この記事では、このような悩みを持つ方に向けて英語プレゼンのコツを解説します。
私は今でこそ、アメリカ企業を相手に毎週のように英語プレゼンをしていますが、以前はプレゼンが本当に嫌で嫌でたまりませんでした。
プレゼンの直前になると、原稿を書き出して暗記しようと夜遅くまで頑張っていたこともあります。
それでも全然不安は解消されないんですよね......
しかし、この記事に紹介する5つのコツを身につけてから、英語プレゼンが怖くなくなりました。
今ではアメリカ企業を相手に年間50回以上の英語プレゼンを日常的にこなしています。
私の経験や学んだことを踏まえて、この記事では以下について説明します。
- 英語プレゼンの極意~5つのコツ~
- 事前練習3つのポイント
- プレゼン本番3つのポイント
英語プレゼン5つのコツ|うまい人のやり方と工夫
まず最初に大事なことは、プレゼンは手段であって目的ではありません。
なぜなら、プレゼンの目的は一方的な情報提供ではなく、聴衆に何らかのアクションをとってもらうことだからです。
たとえば製品紹介のプレゼンの場合。聞き手に製品を購入してもらう、興味がありそうな人に紹介してもらう、などのアクションをとってもらうことが目的です。
そのため、プレゼンの場では原稿を読み上げるのではなく、聴衆とコミュニケーションが取れている状態が理想。
とはいえ理想はわかっていても、そう簡単にはいきません。
私もかつてプレゼンのためのプレゼンをしてしまったことがある。聴衆のことを考えず、自己満足のプレゼンをしてしまいました。
その結果、話の内容は聞き手に伝わらず、プレゼンが終わった後、聴衆は「ポカーン」とした顔になっていました。私のように自分本位のプレゼンをしても、聴衆に伝わりません。
「聴衆とコミュニケーションをとる」と聞くと、非常に高いレベルを要求しているように感じるかもしれません。
しかし、以下の心得を意識するだけで、自然と聴衆とコミュニケーションがとれるようになります。
これらは、英語プレゼンがうまい人が無意識に実践しているコツです。
聞き手本位で英語プレゼンを行う
聞き手本位はプレゼンする際に重要なポイントです。
なぜなら聞き手が理解しないとプレゼンをする意味がないからです。
具体的には以下を意識します。
- 誰に対してプレゼンをするのか
- 聞き手は、どの程度の前提知識を持っているのか
- 聞き手はこれから何を知る必要があるのか
- 聞き手はどのような順序で聞きたいのか
一方で、顧客企業の経営層に技術内容をプレゼンする際は、相手は技術的な背景を知りません。
そのため、この技術や製品でどのようなメリットが得られるのか、そのメカニズムは何かなどを中心にプレゼンした方がよいです。
このように、相手のことを考えて聞き手本位でプレゼンすることは非常に重要です。
さらに詳しく知りたい方は、こちらの動画をどうぞ↓
英語プレゼンで、聞き手のことを意識する重要性がコンパクトにまとまっています。
プレゼンターは、東京オリンピック招致のスピーチプレゼンター育成も担当したニック・フォークナー氏。
日本人ビジネスパーソンがやってしまいがちな、英語の間違いを1~5分の動画で学べます。
英語プレゼンは簡単、簡潔にする
2つ目のコツはスライドを作成時に意識すべきものです。
スライドの理想は「一目見て分かり、しかも誰からも誤解されない」こと。
そのためには、以下の工夫が必要です。
- シンプルな構成を心がける
- 難しい言葉は避け、できるだけ簡単な言葉を使う
- 余計な情報を話したり、言葉足らずになったりするのを避ける
- 主語、述語をはっきりさせる
具体的、明確にする
プレゼン内容は具体的かつ明確にすることが重要です。
なぜなら聞き手にアイデアや概念を正しく理解してもらうためです。
たとえば次の表現は抽象的でわかりづらい。
この製品の売り上げは大きい
聞き手もぼんやりとしかイメージできず、さまざまな解釈ができてしまいます。
一方で次の表現はわかりやすい。
この製品の今年の売り上げは100億円です。2015年以降、毎年30%成長率で伸びています。
なぜなら具体的かつ明確だからです。
プレゼン内容を具体的、明確にするには以下のポイントが重要です。
- 数字を入れる
- 固有名詞を入れる
- 図表を入れる
先ほどの例では数字を入れることで、具体的で明確になりました。
数字、固有名詞、図表を使うことを意識するだけで、プレゼン内容を具体的かつ明確にすることができます。
肯定的で力強く説明する
プレゼンに説得力を持たせるには、自信あるようにふるまうことも重要です。
なぜなら、人は話し手に権威性を感じるほど説得力を感じるからです。
話し手が檀上でふらふら動き小声でぼそぼそと話す姿を想像してみてください。
たとえ、話の内容が素晴らしくても説得力がないように感じるはずです。
反対に堂々と自信がありそうに話すと、聴衆は説得力があるように感じるのです。
またネガティブな表現を避けることも大事です。
なぜならネガティブな表現を使うと、相手にネガティブな感情がインプットされてしまうからです。
その結果、プレゼンの後でアクションをとってもらいづらくなります。
以下に、ネガティブ表現のポジティブ表現への置き換えの例を示します。
- problem(問題)→challenge(課題)
- cost(コスト)→investment(投資)
- difficult(難しい)→challenging(やりがいのある)
このように肯定的で力強く説明することは重要です。
日本語プレゼンは△、英語プレゼンは▽
日本語の話の展開は、最初に背景や理由を説明し、最後に結論を述べるのが一般的です。
「起承転結」はその代表例です。
一方、英語は最初に結論を述べ、そのあとに理由や根拠を示す話し方をします。
外山滋比古氏は、これをたとえて「日本語は△型、英語は▽型」と述べています。
下図のイメージです。
この違いを認識し、英語プレゼンの場合は結論を先に述べ、その後に理由や根拠を述べるスタイルにするとよいでしょう。
ここまで英語プレゼンの心得を説明してきました。
次に、実際に英語プレゼンを準備する際にどのような構成にするか説明していきます。
英語プレゼン事前練習のコツ
コツ1|発表練習は最低10回やる
コツ2|他人に聞いてもらいフィードバックをもらう
コツ3|想定質問と回答案を準備する
発表練習は最低10回やる
日本語のプレゼンでも、発表練習する方は多いと思います。
英語プレゼンの場合、より入念に練習をすべきです。
重要なプレゼンの前には発表練習を最低10回はやりましょう。
口に出して練習するのがオススメです。
なぜなら、プレゼン当日にできる限り原稿を見ずに話せるようにするためです。
原稿を見ずに話すと、自然と聴衆とコミュニケーションをとりやすくなります。
また10回程度練習すると英語が口になじんできて、どこを強調してどこで間を開ければよいかが感覚的にわかるようになってきます。
その結果、抑揚をつけて話せるようになり相手に伝わりやすくなるのです。
もし録音レコーダーがあれば、発表練習を録音し自分で聞いてみるとよいです。その理由は、録音した音声を聞くと客観的に評価できるようになるからです。
実際、私も重要な英語プレゼンの前は10回程度練習をします。
特に聴衆が大勢いるときや、重要なプレゼンの前は入念に発表練習を行います。
他人からフィードバックをもらう
一人で練習するだけでなく、他人に聞いてもらいフィードバックをもらえると、なおよいです。
理由は2つあります。
他人に聞いてもらうことで発表練習の臨場感が高まるから
一人だけで話すよりも他人に向けて説明するように話すと発表当日のシミュレーションができます。具体的にはアイコンタクトの取り方、抑揚のつけかた、間の置き方などがイメージできるようになります。
自分では気づかない点にフィードバックを受けられるから
プレゼンのわかりづらいところ、伝わりづらいところは、自分では気づきにくいものです。
そのため、他人の客観的な視点で改善点のフィードバックを受けるのは効果的です。
実際、私も学会発表など重要なプレゼンの前には、同僚にプレゼンを聞いてもらいフィードバックを受けました。
そして、このプロセスを3回繰り返しプレゼンの完成度を高めました。
想定質問と回答案を準備する
想定質問をできる限り多く考え、回答案を準備しておくのがオススメです。
なぜなら、プレゼンで一番困るのは質疑応答だからです。
日本語プレゼンの場合でも、想定質問と回答案を準備する人は多いかと思います。
英語プレゼンの場合は、より入念に準備しておくべきです。
なぜかというと質疑応答では以下のプロセスが必要となるからです。
- 相手が英語でする質問内容を理解する
- 質問への回答を日本語で考える
- 質問への回答を英語にする
- 英語で質問に回答する
特に当日の質疑応答の時間内で2、3のプロセスをこなすのは簡単ではありません。
ノンネイティブにとっては、質疑応答をその場でこなすのは負荷が大きいです。
実際、私も重要な英語プレゼンの前は想定質問と回答案を書き出します。
同僚に協力をもらい、想定質問を挙げることもあります。
想定質問と回答案は、まず日本語で書き出します。日本語で書き出す方が、脳のCPUを内容に割けるからです。
その後、余力のある範囲で、英語で回答する準備をします。
このように想定質問と回答案を準備しておくことで、当日に落ち着いて質疑応答に臨むことができるようになります。
英語プレゼン本番を成功させる3つのコツ
次にプレゼン本番で意識すべきことを説明していきます。
- 声の大きさと抑揚を意識する
- Zの法則で視線をコントロール
- 質疑応答は無理に答えようとしない
声の大きさと抑揚を意識する
プレゼンの際に大きな声で抑揚をつけて話すことは重要です。
なぜなら聴衆に話が伝わりやすくなるからです。
声の大きさは、自分の最大発声量の8割くらいの大きな声で話すとよいでしょう。
つまり、これ以上大声を出せないと感じる状態の8割の大きさを目安にします。
これはかなり大きな声と感じられるかもしれませんが重要なポイントです。
なぜなら、小さな声だと相手に聞き取りづらいからです。
また小さな声で話すと自信がないように受け取られてしまいます。
抑揚をつける
抑揚のある話し方をすることにより、自然な英語に聞こえます。反対に抑揚ない話し方だと、英語らしく聞こえず伝わりづらいです。
たとえば留学経験のある知人で、英語がペラペラなのにも関わらず何を話しているか分かりづらい人がいました。
私だけでなくネイティブも聞き取りづらく感じているようでした。理由は抑揚がない話し方をしていたため。
強調すべき箇所を強調せず、必要な間をとらずにペラペラ英語を話しても英語のように聞こえないのです。
反対に、多少発音が悪くても、抑揚をつけて話すと自然な英語らしく聞こえ、聴衆も聞きやすくなります。
発表練習で身に着けた抑揚を思い出しながら話すとよいでしょう。
Zの法則で視線をコントロール
プレゼン中に聴衆とのアイコンタクトを意識することは重要です。
聴衆の目を見ながら話すことで、聞き手は自分に話しかけているように感じるからです。
その結果、聴衆とコミュニケーションがとれるようになります。
少人数の場合は、相手の表情から反応を伺いながらプレゼンを進めます。
そうすることで、相手がどの程度興味を持っているかがわかるからです。
一方で聴衆が大人数の場合はZの法則で視線をコントロールします。
Zの法則とは図のようにZの文字を描くように視線を移動させることです。
このように視線をコントロールすることで、会場全体に視線を向けることができ、全体を巻き込むことができるようになります。
センテンスの区切りで視線を移動させるようにするとよいでしょう。
質問は無理に答えなくてOK
英語プレゼンに苦手意識を持つ人は「すべての質問に回答しなければならない」と思っていることが多いようです。
しかし、質疑応答で出た質問のすべてに対し、無理に答えなくてもかまいません。
なぜなら全て答えようとすると無理が生じるからです。
日本語でも、難しい質問に即興で回答するのは困難です。英語の場合はなおさらです。
ただし、難しい回答がきたときに沈黙してしまうのはNGです。
自分が聞き手のときにプレゼン発表者が沈黙している姿を見たときを想像すればわかりますが、沈黙しているプレゼン発表者は聴衆の印象が悪くなります。
難しい質問や調べないとわからない質問には、素直にわからないと答えた方がよいです。
質疑応答で答えに詰まったときに使えるフレーズは、以下の記事を参考にしてみて下さい。
ご参考:【保存版】英語プレゼンの始め方から最後まで~厳選35の必須フレーズ~
コツを身に着け、英語プレゼンを成功させよう
この記事では英語プレゼンを成功させるための心得から、事前準備や当日のコツを紹介してきました。
コツを抑えれば英語プレゼンは心配いりません。
ぜひ、学んだ内容を実践してみて下さい。
英語プレゼンのスライド作成のやり方を知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
→英語プレゼンのスライド構成と書き方のコツ|パワポ(ppt)の例も紹介
ビジネス英語を身につけて成果を出したい方へ
英語プレゼンのコツを身につけるのは、ビジネス英語習得への第一歩。すぐに効果が出るテクニックです。
ただし、これだけではグローバルなビジネスで成果を出すのは難しいでしょう。なぜなら、ビジネスで成果を出すには議論や交渉を成功させることが必須だからです。
そのためには、本質的なビジネス英語力を身につけることが重要です。
とはいえ独学で本質的なビジネス英語力を身につけるのは簡単ではありません。プロから指導を受けるのが早道です。
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