英語のリスニングって難しいですよね。
日本語とあまりに違うので、筆者も初心者の頃は「頑張っても聞き取れるようになる気がしない......」と途方に暮れていました。
でも、ポイントを押さえて学習した結果、今では英語のニュースや映画も聞き取れるようになりました。
とは言っても特別な訓練を受けたわけではなく、すべて独学でできる勉強をやっただけです。
英語初心者でも、コツさえつかめば誰でも英語が聞き取れるようになります。
「え?どういうこと?」と思う人もいるかもしれませんが安心してください。この記事で具体的に解説します。
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リスニング初心者が英語を聞き取れない3つの原因
初心者が英語を聞き取れない理由を一言にまとめると、「英語の音声を言語として認識できていないから」です。
言い換えれば、「聞こえてくる音」が「意味のある言葉」だと分からないということ。
たとえば街を歩いていて、ラオス語のアナウンスが流れてきたとします。ほとんどの日本人は、アナウンスだということすら気づかず、雑音としてスルーしてしまいますよね。
反対に、ラオスを観光していて、日本語が聞こえてきたらどうでしょう? 雑踏の中でも、「あっ、日本語だ!」と聞き分けられるのではないでしょうか。
つまり、言葉を聞き取るためには「いま耳に入ってきた音は、意味のある言語だ」と脳に認識させることが必要なのです。
英語を聞き取れないということは、英語を意味がある言葉と認識できていないということ。
このことを踏まえて、なぜ初心者には聞き取れないのか、原因を見ていきましょう。
原因1|語彙力が足りない
大きな原因のひとつは、語彙力が圧倒的に足りないことです。
たとえば “Thank you.” と言われたら聞き取れますよね。「サンキュー」は日本でも日常会話で使われていて、誰でも意味を知っているからです。
でも “I appreciate it.” だとどうでしょうか?
短い文なので、“appreciate (感謝する)” という単語さえ知っていれば意味がわかります。ところが、この単語を知らなかったら、全く聞き取れません。
単語やイディオムをたくさん知っていればいるほど、リスニングは楽になります。
基礎的な単語だけでもいいので、コツコツ暗記することが、リスニング上達の近道です。
原因2|正しい発音を理解していない
「語彙を増やす努力をしているのに、聞き取れるようにならない」という時はどうしたらいいのでしょうか?
実際、読み書きはできるのに、リスニングが苦手という人も多いですよね。
それは正しい英語の発音を理解していないことが原因です。
“apple” はカタカナだと「アップル」と表記されますが、実際は「アポー」のように発音されます。さらに、「ア」は日本語の「あ」よりも口を大きくあけて出す「ア」と「エ」の中間のような音です。
カタカナ読みの「アップル」で暗記していると、英語で “apple” と言われても、音が違いすぎて聞き取れません。
カタカナは便利ですが、リスニング力を鍛えたいなら使わないようにしましょう。
最初は難しく感じるかもしれませんが、英語の正しい発音を覚えることが、リスニング上達のコツです。
原因3|完璧に聞き取ろうとする
「基本的な語彙を身につけたし、カタカナ読みもしていない。でも聞き取れません」という人は、完璧主義に陥っていませんか?
リスニングをしていて、聞き取れない箇所があったとします。
「あれ、今なんて言ったんだろう......」と考えていると、音声はどんどん先に進んでいってしまいます。結局そのあとの話が全部わからなくなってしまいます。
英語のニュースや海外ドラマのセリフを一語一句もらさず聞き取るのは、上級者でも難しいです。ましてや初心者には無理なので完璧を目指す必要はありません。
実は日本語で会話していても、部分的に聞き取れないことはありますよね。それでも前後の聞き取れた内容から推測すれば、全体の意味はわかります。
英語でもわからないところにこだわらず、ひとつでも多く単語を拾えるよう、集中することが大切。
まずは大まかな意味を把握することを心がけ、細かい部分は後で復習するのがおすすめです。
英語リスニング初心者の独学におすすめ!3つの勉強法
ここからは、具体的なリスニングの勉強法を3つご紹介します。
初心者でも独学ですぐに試せるものばかりなので、ぜひ参考にしてくださいね。
単語と発音をセットで覚える
いくら語彙を増やしても、単語と正しい発音が結びついていないと、聞き取ることはできません。
「文字で見ればわかるけど、音で聞いてもわからない」という事態に陥らないためには、単語と発音をセットで覚えることが必要です。
「え......、なんかめんどくさそう」と思うかもしれませんが、難しいことはありません。“apple=りんご” と暗記する時、スペルと意味だけではなく、正しい発音も併せて覚えればいいんです。
音声ダウンロード付きの単語集もたくさん販売されていますし、インターネットで検索すれば発音を聞くことができます。
たとえばweblioでは、「発音を聞く」のアイコンから単語や例文が再生できますよ。
音声を聞くだけでなく、自分で真似して発音してみるのもおすすめ。何度も聞いて、声に出して、正しい発音を体に覚えさせましょう。
英語の歌を覚える
とはいえ、ひとつひとつ発音を覚えようとすると、退屈で挫折してしまうかもしれません。
そんな時は、英語の歌を教材にしてみましょう。
英語の歌を覚えるメリットは、語彙を増やせるだけでなく、英語の音の変化や、リズムやイントネーションを自然と身に付けられることです。
筆者は学生時代、Carpenters(カーペンターズ)の “Top of The World” を覚えました。
この歌のサビの一部を見てみましょう。
I’m on the top of the world lookin’ down on creation
and the only explanation I can find......
ここだけでも、“creation (創造物、森羅万象)” や “explanation (説明)” の単語が覚えられます。
また、次のような「英語ならでは」の音の変化も入っています。
- 音がつながる部分:“I’m on (アイモン)”、“top of (トッポブ)”
- 末尾の音が落ちる部分:“lookin(g) (ルッキン)”、“and the (アンディ)”
さらに、日本語とは違う英語のリズム感に慣れることができます。
日本語の発音が平坦なのに対し、英語は強弱のアクセントが重要。繰り返し英語の歌を聴いて、楽しくリズムを身につけましょう。
ディクテーション(書き取り)
英語を正しく聞き取るためには、ディクテーションが有効です。
完璧主義も良くないですが、「なんとなくわかったつもり」で進んでしまうのも良くありません。間違いに気づかないまま記憶に定着してしまうと、訂正が難しいからです。
※間違いが定着してしまう現象を、専門用語で「化石化」と呼びます。
そこで、正しく聞き取れているのかテストするために、ディクテーションに挑戦してみてください。やり方は簡単で、聞いた英文をそのまま書けばOK。
長い文章だと書くのが追いつかないので、短い文で構いません。もしくは、少しずつ区切ったり、穴埋め形式にしたりしてもいいですね。
ディクテーションの答え合わせをすると、わからなかった単語や、聞き落としていた前置詞などを確認できます。
それを繰り返すと、だんだん細かい部分まで聞き取れるようになりますよ。
ディクテーションのやり方については「英語ディクテーションの正しいやり方|効果的な学習法を紹介」に詳しく解説をしたので、参考にしてみてください。
英語初心者におすすめのリスニング教材とアプリ
「勉強法はわかったけど、どこから手をつければいいかわらない......」という人のために、初心者におすすめのリスニング教材をご紹介します。
最近は無料で使える教材もたくさん出ているので、いろいろ試してみて、自分に合うものを見つけてくださいね。
英単語アプリ mikan(アプリ)
語彙力を鍛えるには、「英単語アプリ mikan」がおすすめ。
目的に合わせて単語クイズが出題され、ゲーム感覚で学習できるアプリです。
約10万語の単語には音声も収録されており、文字と発音をリンクさせながら単語を覚えることができます。
自動で学習データが記録され、総学習時間や覚えた単語数を見ることができるので、達成感があります。
無料ですしスキマ時間に手軽に使えるので、ダウンロードしておくと便利ですよ。
サマー先生と英会話!(YouTube)
※カタカナ英語の落とし穴 ①・余分な母音「アイウエオ」《サマー先生の英語発音講座#36》
YouTubeではネイティブの生の声を聞くことができるので、ぜひ活用しましょう。
「サマー先生と英会話!」は、スタンフォード大学大学院で言語学を研究しているアメリカ人、サマー先生が日本語で英語の解説をしているチャンネル。
特に発音を重点的に扱っており、上に貼った動画では、正しい英語の発音とカタカナ読みの違いがわかりやすく説明されています。
日本人がつまずきやすいポイントが押さえられていて、「なるほど!」と納得することばかりです。
他にも「なりきり英語音読」や「ネイティブスピードのリスニングチャレンジ」など、英語学習に役に立つコンテンツが豊富。
サマー先生は英語もゆっくりはっきり話してくれるので、初心者も安心ですよ。
スタディサプリ ENGLISH(アプリ、サイト)
リスニングを含む総合的な英会話力を伸ばしたいなら、「スタディサプリENGLISH」がおすすめ。
目的別に3つのコースが選べますが、初心者には「新日常英会話コース」が向いています。
このアプリ(サイト)のいいところは、気軽にディクテーション練習ができるところ。
穴埋めのクイズが出題され、聞こえた会話文を打ち込む形式になっています。
ノートとペンでディクテーションをしていると、答え合わせの時に細かいミスを見落としてしまったりするんですよね。
それに移動中のスキマ時間などに取り組みたい場合、ノートやペンを出してディクテーションをするのは難しいですよね。
その点、アプリなら自動で正誤判定をしてくれますし、スマホ一つでディクテーションに取り組めるので、楽だし確実です。
まとめ|リスニング初心者でも英語を聞き取れる
英語の勉強を始めたばかりの頃は、リスニングはとても難しく感じると思います。
でも、正しい方法で学習を続ければ、だんだん耳が慣れてきて、必ず聞き取れるようになりますよ。
英語が聞き取れない原因と上達のコツを理解したうえで、次の3つの勉強法を試してみてください。
- 単語と発音をセットで覚える
- 英語の歌を覚える
- ディクテーション
筆者がいろいろな勉強法を試した中で、実際に効果があった方法なので、自信をもっておすすめします。
英語の聞き取りは一朝一夕で上達するものではないので、最初のうちは上達が実感できず、焦ることもあるかもしれません。
けれどコツコツ続ければ成果が出るので、頑張って続けてみてくださいね。