
「仕事で英語のプレゼンをすることになった」
「プレゼンで話すのは何とかなるけれど、質疑応答が不安」
経験が少ないと、英語プレゼンを不安に感じる方も多いかと思います。
特に、質疑応答は用意したカンペで対応できないこともあるため、どのように答えればよいか不安を感じがちです。
私は、プレゼンがうまい人のやり方を真似たり、MBAで英語プレゼンの授業を受けたりしました。学んだことの実践を繰り返すうちに、コツをつかみ英語プレゼンが怖くなくなりました。
私の経験や学んだことを踏まえて、この記事では以下について説明します。
- 英語プレゼンの極意~5つのコツ~
- 事前練習3つのポイント
- プレゼン本番3つのポイント
この記事の目次
英語プレゼン5つのコツ|うまい人のやり方と心得
まず最初に、プレゼンは手段であって目的ではありません。
なぜなら、プレゼンの目的は一方的な情報提供ではなく、聴衆に何らかのアクションをとってもらうことだからです。
たとえば、製品紹介のプレゼンであれば、聴衆に製品を購入してもらう、興味がありそうな人に紹介してもらう、などのアクションをとってもらうことが目的です。
学会発表であれば、研究結果に対する議論、アドバイスをもらうのが目的になります。
そのため、プレゼンの場では一方的に原稿を読み上げるのではなく、聴衆とコミュニケーションが取れている状態が理想です。
私もかつてプレゼンのためのプレゼンをしてしまったことがあります。
聴衆のことを考えず、自己満足のプレゼンをしてしまいました。
その結果、話の内容は聞き手に伝わらず、プレゼンが終わった後、聴衆は「ポカーン」とした顔になっていました。
このように自分本位のプレゼンをしても、聴衆に伝わりません。
「聴衆とコミュニケーションをとる」と聞くと、非常に高いレベルを要求しているように感じるかもしれません。
しかし、以下の心得を意識するだけで、自然と聴衆とコミュニケーションがとれるようになります。
これらは、英語プレゼンがうまい人が無意識に実践しているコツです。
- 聞き手本位でプレゼンを行う
- 簡単、簡潔にする
- 具体的、明確にする
- 肯定的で力強く説明する
- 日本語は△、英語は▽
コツ1|聞き手本位で英語プレゼンを行う
聞き手本位はプレゼンする際に重要なポイントです。
なぜなら聞き手が理解しないとプレゼンをする意味がないからです。
具体的には以下を意識します。
- 誰に対してプレゼンをするのか
- 聞き手は、どの程度の前提知識を持っているのか
- 聞き手はこれから何を知る必要があるのか
- 聞き手はどのような順序で聞きたいのか
たとえば、学会など専門家が聴衆の場合は、詳細な前提知識の説明は不要で、技術的な内容をプレゼンすればよいでしょう。
一方で、顧客企業の経営層に技術内容をプレゼンする際は、相手は技術的な背景を知りません。
そのため、この技術や製品でどのようなメリットが得られるのか、そのメカニズムは何かなどを中心にプレゼンした方がよいです。
このように、相手のことを考えて聞き手本位でプレゼンすることは非常に重要です。
さらに詳しく知りたい方は、こちらの動画をどうぞ↓
英語プレゼンで、聞き手のことを意識する重要性がコンパクトにまとまっています。
ちなみにこの動画、EST onlineという実践的なビジネス英語を動画で学べるYoutubeチャンネル。プレゼンターは、東京オリンピック招致のスピーチプレゼンター育成も担当したニック・フォークナー氏。
日本人ビジネスパーソンがやってしまいがちな、英語の間違いを1~5分の動画で学べます。
通勤時間や昼休みなどのスキマ時間に見ると、実践的なビジネス英語が身につきます。
コツ2|英語プレゼンは簡単、簡潔にする
スライドの理想は「一目で見て、しかも誰からも誤解されない」ものです。
そのためには、以下の工夫が必要です。
- シンプルな構成を心がける
- 難しい言葉は避け、できるだけ簡単な言葉を使う
- 余計な情報を話したり、言葉足らずになったりするのを避ける
- 主語、述語をはっきりさせる
コツ3|具体的、明確にする
プレゼン内容は具体的かつ明確にします。
なぜなら聞き手にアイデアや概念を正しく理解してもらうためです。
たとえば、「この製品の売り上げは大きい」という表現は抽象的です。聞き手もぼんやりとしかイメージできず、さまざまな解釈が可能です。
一方で、「この製品の今年の売り上げは100億円です。2015年以降、毎年30%成長率で伸びています。」と話すと具体的かつ明確です。
プレゼン内容を具体的、明確にするには以下のポイントが重要です。
- 数字を入れる
- 固有名詞を入れる
- 図表を入れる
先ほどの例では数字を入れることで、具体的で明確になりました。
数字、固有名詞、図表を使うことを意識するだけで、プレゼン内容を具体的かつ明確にすることができます。
コツ4|肯定的で力強く説明する
プレゼンに説得力を持たせるには、自信あるようにふるまうことも重要です。
なぜなら、人は話し手に権威性を感じるほど説得力を感じるからです。
話し手が、檀上でふらふら動き小声でぼそぼそと話す姿を想像してみてください。
たとえ、話の内容が素晴らしくても説得力がないように感じるはずです。
反対に堂々と自信がありそうに話すと、聴衆は説得力があるように感じるのです。
また、ネガティブな表現を避けることも大事です。
なぜなら、ネガティブな表現を使うと、相手にネガティブな感情がインプットされてしまうからです。
その結果、プレゼンの後でアクションをとってもらいづらくなります。
以下に、ネガティブ表現のポジティブ表現への置き換えの例を示します。
- problem(問題)→challenge(課題)
- cost(コスト)→investment(投資)
- difficult(難しい)→challenging(やりがいのある)
このように肯定的で力強く説明することは重要です。
コツ5|日本語プレゼンは△、英語プレゼンは▽
日本語の話の展開は、最初に背景や理由を説明し、最後に結論を述べるのが一般的です。
「起承転結」はその代表例です。
一方、英語は最初に結論を述べ、そのあとに理由や根拠を示す話し方をします。
外山滋比古氏は、これをたとえて「日本語は△型、英語は▽型」と述べています。
下図のイメージです。
この違いを認識し、英語プレゼンの場合は結論を先に述べ、その後に理由や根拠を述べるスタイルにするとよいでしょう。
ここまで、英語プレゼンの心得を説明してきました。
次に、実際に英語プレゼンを準備する際にどのような構成にするか説明していきます。
英語プレゼン事前練習3つのポイント
ポイント1|発表練習は最低10回やる
ポイント2|他人に聞いてもらいフィードバックをもらう
ポイント3|想定質問と回答案を準備する
英語プレゼンの発表練習は最低10回やる
日本語のプレゼンでも、発表練習する方は多いと思います。
英語プレゼンの場合、より入念に練習をすべきです。
具体的には、発表練習は最低10回はやりましょう。口に出して練習をします。
なぜなら、プレゼン当日にできる限り原稿を見ずに話せるようにするためです。
原稿を見ずに話すと、自然と聴衆とコミュニケーションをとりやすくなります。
また10回程度練習すると、英語が口になじんできて、どこを強調して、どこで間を開ければよいかが感覚的にわかるようになってきます。
その結果、抑揚をつけて話せるようになり、相手に伝わりやすくなるのです。
もし、録音レコーダーがあれば、発表練習を録音し自分で聞いてみるとよいです。その理由は、録音した音声を聞くと客観的に評価できるようになるからです。
実際、私も英語プレゼンの前は10回程度練習をします。
特に聴衆が大勢いるときや、重要なプレゼンの前は入念に発表練習を行います。
英語プレゼンを他人に聞いてもらいフィードバックをもらう
一人で練習するだけでなく、他人に聞いてもらいフィードバックをもらえると、なおよいです。
理由は2つあります。
他人に聞いてもらうことで発表練習の臨場感が高まるから
一人だけで話すよりも他人に向けて説明するように話すと、発表当日のアイコンタクトの取り方、抑揚のつけかた、間の置き方などがイメージできるようになります。
自分では気づかない点にフィードバックを受けられるから
プレゼンのわかりづらいところ、伝わりづらいところは、自分では気づきにくいものです。
そのため、他人の客観的な視点で改善点のフィードバックを受けるのは効果的です。
実際、私も学会発表など重要なプレゼンの前には、同僚にプレゼンを聞いてもらいフィードバックを受けました。
そして、このプロセスを3回繰り返しプレゼンの完成度を高めました。
英語プレゼンの質疑応答も準備が命! 想定質問と回答案を準備する
想定質問をできる限り多く考え、回答案を準備しておくとよいでしょう。
なぜなら、プレゼンで一番困るのは質疑応答だからです。
日本語プレゼンの場合でも、想定質問と回答案を準備する人は多いかと思います。
英語プレゼンの場合は、より入念に準備しておくべきです。
質疑応答では以下のプロセスが必要となるからです。
- 相手が英語でする質問内容を理解する
- 質問への回答を日本語で考える
- 質問への回答を英語にする
- 英語で質問に回答する
特に当日の質疑応答の時間内で2、3のプロセスをこなすのは簡単ではありません。
ノンネイティブにとっては負荷が大きいです。
実際、私も重要な英語プレゼンの前は想定質問と回答案を書き出します。
同僚に協力をもらい、想定質問を挙げることもあります。
想定質問と回答案は、まず日本語で書き出します。
日本語で書き出す方が、脳のCPUを内容に割けるからです。
その後、余力のある範囲で、英語で回答する準備をします。
このように想定質問と回答案を準備しておくことで、当日に落ち着いて質疑応答に臨むことができるようになります。
ここまで、プレゼン準備のポイントを解説してきました。
つぎに、プレゼン本番で意識すべきことを説明していきます。
英語プレゼン本番を成功に導く3つのコツ
- 声の大きさと抑揚を意識する
- Zの法則で視線をコントロール
- 質疑応答は無理に答えようとしない
コツ1|声の大きさと抑揚を意識する
プレゼンの際、大きな声で抑揚をつけて話すことは重要です。
なぜなら、聴衆に話が伝わりやすくなるからです。
声の大きさは、自分の最大発声量の8割くらいの大きな声で話すとよいでしょう。
つまり、これ以上大声を出せないと感じる状態の8割の大きさを目安にします。
これはかなり大きな声と感じられるかもしれませんが重要なポイントです。
なぜなら、小さな声だと相手に聞き取りづらいからです。
また、小さな声で話すと自信がないように受け取られてしまいます。
つぎに抑揚を意識します。
抑揚のある話し方をすることにより、自然な英語に聞こえます。反対に抑揚ない話し方だと、英語らしく聞こえず伝わりづらいです。
たとえば、留学経験のある知人で、英語がペラペラなのにも関わらず、何を話しているか分かりづらい人がいました。私だけでなく、ネイティブも聞き取りづらく感じているようでした。理由は抑揚がない話し方をしていたためでした。
強調すべき箇所を強調せず、必要な間をとらずにペラペラ英語を話しても、英語のように聞こえないのです。
反対に、多少発音が悪くても、抑揚をつけて話すと自然な英語らしく聞こえ、聴衆も聞きやすくなります。
発表練習で身に着けた抑揚を思い出しながら話すとよいでしょう。
コツ2|Zの法則で視線をコントロール
プレゼン中に聴衆とのアイコンタクトを意識することは重要です。
聴衆の目を見ながら話すことで、聞き手は自分に話しかけているように感じるからです。
その結果、聴衆とコミュニケーションがとれるようになります。
少人数の場合は、相手の表情から反応を伺いながらプレゼンを進めます。
そうすることで、相手がどの程度興味を持っているかがわかるからです。
聴衆が大人数の場合はZの法則で視線をコントロールします。
Zの法則とは図のようにZの文字を描くように視線を移動させることです。
このように視線をコントロールすることで、会場全体に視線を向けることができ、全体を巻き込むことができるようになります。
センテンスの区切りで視線を移動させるようにするとよいでしょう。
コツ3|質疑応答は無理に答えようとしない
英語プレゼンに苦手意識を持つ人は、「全ての質問に回答しなければならない」と思っていることが多いようです。
しかし、質疑応答で出た質問のすべてに対し、無理に答えなくてもかまいません。
なぜなら全て答えようとすると無理が生じるからです。
日本語でも、難しい質問に即興で回答するのは困難です。英語の場合はなおさらです。
ただし、難しい回答がきたときに沈黙してしまうのはNGです。
自分が聞き手のときにプレゼン発表者が沈黙している姿を見たときを想像すればわかりますが、沈黙しているプレゼン発表者は聴衆の印象が悪くなります。
難しい質問や、調べないとわからない質問には、素直にわからないと答えた方がよいです。
質疑応答で答えに詰まったときに使えるフレーズは、以下の記事を参考にしてみて下さい。
ご参考:
コツを身に着け、英語プレゼンを成功させよう
この記事では英語プレゼンを成功させるための心得から、事前準備や当日のコツを紹介してきました。
ポイントを抑えれば、英語プレゼンを成功させやすくなります。
ぜひ、学んだ内容を実践してみて下さい。
プレゼン当日に使えるフレーズを知りたい方は以下の記事をどうぞ
英語プレゼンのスライド作成のやり方を知りたい方は、以下の記事がおすすめです。
→英語プレゼンのスライド構成と書き方のコツ|パワポ(ppt)の例も紹介
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