「TEDはリスニング力アップに効果的」と聞いたことがありませんか?
実際、私もTEDをリスニング学習に活用しています。
しかし「TEDがおすすめ!」とだけ言われても、一体どのように学習に取り入れればいいのかわかりませんよね。
そこで今回は、
- TEDが英語学習におすすめな理由
- TEDを活用した英語学習法
- おすすめのTED動画(初心者向け・中上級者向け)
を解説していきます。
最後にTEDを見られるサイトやアプリも紹介しているので、TEDを使った英語学習が気になっている方はぜひチェックしてくださいね。
タップできる目次
TEDが英語学習におすすめな3つの理由
TEDはアメリカに本部を置く非営利団体で、「Technology Entertainment Design」の頭文字。
世界各国の著名人を招いて講演会を開催しており、過去には元米大統領ビル・クリントンや、アップル創業者スティーブ・ジョブズも登壇しました。
そのスピーチの多くを無料で視聴できるのが「TED Talks」というサービスです。英語学習の文脈で出てくる「TED」は、基本的に「TED Talks」のことを指します。
まずはTEDが英語学習におすすめな理由を解説しますね。
コンテンツが多彩だから飽きずに続けられる
英語学習の要は「継続」。つまり飽きずに続けられるかどうかがポイントになりますが、その点でTEDほど優秀な教材はありません。
TEDには3,000本を超える講演が公開されており、順次追加されています。
毎日1本新しい動画を見たとしても、全部見るまでに8年以上かかりますから、飽きることがないんです。
- テクノロジー
- 政治
- アート
- 心理学
などジャンルが多岐にわたっているので、誰でも興味のある動画を見つけることができます。
自分があまり詳しくないジャンルの動画を視聴すると、知識の幅が広がるのも嬉しいですね。
各分野トップクラスのスピーカーが集められているので、どの講演内容もクオリティが高く、聞くだけで勉強になります。
スクリプトや日本語字幕を表示できる
リスニング力をアップさせるには、ひたすら英語を聞き流すだけでなく、きちんと聞き取れたかどうか答え合わせをする必要があります。
なぜなら、答え合わせをしないと、いつまで経っても聞いた音声と英語の文字がリンクしないからです。
そのためには英語のスクリプトが欠かせません。
また、日本語訳があれば、内容を間違って理解するおそれが低くなります。
全てではありませんが、TEDの動画はスクリプトも日本語字幕も表示できるので、学習がしやすいのです。
世界各国の話者の英語を聞ける
アメリカ以外の英語が聞けるのもTEDの特徴のひとつ。
日本の学校教育ではアメリカ英語が基本なので、他の地域の英語を聞く機会は少ないですよね。
ですが実際にビジネスや海外旅行で英語を話す時は、アメリカ人以外が相手ということもあります。
TOEICのリスニングで流れるのも、アメリカ、カナダ、イギリス、オーストラリアの4カ国の英語。
なのでアメリカ以外の英語にも親しんでおくことは、実用的な英語を身につけるためにとても大切なのです。
TEDはさまざまな分野の著名人や専門家を世界中から招いているため、アメリカ以外のネイティブ英語を聞くことができます。
TEDで色々な英語に耳を慣らしておけば、実際にアメリカ以外の英語ネイティブと話す時にも、落ち着いて対応できるようになりますよ。
TEDを活用した英語学習法3つのステップ
TEDを活用して英語を学習する際の具体的な流れを、3ステップで説明しますね。
「何から手を付ければいいかわからない」という人は、ひとまずこのとおりトライしてみてください。
日本語字幕で見て内容を理解する
まず日本語字幕をONにしてひととおり視聴します。
この段階では、それほど英語の音声は気にせず、字幕で内容を理解して楽しめればOK。
リスニングのトレーニングのためには何度も同じ動画を見たほうがいいので、ここであまり内容に興味が持てなかったら、他の動画を探すことをおすすめします。
なお、リスニングに自信のある上級者は、最初のステップは飛ばしても構いません。
字幕なしで聞き取りに集中する
次に字幕をOFFにして、同じ動画を再度見ます。
今度は英語を聞き取ることに集中しましょう。
1回目で話の流れを把握しているので、スピードが速くてもある程度は単語が拾えるはずです。
話者の口の動きや身振りなども見ながら、「英語で話すとはどういうことか」を体感してください。
スクリプトで英語を確認する
仕上げにスクリプトを見て英語を細かく確認していきます。
音声を聞きながらスクリプトを目で追い、わからない単語や表現があったら都度調べましょう。
文の意味がわからなくなったら、日本語字幕を表示して参考にしても大丈夫。
とにかく、わからない部分がなくなるまで徹底的に精読することが大切です。
この作業は時間がかかるので、初心者は尺が短めの動画を選んでやり通すことをおすすめします。
初心者におすすめのTED動画3選
TEDにはたくさんの動画があるので、どれを見ればいいのか迷ってしまいますよね。
中には英語の難易度が高いものもあるので、初心者は以下のポイントに注意して選ぶといいですよ。
- 尺が短め(最長10分まで)
- 専門的ではなく誰でも理解できる内容
- 教科書に近いアメリカ英語が使われている
初心者向けの動画を3つ紹介します。
サラ・ストラウド:「倫理的ジレンマ:あなたならウソをつく?」
タイトル:Ethical dilemma|Would you lie?(あなたならウソをつく?)
TEDはスピーチ動画がメインですが、子どもでも見られるようなアニメーションも公開されています。
イラストがあると内容が頭に入ってきやすいので、初心者はアニメーションから取り組むと挫折しにくいですよ。
「あなたはウソをつきますか?」は、友人同士のデートをセッティングした主人公が、男性側の遅刻癖を隠しておくべきか悩んでいるという設定です。
身近なテーマですし、視聴者に問いかける形で話が進むので、それほど集中して見なくても内容を理解することができます。
他にも「警察と結婚相手のどちらを信じるか?」「5人のために1人を犠牲にするか?」など倫理的なテーマのアニメ動画があるので、視聴しながら自分でも考えてみると楽しめます。
シャオラン・シュエ:「漢字の読み方はこんなに簡単!」
タイトル:Learn to read Chinese ... with ease!
台湾育ちの登壇者が、漢字の成り立ちと覚え方を伝えるスピーチです。
この登壇者ははっきりゆっくり話しており、使われている英語も平易なので、スクリプトを見なくてもほぼ聞き取れるでしょう。
内容もシンプルながら興味深いです。日本人にとっては身近な漢字ですが、改めて解説を受け、「よくできているな」と感心しました。
外国人と話す時のネタとしても使える内容なので、セリフをシャドーイングして暗記するのもおすすめです。
マット・カッツ:「30日間チャレンジ」
タイトル:Try something new for 30 days
「興味のあることを、まずは30日間続けてみよう」と提案し、実際に自分でやってみた結果を報告するスピーチ。
約3分と短いですが、新しいことにチャレンジする勇気を与えてくれます。
TEDを活用した英語学習法では、最低3回は同じ動画を視聴することになります。
繰り返し聞くのであれば、できるだけポジティブな内容のほうが、モチベーションアップにつながりますよね。
「30日間チャレンジ」は聞くたびにやる気をもらえるので、私は毎日がマンネリ化していると感じたら聞くようにしています。
中上級者におすすめのTED動画3選
中上級者は、基本的に興味のある動画ならどれでもOK。
ただし、日本語字幕がある動画のほうが細かい部分まで理解しやすいので、あらかじめ日本語字幕を表示できるかチェックしておきましょう。
慣れてきたら英語圏以外の登壇者を選び、訛りのある英語にチャレンジしてみてもいいですね。
ここでは、中上級者向けの動画を3つ紹介します。
ニール・ハービソン:「僕は色を聴いている」
タイトル:I listen to color
私が一番好きなTEDの動画です。
先天的に色覚異常を持っている登壇者が、色を感知する電子機器を頭につなぎ、色の音を聴く方法を実演しながら話します。
ナチュラルスピードですが、発音が明快でボディーランゲージも豊富なので、一度内容を理解すれば字幕なしでも楽しめるでしょう。
「サイボーグ化することで感覚を拡張できる」という斬新な主張がわかりやすく語られており、英語を学べるだけでなく、新しい世界を垣間見ることができますよ。
マイケル・ノートン「幸せを買う方法」
タイトル:How to buy happiness
興味深いタイトルのとおり、「幸せはお金で買える」という主張が繰り広げられます。
「自分のためではなく他人のためにお金を使うと幸せを感じる」というデータが紹介されており、お金の使い方について考えさせられるスピーチです。
かなり早口ではあるものの、難しい表現はあまり出てこないので、耳が慣れてくれば聞き取れると思います。
深いテーマですが、ユーモアもたっぷりに語られているので観覧席からは笑い声が絶えません。
相手を飽きさせない話し方の参考にもなるので、繰り返し視聴することをおすすめします。
トム・ウージェック:「厄介な問題を解決したい? ではトーストの作り方を説明してください」
タイトル:Got a wicked problem? First, tell me how you make toast
この動画は仕事に役立つのでビジネスパーソンにおすすめ。
アイディアの視覚化によって問題を解決するヒントが解説されています。
「トーストの焼き方を図解してください」というゲームのような取り組みから始まり、問題解決の本質に迫っていく、実用的でエキサイティングな内容です。
堅い単語も使われており、話すスピードも速めなので、中上級者でもやや難しく感じるかもしれません。
再生スピードを落としたり、スクリプトで知らない単語を調べたりしながら、じっくり取り組んでみてください。
TEDが見られるサイトやアプリ
TEDを使ったことのない人は、「ところでTEDってどうやって見るの?」と疑問に思いますよね。
最後にTEDの視聴方法を簡単に紹介します。
TEDのウェブサイト
まずはウェブサイトで見る方法です。
「TED Talks」にアクセスすると動画の一覧が表示されるので、気になるものをクリックして視聴しましょう。
上部の検索バーで、Topics「テーマ」、Languages「言語」、Duration「尺(動画の長さ)」を指定して検索することもできます。
- Languages:「日本語」
- Duration:「0-6 minutes」
に設定すれば、日本語訳のある短めの動画が出てきますよ。
再生画面では、動画右下の吹き出しのようなマークで字幕の言語を選べます。
ここに「日本語 Japanese」が表示されない場合、その動画には日本字幕が用意されていないということなので注意しましょう。
吹き出しの隣の歯車マークでは再生スピードを調整できます。
Normalで少し再生してみて「速すぎる」と感じたら、0.75倍速に落として聞いてみてください。
また、動画右下にある「Read transcript」をクリックすると、画面右にスクリプトが表示されます。
TED公式アプリ
スマホのアプリ版もあります。
動画はダウンロード可能なので、Wi-Fi環境でダウンロードしておけば、オフラインでも視聴できるのが嬉しいですね。
ダウンロードは動画下の「↓」マークからできます。
基本的な使い方は同じですが、スクリプトは表示できません。英語を確認したい時は、画面右上の吹き出しマークで「英語」を選択し、英語字幕で見てください。
TVにアプリをダウンロード
大画面で見たい場合は、TVにTEDの公式アプリをダウンロードするという方法があります。
Amazon fire stickやChromecastに対応しており、無料ダウンロードすればPCと同じように字幕付きで視聴できるようになりますよ。
通勤前や就寝前のリラックスタイムなど、テレビ番組の代わりにTEDを見る習慣をつければ、着実に英語力を伸ばせます。
まとめ|TEDで楽しみながら英語学習をしよう
TEDはリスニング学習に役立つだけでなく、新しい知識を得ることもできるので、楽しみながら勉強したい人に強くおすすめします。
無料でいくらでも視聴できるので、使わないともったいないですよ。
まずは日本語字幕付きで構わないので、気楽に見てみましょう。
最初は「聞き取れない!難しすぎる!」と感じるかもしれませんが、繰り返し視聴していれば、少しずつ英語が聞き取れるようになっていきます。
この記事で紹介したように、スクリプトや字幕を参考にしながら、英語学習に活用してみてくださいね。