「日常会話レベル」とは一体どのくらいの英語力のことなのでしょうか?
「日常」は人によって違うので、定義が曖昧ですよね。
そこで今回は、筆者の経験も踏まえて、一般的な「日常会話レベル」の目安と、日常英会話を身につけるためのポイントや勉強法を解説します。
この記事を読めば、日常会話レベルの具体的なイメージや、日常会話レベルの英語力を身につける方法がわかるはずです。
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日常会話レベルの英語力とは?英語力の目安を解説
英語に限らず「こうなりたい!」という姿を具体的にイメージできないと、どうやったら目標に近づけるのかわかりません。
効率的に勉強するためにも、「日常会話レベルの英語力」について具体的に整理しておきましょう。
- TOEICスコアに置き換える
- 必要な単語数は3,000語
- 海外旅行に支障がないレベル
TOEICスコアに置き換える
「日常会話レベル」は、TOEICスコアでいうと何点程度でしょうか?
TOEICを実施しているIIBCの「TOEIC®スコアとコミュニケーション能力レベルとの相関表」を見てみましょう。
このあたりが一般的な「日常会話レベル」と言えそうです。
ただし同じCレベルでも、500点の人と700点の人ではかなり英語力に差があります。
あくまで目安として、「470点以上が取れれば、最低限の日常会話はできるレベル」ととらえましょう。
必要な単語数は3,000語
日常生活で使われる英単語は、おおむね2,000〜3,000語です。
専門家がまとめたNew General Service List(NGSL)という単語集の2,800語で、一般的な英文の92%をカバーできると言われています。
学習指導要領が改定される2021年以前は、中学・高校で学ぶ英単語数は合計3,000語でした。
つまり教科書に載っている単語がしっかり頭に入っていれば、日常会話には十分ということです。
しかし、人によって日常生活に必要な単語は違います。
私は美術館巡りが趣味ですが、アート関係でよく使うtableau(平面画)やpigment(顔料)などの語は、大半の人の日常生活では出てきません。
なので、「自分が日常で使う言葉を英語で言える」というのを、日常会話レベルの目安と考えるといいですよ。
海外旅行に支障がないレベル
私の体感としては、「日常会話レベル=海外旅行に支障がないレベル」ではないかと思います。
ツアーではない個人旅行で英語圏の国に行っても、特に困らない英語力ということです。
具体的には、
- 挨拶
- ホテルのチェックイン、チェックアウト
- 飲食店での注文
- 観光施設のチケットを買う
- 道を尋ねる
- トイレを使わせてもらう
- 試着をする
これくらいのことが通訳ナシでできれば、英語で日常生活が送れるのではないでしょうか。
「日常会話なら外国人とジョークをまじえて雑談できるのでは?」と思うかもしれませんが、これは上級者でも難しいです。
まずは上記のことをクリアしてから、少しずつステップアップしていきましょう。
初心者がやりがちなNGな英会話勉強法
ここからは、「具体的にどうすれば、日常会話レベルの英語力が身につくのか」を解説します。
まずは、初心者にあまりオススメできない学習法を紹介します。
もし次の勉強法をやっているとしたら、見直したほうがいいかもしれません。
- 英語を聞き流す
- オンライン英会話レッスンのみ
- 短期留学
英語を聞き流す
「聞き流すだけで英語力がアップする!」というような広告を見たことがありませんか?
英語をたくさん聞くこと自体は、英語の上達に効果的です。
しかし、「ただ英語音声を流しっぱなしにするだけ」はNG。
それだと、英語音声はBGMや雑音と同じように脳に処理されてしまうので、何も身につきません。
英語を聞く時は意識を集中して、
- どういう意味か?
- どう発音しているか?
など、頭をフル回転させましょう。
そうすれば3分程度の短時間であっても、ダラダラ1時間聞き流すより高い効果が期待できます。
聞いたとおりに書き起こすディクテーションや、音声を繰り返すシャドーイングなどのトレーニングもおすすめです。
オンライン英会話レッスンのみ
ネイティブとの英会話をする手軽な手段として、オンライン英会話があります。
私もいくつかのサービスを利用して、英会話上達に効果的でコスパの良い学習法だと感じました。
ですが、ひとつ注意してほしい点があります。
オンライン英会話レッスンを受けただけで「すごく勉強した気分」になってしまうことです。
初心者がオンライン英会話のみに頼ると、なかなか英語力が上がりません。
プロの講師がレッスンを進めてくれるので、気をつけないと受け身になってしまうからです。
「レッスンを受けて終わり」ではなく、予習・復習を徹底し、レッスンとは別に単語の暗記や文法学習を行うことが大切です。
⇨ご参考:オンライン英会話は効果なし!おすすめしない7つの理由を解説
短期留学
「とりあえず海外に住めば、自然に英語が話せるようになる」
このように夢見る人もいますが、これは間違いです。
周りが英語を話している環境であっても、何の努力もしなければ英会話は身につきません。
それでも何年、何十年と暮らしていれば、日常会話くらいはできるかもしれません。
ですが数週間程度の短期留学だと、相当頑張らないかぎり、成果を出すのは難しいです。
私はマルタに2週間留学したことがありますが、本当にあっという間でした。
他の日本人学生と遊んだり、周辺を観光したりしているうちに、気づいたら帰国日です。
もちろん良い経験にはなったものの、英語力が伸びたかというと微妙でした。
短期留学をするなら、
- 事前にたくさん勉強して、現地で英会話を実践する
- 英会話上達は考えず、海外での体験を楽しむ
のいずれかを目的にするのがおすすめです。
初心者が日常会話の英語を身につける3つのポイント
日常会話レベルの英語力を身につけたいなら、次の3つのポイントを意識しましょう。
- インプットの重要性を理解する
- 学習をコツコツ続ける
- 失敗を怖がらない
ひとつずつ説明します。
インプットの重要性を理解する
学習には、大きく分けてインプットとアウトプットがあります。
- インプット:知識を頭に入れること(単語の暗記、文法の勉強など)
- アウトプット:覚えた知識を使うこと(作文、英会話など)
英会話はアウトプットなので、「日常会話」を目標にすると、アウトプットを重視しがちです。
でも、インプットをしっかりやらないと、アウトプットする知識が足りなくなってしまいます。
インプットは基本的に暗記なので、「やりたくない!」と思うかもしれませんが、英語の上達には避けて通れません。
重要性を理解して、意識的にインプットを行うようにしましょう。
失敗を怖がらない
失敗を恐れず、どんどん英語を使ってみることも大切です。
初心者のうちは自信が持てないので、人前で英語を話すのは勇気が要りますよね。
私も、
- 英語を話すチャンスがほしい
- でもミスしたら恥ずかしいから、なるべく話したくない......
という矛盾した気持ちを抱えていました。
しかし初心者が英語を間違えるのは当たり前です。
上級者やネイティブも、最初から完璧な英語を話していたわけではありません。
たくさん失敗をして、恥ずかしい思いもして、「次は間違えないようにしよう!」と頑張って勉強することで、英語力が上がっていくのです。
学習を継続する
「今すぐに高い英語力がほしい!」
そう思うかもしれませんが、残念ながら特効薬はありません。
英語学習に最も大切なのは「継続」です。
ポイントは、一気に自分を追い込まないこと。
一夜漬けで試験に失敗した経験を持つ人も多いのではないでしょうか?
人間の脳には「忘れる」という機能がありますから、一晩では記憶に定着しません。
月に一度だけ10時間勉強するより、毎日10分勉強したほうが効果的です。
無理のない範囲で、学習をコツコツ続けていきましょう。
初心者が日常会話レベルに英語力を伸ばす3つの勉強法
英語学習に近道はありませんが、なるべく効率的に勉強したいですよね。
「手っ取り早く日常会話レベルの英語力を身につけたい!」という初心者におすすめの勉強法を3つ紹介します。
- フレーズを丸暗記する
- アプリで会話練習
- 海外ドラマを観る
フレーズを丸暗記する
前半で「日常会話に必要な単語数は3,000語」とお伝えしましたが、単語だけ並べても会話にはなりません。
かといって、初心者がゼロから英作文をするのは大変です。
なので、日常会話でよく使うフレーズを丸暗記してしまいましょう。
たとえば、
I can’t come up with any ideas for what to eat today.
(今日は献立がまった浮かばない。)
この一文には、
- I can’t…(…できない)
- not any…(…はひとつもない)
- come up with…(…を思いつく)
- what to+動詞の原形(...すべきもの)
など、さまざまな表現が含まれています。
ひとつひとつ分解すると複雑に感じますが、丸暗記ならできそうだと思いませんか?
ちなみに上の例文は、私が愛用している『起きてから寝るまで英語表現1000』という書籍シリーズに載っていました。
教科書には載っていないような日常表現がたくさん学べて、初心者でも使いやすい教材です。
アプリで会話練習
最初のうちの学習は、インプットを重視したほうがいいとお伝えしました。
ですが、ある程度インプットをしたら、覚えた表現を実際に使ってみるアウトプットも必要です。
とはいえ、いきなり外国人と会話するのはハードルが高いので、まずアプリで会話練習することをおすすめします。
私はAI英会話アプリ「スピークバディ」を使っていました。
会話の相手がAIキャラクターですし、話すセリフもほぼ決まっているので、ネイティブ講師の英会話レッスンよりハードルが低くなっています。
個人的に最も効果を実感できたのは、「スピークバディで練習した表現を、オンライン英会話で使ってみる」というサイクルです。
「スタディサプリENGLISH」や「レシピー」もスピーキング練習がしやすいアプリなので、色々試して、自分に合ったものを見つけてください。
海外ドラマを観る
日常会話で使われるくだけた表現を学びたいなら、海外ドラマがおすすめです。
私は学生時代に『フレンズ』が大好きで、セリフを覚えたりしていました。
- 英語音声+日本語字幕でドラマを楽しむ
- 英語音声+英語字幕でセリフを確認する
- 気になるセリフを暗記したり、単語を調べたりする
という流れで学習に活用すると、無理なく英語力をアップさせることができますよ。
好きなジャンルを選んで構いませんが、日常会話に役立つという意味では、『セックス・アンド・ザ・シティ』や『THIS IS US / ディス・イズ・アス 36歳、これから』など、日常的なシーンの多いドラマが参考になります。
「英語の日常会話」に関するよくある質問
最後に、よくある質問をまとめました。
日常会話レベルの英語を身につけるまでの勉強時間を知りたいです
現在の英語力によりますが、初心者の場合、500時間程度あれば、最低限の日常会話はマスターできます。
仕事をしながら英会話を勉強するなら、1〜2年の長期的なスパンで学習計画を立てましょう。
日常会話レベルの英語力は就職や転職に役立ちますか?
同僚や取引先に英語を話す人がいる場合、コミュニケーションには役立ちます。
ですが日常会話レベルの英語力を持つ人はたくさんいるので、就職や転職で有利になるかというと、それほどでもありません。
また、日本語でも同じですが、ビジネスで使われる英語は、日常会話とは異なります。
英語力を武器にして就職活動や転職活動を行うなら、もう一歩高いレベルの英語力が必要です。
⇨ご参考:ビジネスレベルの英語力を詳細に解説|TOEICの目安と最短で習得する方法
履歴書に日常会話レベルの英語力を書くことはできますか?
TOEICスコアで考えると、履歴書に書く意味があるのは600点程度からです。
日常会話レベルは470〜729点ですが、正直なところ、600点以下だと就職や転職では評価されにくいかもしれません。
履歴書で英語力をアピールしたいなら、まずはTOEIC600点を目指しましょう。
⇨ご参考:【完全解説】初心者が最短でTOEIC600点を取る勉強法|レベルと難易度も紹介
まとめ|英会話を身につけて人生の幅を広げよう
身につけたい「日常会話レベルの英語力」は、具体的にイメージできましたか?
私は日常会話を身につけたおかげで、海外旅行をより自由に楽しんだり、外国人に自分から話しかけたりできるようになり、自信がつきました。
もちろん継続的な学習は必要ですが、初心者でも十分に到達できるレベルなので、ぜひ頑張ってみてくださいね。
もし、短期間で英会話を身につけたいのであれば、マンツーマンで指導してもらえる英語コーチングがおすすめ。一人ひとりに合わせたカリキュラムを作ってくれるので、独学よりも効率よく英会話を身につけられます。
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