第二言語習得におけるインタラクション仮説とは?英会話のフィードバックを受けろ!

「受け身でレッスンを受けるより、積極的に質問した方が、英語が身につきやすい気がする」。

 

このように感じたことがある人も多いのではないでしょうか。

これは「インタラクション(相互交流)」の影響です。

 

人間が外国語を習得するプロセスを研究する「第二言語習得論」では「インタラクション仮説」と呼ばれる理論があります。インタラクションが第二言語習得を促進するとの考え方です。

 

この記事では、英語習得におけるインタラクションの役割と、どのように学習に取り入れるかを解説します。

第二言語習得におけるインタラクション仮説とは?

マイケル・ロングが提唱したインタラクション仮説

インタラクション仮説とは、アメリカの言語学者でメリーランド大学のマイケル・ロング教授が提唱した理論です。第二言語習得において、「相互交流」が重要との主張で、1996年に発表されました。

相互交流とは、先生と生徒などの間でフィードバックをすることです。一方的に講義をするだけでなく、相互にやり取りをするのが大事ということですね。

 

ロング教授は”focus on form(フォーカス・オン・フォーム)”と呼ばれる教授法を用いていました。フォーカス・オン・フォームとは、単語や文法を重視する教え方です。フォーム(型)にフォーカスするという意味です。

その過程で、相互交流が文法や単語の習得に効果的であると気づきました。

 

クラッシェンのインプット仮説の延長

インタラクション仮説は、スティーブン・クラッシェンが唱えた「インプット仮説」の延長にあります。インプット仮説とは、第二言語習得において、リスニングやリーディングなどインプットの重要性を説いた理論です。

母語の習得をイメージすると分かりやすいと思います。赤ちゃんはインプットだけで言葉を話せるようになるからです。

 

クラッシェンによると、「i+1(アイ・プラスワン)」のインプットが第二言語習得に効果的です。「i」は現状のレベルを指します。つまり、現状より少しだけレベルが高いものをインプットするのが重要ということ。

 

第二言語習得論の基礎となっているクラッシェンのインプット仮説については以下の記事に詳しく書いたので、参考にしてみてください。

第二言語習得におけるインプット仮説とは? クラッシェンの理論と問題点を解説

 

「大量のインプットが第二言語習得に重要」という点は、ほとんどの研究者が認めていることです。

インタラクション仮説は、「相互交流がインプットの効率を高める」とのスタンスです。その意味で、インプット仮説の延長にあると言えます。

 

インタラクションの例

インタラクションがどのように行われるのか、具体的に見てみましょう。

大学の講義でのやり取りをイメージしてみてください。

 

T:Teacher(教師)

S:Student(生徒)

 

T: All right now [reading from the script]. Above the sun place the squirrel. He’s right on top of sun.

(それでは始めましょう。[テキストを読みながら]太陽(sun)の上にリス(squirrel)を置いて、彼は太陽のちょうど上にいるわ。)

S: What is … the word?
(その言葉は・・・なんですか?)

T: OK. The sun.
(OK。「太陽」よ)

S: Yeah, sun, but
(ええ。「太陽」、だけど・・・)

T: Do you know what the sun is?
(sunって何か知ってる?)

S: Yeah, of course. Wh-what’s the・・・
(はい、もちろん。それで・・・)

T: Squirrel. Do you know what a squirrel is?
(“squirrel”の方ね。Squirrelは何か知ってる?)

S: No.
(知りません)

T: OK. You’ve seen them running around on campus. They’re little furry animals. They’re short and brown and they eat nuts like crazy.
(OK。大学のキャンパスであちこち走り回っているのを見たことがあると思うわ。小さくて柔らかい毛で覆われた動物よ。小柄で茶色くて、ものすごい勢いでナッツを食べるのよ)

出典:はじめての第二言語習得論講義(馬場今日子、新多了 著)

 

対話をしながら、生徒はわからなかった”squirrel(リス)”という単語を理解できるようになりました。

このように、質問しながら意味を理解してく過程をインタラクションと呼んでいます。

インタラクションが英語学習に効果がある3つの理由

1. レッスンを適切なレベルに調整できる
2. ジャスト・イン・タイムでインプットができる
3. 気づき効果により、理解が進む

レッスンを適切なレベルに調整できる

先ほど見た例のように、意味を確認したり、繰り返したり、言い直したりすることで、レッスンの内容を適切なi+1のレベルに調整することができます。つまり、わからない単語や表現を減らしていくことができるということです。

 

最初は、生徒にとってやや難しい内容(たとえばi+2)でしたが、インタラクションによりi+1レベルに調整できた、と捉えられます。その結果、効果的なインプットができるようになり、第二言語を習得しやすくなるというわけです。

 

このプロセスを、ロングは「意味交渉(negotiation for meaning)」と呼び、第二言語習得に不可欠な要素だと考えました。

 

ジャスト・イン・タイムでインプットができる

2つ目のポイントは、学習者にとってちょうど良いタイミング(ジャスト・イン・タイム)でインプットができる点です。

 

もともとジャスト・イン・タイムはトヨタの生産方式を表します。生産過程において、各工程に必要なものを、必要な時に、必要な量だけ供給することにより、在庫を徹底的に減らす、効率的な生産システムです。

ご参考:ジャストイン生産システム

 

英語学習でも同様に、必要な内容を、必要なタイミングで、必要な量だけインプットすることにより、効率的に学習を進められます。

 

人間は「どうしても知りたい!」と渇望しているときに、答えを得られるとスムーズに記憶にとどめることができます。反対に、レッスンや書籍で一方的に示された単語や文法はなかなか覚えることができません。

 

先ほどの例の場合、生徒は”squirrel”の意味を忘れないでしょう。「この単語の意味を知りたい!」と渇望していたからです。つまり、インタラクションにより、生徒の「知りたい!」という渇望を生み出せるというわけです。

 

気づき効果により、理解が進む

もう一つのポイントは、自分の英語表現の誤りに気付くことにより理解が進むという点です。

たとえば、英語ネイティブと会話をしているとき、間違った表現を相手から訂正してもらうケースがあります。

生徒:         When it happen?
ネイティブスピーカー: When did it happen?
生徒:         When did it happen?

このように、生徒が話した英語に文法的な誤りや言い間違いがあったときに、ネイティブスピーカーや先生が、意味を変えずに正しい形に修正することを「リキャスト」と呼びます。

 

リキャストにより、生徒は自分のスピーキングが正しくないことに気づきます。その結果、アウトプットを修正することができるため、英語習得に役立つと考えられます。

 

このように、他者からの指摘による「気づき」により、理解が進むのもインタラクションの効果です。

まとめ|インタラクションを活用して英語を効率的に習得しよう

インタラクション仮説によれば、レッスン中に質問をしたり意味を確認したりすることにより、英語を効率的に身につけられます。

 

これは直観的にも理解しやすいのではないでしょうか。受け身でレッスンを受けるだけよりも、積極的に関わる方が英語を身につけやすいからです。

 

ただ注意が必要なのは、インタラクション仮説の大前提にあるのは「大量のインプットが重要」という事実です。なぜなら、インプットが第二言語習得のカギであるのは、疑いようがないからです。

 

ですので、もし英会話スクールに通う場合は以下に注意すると効果的に英語力を伸ばせるはずです。

 

① 英会話レッスンとは別に、大量のインプット学習をする
② レッスン中は質問したり、フィードバックを受けたりして、先生とのインタラクションを増やす

 

あなたの英語学習に取り入れてみてくださいね。

 

以下の記事に、科学に基づく効率的な英語学習法をまとめました。参考にしてみてください。

 

英語勉強法の効率が変わる5つのポイント|科学的な英語上達法 

 

参考文献、参考サイト

Interaction hypothesis

Michael Long (linguist) 

 

はじめての第二言語習得論講義: 英語学習への複眼的アプローチ

第二言語習得と英語科教育法

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