。もうダメだ。」とやる気をなくしてしまいます。その結果、次の日から行動が止まってしまい、学習を継続できません。
完璧主義を捨てて、「今日は1時間しかできなかったけれど、明日からまた頑張ろう」と思えると、継続しやすくなります。
さらに「なぜ、この日は1時間しかできなかったのか?」を振り返りWOOPに反映させると、より継続しやすくなります。
このように、完璧主義を捨てることで学習を継続しやすくなります。
私も以前は英語学習のモチベーションが続かなくて苦しんでいた
ここまで、モチベーションに頼らず英語学習を継続する方法を紹介してきましたが、以前は私も英語へのモチベーションを高めようと努力していました。
ネットや本を見ていると、以下のような主張を目にします。
・英語が喋れるようになった自分を想像してやる気を高めよう
・モチベーションを高めるために、英会話スクールに申し込んで先行投資しよう
・ポジティブシンキングでやる気を高めよう
私はこれらを真に受けていました。
たとえば大学時代に英会話スクールに申し込んで失敗したことがあります。
なんとなく英語力を上げたいと思い、丸善書店の英語コーナーで本を見ているときに、女性から声をかけられました。英会話スクールの勧誘です。
この女性についていき、英会話スクールの説明を受けました。そして「英会話のモチベーションを高めるためにも、先行投資が大事」と言われ、「なるほど!その通りだ!」と思って申し込んでしまいました。
いま考えれば、単なるセールストークですよね。
たしかに申し込んだとき、やる気は高まりました。しかし、モチベーションは1週間程度しか続きませんでした。その後しばらくは、ダラダラと続けたものの上達している実感が得られず、やめてしまいました。
スクールにとっては「おいしい」客だったと思います。お金は払って、授業は受けなかったからです。
また、社会人2年目のころ。
一通り会社の仕事を覚え、スキルアップしたいと考え英語を独学で学ぼうと思い立ちました。
「英語ができるようになれば、海外で活躍できるようになる!」「きっと収入も上がる!」とモチベーションを高めて、学習を開始しました。
初日はやる気に満ち溢れ、3時間勉強しました。2日目も、2時間くらい取り組みました。3日目、わずかに残ったやる気を振り絞り30分くらい…
1週間後には元の生活に戻っていました。
このようにモチベーションを高めて英語に取り組もうとしましたが、何度も挫折してきました。
この後、心理学や学習法について調べるうちに、そもそもモチベーションに頼っていたからこそ学習を継続できなかったことに気づきました。
そして無理にモチベーションを高めようとしなくても、英語学習を継続できるようになり、結果として英語で仕事ができるレベルまでになりました。
私の体験からも、モチベーションにこだわらなくても英語力を上げることができます。
【まとめ】モチベーションに頼らず英語勉強に取り組もう!
この記事では、モチベーションにフォーカスするからこそ英語学習を継続できない理由と、短期的なモチベーションに頼らずに学習を継続するためのポイントを解説してきました。
英語学習は何をやるか?の前に、いかに継続するか?が大事です。
この記事で紹介してきたテクニックを、学習継続に役立ててみてください。
※質の高い学習法を実践することも重要です
【参考文献】
モチベーション3.0 持続する「やる気!」をいかに引き出すか (講談社+α文庫) (ダニエル・ピンク著)
習慣の力 The Power of Habit (講談社+α文庫) (ダニエル・デュヒュイッグ著)
無料のメール講座:ビジネス英語を最短で身につける3つの方法とは?
「英語が分からないので、海外とのWEB会議が憂鬱(ゆううつ)だ......」
「英会話スクールに通ったのに、英語が話せるようにならない......」
「TOEICの点数は上がった、一向に実践で英語が使えない......」
そんなあなたが、英語で仕事ができるようになるため、“ビジネス英語を最短で身につける3つの方法”を7通のメール講座で解説しました。
いくらTOEICでハイスコアを取ったり、英語が流暢になっても、”仕事で結果を出せる”英語力を身につけなければ、あなたの仕事での評価は下がってしまいますし、収入も上がりません。
反対にTOEICの点数が低かったり、英語が流暢でなくても、”仕事で結果を出せる”英語力があれば、あなたの評価は高りますし、収入も上がります。
“ビジネス英語を最短で身につける3つの方法”を学ぶと以下のようなメリットが得られます。
- 無駄な学習をしないので、最短で”仕事で結果を出せる”英語力が身につく。
- 仕事相手の外国人の考えがわかり、コミュニケーションがスムーズになってストレスが減る。
- 英語の会議や議論をリードできるようになり、上司や同僚から尊敬される。
現在、“ビジネス英語を最短で身につける3つの方法”を、無料メール講座でお伝えしています。今すぐ登録して、無料メール講座で”ビジネスで結果を出せる”英語力を身につけてください。