リスニング力アップに効果の高い英語学習法「ディクテーション」。
筆者も長年取り組んできて、効果を実感しています。
昔はノートとペンを使う方法しかありませんでしたが、今はスマホアプリでもディクテーションができるようになりました。
机に向かう時間が取れなくても、アプリなら手軽に利用できるので、忙しい社会人におすすめです。
この記事では、ディクテーションにおすすめのアプリや、アプリを効果的に使うコツを紹介します。
「ディクテーションを学習に取り入れてリスニング力を伸ばそうかな」と考えている人には、必ず役に立つので、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。
タップできる目次
アプリでディクテーションをするメリット・デメリット
「ディクテーションをアプリでやって、本当に効果が出るの?」と疑問に感じている人もいるかもしれません。
結論から言うと、アプリでも十分な効果が得られます。
とはいえ、紙とペンでやる場合とは少し違うところもあるので、メリットとデメリットを確認しておきましょう。
メリット
アプリでディクテーションに取り組むのには、2つのメリットがあります。
- 時間と場所にとらわれない
- 正確に答え合わせできる
時間と場所にとらわれない
アプリの最大の魅力は、いつでもどこでも勉強できる点です。
スマホさえあればいいので、外出先でのちょっとした空き時間にも学習できます。
通勤中や昼休みといった仕事の合間や、入浴中など手持ち無沙汰な時にもおすすめ。
正確に答え合わせできる
聞き取った後の答え合わせは、アプリのほうが正確にできます。
後半で詳しく解説しますが、ディクテーションでは復習が重要。
紙とペンで行う場合、答え合わせも目視なので、細かいミスを見落としてしまうことも。
アプリならその心配がなく、しっかり弱点を把握することができます。
デメリット
デメリットも挙げておきます。
- "勉強した実感"が薄い
- スペルを覚えにくい
"勉強した実感"が薄い
手書きだと手が疲れますし、ノートが文字でうまっていくので、「いっぱい勉強したな!」という達成感があります。
アプリは手軽に使える反面、紙とペンに比べると"勉強した実感"は薄いです。
ただ、それはアプリのほうが効率が良い証拠。
少ない労力でトレーニングができているということです。
どれだけ勉強したか可視化したい人は、「Studyplus」などを活用して学習記録をつけるのがおすすめです。
スペルを覚えにくい
アプリではあまり手を動かさないですし、スマホで予測変換が行われることもあるので、スペルは覚えにくいです。
英会話やTOEIC対策が目的なら、スペル暗記は優先度が低いので、あまり気にしなくてもいいでしょう。
【無料あり】ディクテーションにおすすめのアプリ3選
私が実際に使ったことがあるアプリとサイトの中から、ディクテーションにおすすめできるものを3つ紹介します。
スタディサプリENGLISH
最も使い勝手がよかったのは、アプリ「スタディサプリENGLISH」。
ストーリー仕立てのレッスンで総合的な学習ができるように設計されており、その中にセリフのディクテーションが含まれています。
ディクテーション単独だと、単調なトレーニングになって飽きてしまいがちですが、レッスンに組み込まれているおかげで楽しく続けることができました。
単語や内容理解のクイズもあるので、ディクテーションに限らず、ひとつのアプリでリスニング力を伸ばしたい人におすすめです。
私は「新日常英会話コース」を使っていましたが、「TOEIC®L&R TEST対策コース」「ビジネス英語コース」でも同じようにディクテーション機能を利用できます。
Duolingo
アプリ「Duolingo」では、ゲーム感覚で楽しくディクテーションに取り組めます。
1回数分で学習できるので、スキマ時間にサクッと使いたい人におすすめ。
ディクテーションの回答方法は、「キーボード入力」または「単語の並べ替え」を選べます。
スペルを全て入力するのは難しいという人も、並べ替えでハードルを下げてチャレンジできるので安心ですね。
TEDICT
「TEDICT」は、著名人のスピーチを集めた「TED」の動画でディクテーションができるアプリです。
私はもともと「TED」をリスニングのトレーニングに利用していたので、「TEDICT」を見つけた時はとても嬉しくなりました。
⇨ご参考:TEDが英語学習におすすめな理由|学習法のコツやレベル別の動画を紹介
やり方は、動画で使われている1フレーズの音声を聞いて、そのとおりにタイプするという流れ。
速度を変えたり、ヒントを表示したりする機能があるので、無理なくレベルアップできます。
ただし動画自体の内容がやや難しいので、初心者は他の教材でディクテーションに慣れてからのほうがいいかもしれません。
ディクテーションのやり方とアプリで取り組む注意点
ここからは、具体的なディクテーションのやり方を解説します。
ディクテーションは、正しい方法で行うことで効果がアップします。
注意点もあるので、実際に取り組む前にチェックしておきましょう。
基本のやり方
ディクテーションの基本的なやり方は次のとおり。
- 英語の音声を通して聞き、大まかな内容をつかむ。
- 1文ずつ音声を止め、聞こえたとおりに書き取る(入力する)。
- スクリプトや英語字幕を見て答え合わせをする。
- 知らない単語や文法を調べる。
- 完全に理解できたら、もう一度1〜3を行う。
紙とペンの場合も、アプリの場合も、基本は変わりません。
アプリによって使い方に差がありますが、「全体を聞いて、一文ずつ書き取って、答え合わせをする」という流れを頭に入れておけば大丈夫です。
この記事で紹介しきれなかったディクテーションの詳しいやり方については、以下の記事にまとめているので、参考にしてみてください。
⇨ご参考:英語のディクテーションで得られる3つの効果と正しいやり方
レベルに合った教材を選ぶ
ポイントは、自分のレベルに合った教材を選ぶこと。
簡単すぎるとトレーニングになりませんし、難しすぎるとやる気がなくなってしまいます。
学習効果が出やすいのは、現在の英語力より少し高いレベルの教材です。
一度全体を聞いてみて、「だいたい何を言いたいのかはわかるけど、細かい部分は聞き取れない」という印象ならOK。
「完全に聞き取れる。何回もこの音声を聞くのは退屈」と感じたら、もう少し難しい教材を探しましょう。
反対に「何の話かさっぱりわからない」という場合はレベルを下げてみてください。
速度を調整できるアプリの場合、0.75倍再生などスピードを遅くすると、ちょうどいい難易度になることもあります。
集中できる環境が大切
いつでもどこでも勉強できるのがアプリのメリットですが、ディクテーションの効果を発揮するためには、それなりに集中できる環境が大切です。
ディクテーションをやる時は、
- 音声を無理なく聞き取れる静かな場所
- 「聞き取り+入力」をセットで行える時間(最低3分)
を意識してみてください。
イヤホンをしていても周りの音が気になるくらい騒がしい場所は、ディクテーションに適しません。
また、「エスカレーターでの移動中」など極端に短い時間だと、音声を聞き終えることができず、トレーニングが細切れになってしまいます。
そういう時は、単語の暗記など、環境を気にしなくてもいい学習に切り替えましょう。
ディクテーションを効果的に使う3つのコツ
次に、アプリでのディクテーションを効果的に行うためのコツを3つ解説します。
復習がポイント
まず頭に入れておいてほしいのは、復習がポイントだということ。
「基本のやり方」のとおり、ディクテーションは1回聞いて終わりではありません。
しっかり答え合わせをすることで、自分が何を聞き取れなかったのか、どの単語を理解していないのかを把握し、弱点をつぶすことが重要になります。
反対に、復習をしないと、いつまで経っても苦手な音を聞き取れるようになりません。
どんどん新しい音声にチャレンジするよりも、ひとつの音声を徹底的に理解できるまで繰り返し聞いたほうが効果的です。
再生速度を調節する
「TEDICT」のように再生速度を調節する機能があれば、積極的に活用しましょう。
文法や単語は簡単でも、スピードが早すぎると、聞き取れない原因になります。
特に初心者のうちは、「全然聞き取れない......」とガッカリして挫折してしまうことも。
自信をつけるためにも、ゆっくりめから始めましょう。
難しいと感じる音声でも、少しずつスピードを上げていくと、だんだん聞き取れるようになりますよ。
音読とセットで行う
音読は、リスニングやスピーキングに高い効果を期待できる学習法です。
ディクテーションと同じ教材で行えるので、せっかくならセットで行いましょう。
ディクテーションで集中して音声を聞いた後は、正しい発音が頭に入っている状態。
そこで続けて音読を行うと、「先程まで繰り返し聞いていた正しい発音」と「自分の発音」の差がよくわかるので、音読の効果が高まります。
さらに、音読することで細かい部分まで注意が向くので、その後でもう一度音声を聞くと、最初よりも聞き取れるようになっているはず。
ディクテーションと音読を交互に行えば、効率的にリスニング力を向上させられます。
ディクテーションに関するよくある質問
最後に、ディクテーションに関してよくある質問をまとめました。
初心者にもディクテーションは意味がありますか?
ディクテーションは、初心者にこそ意味があるトレーニングです。
独学の初心者は、「どこがわからないのかわからない」という状態になりがち。
リスニングもなんとなく聞き流すだけで終えてしまい、「いつも英語を聞いているのに上達しない......」というケースがあります。
ディクテーションを行うことによって、聞き取れない部分を客観的かつ具体的にあぶり出すことができます。
短い文からで構わないので、ぜひ学習に取り入れてみてください。
ディクテーションは意味ないと聞くことがありますが、どうなのでしょう?
ディクテーション自体は意味がありますが、正しいやり方で取り組まないと効果を感じづらいです。
たとえば、音声を1回だけ聞いて、わかるところだけ書き取り、そのまま放置してしまう場合。
これでは、いつまでたっても正しい答えがわからず、同じミスを繰り返してしまいます。
「基本のやり方」を参考に、必ず答え合わせをし、音声を繰り返し聞くようにしましょう。
アプリとサイトのどちらがおすすめですか?
自分が続けやすいほうで構いません。
私のように在宅での仕事が多く、デスクで落ち着いて勉強するのが好きな人には、PCの大画面で見られるサイトがおすすめ。
さまざまな場所でサクッと勉強したい人には、外出先で使いやすいアプリのほうが向いています。
「Duolingo」はアプリとサイトの両方があり、アカウントを連携して使うことができますよ。
まとめ|アプリを使ってディクテーションをやってみよう
ディクテーションは、リスニング力を上げたいならぜひ取り入れてほしい学習法です。
もちろん紙とペンでやってもOKですが、「効率的に勉強したい」「無理なく続けたい」という人には、手軽なアプリの活用をおすすめします。
私も学生時代からディクテーションを行っていますが、最近はノートに書くことはほぼなく、もっぱらアプリとサイトを使うようになりました。
「今まで、準備がめんどうでディクテーションを避けてきた」という人も、ぜひアプリでディクテーションを試してみてくださいね。