- 相手が言っていることが分からないまま、ディスカッションが終わってしまい悔しい想いをした。
- 頑張って言いたいことを口にしたけれど、相手に伝わらず絶望を感じた。
- ディスカッションの場でとっさに言葉が出てこず、フリーズしてしまい、後で自己嫌悪に陥った。
これはかつての私です。以前の私は、英語の会議でディスカッションをするのが嫌でしょうがありませんでした。
しかしコツを身に着けてからは、仕事で英語のディスカッションをこなせるようになりました。
同僚からも「日本語の議論のように、英語でディスカッションできてすごいですね!」と言われます。
ビジネス英語コーチとしてサポートしてきた方の多くは、英語のディスカッションに苦手意識を持っていました。一人でも多くの人に、英語のディスカッションができるようになり、仕事で成果を出してほしいと思い、この記事を書きました。
タップできる目次
英語でのディスカッション6つのコツ
WOOP(ウープ)を使い事前に準備をする
ディスカッションの事前準備の段階で「WOOP(ウープ)の法則」と呼ばれる目標設定法を使うと効果的です。
WOOPの法則は、通常の目標設定と比べ達成率が2倍になることが実験で知られています。
具体的には、以下の頭文字をとったものです。
O:Outcome(得たい結果) 具体的に得たい結果。できれば定量的に書く。
O:Obstacle(障害) 得たい結果を実現する際に想定される障害。
P:Plan(計画) 障害が起きたら、どんな行動をとるかの計画。
たとえば、ある開発案件のスケジュールに関する議論の準備している場合、以下のようにWOOPを使います。
O:Outcome(得たい結果) ●●の開発案件に必須な▲▲の納入スケジュールを合意する
O:Obstacle(障害) 相手が▲▲の納品が間に合わないと言うかもしれない
P:Plan(計画) その場合、代替品として◆◆をリクエストする
実際には、ObstacleとPlanを可能な限りたくさん挙げるとよいでしょう。
このように、WOOPを使いディスカッションの準備をしておくことで、当日にあたふたすることが減ります。
議論の場でフリーズするのを防ぐことができるのです。
コミュニケーションの「型」を身に着ける
ロジカルなコミュニケーションの型を知っておくことも重要です。なぜなら、相手に話が伝わりやすくなるから。
具体的には「TNPREP(テンプレップ)の法則」を使います。テンプレップの法則は、以下の頭文字をとったものです。
N:Number(数) 次に、言いたいことの数を伝える
P:Point(結論) それから、結論を先に言う
R:Reason(理由) その後で、結論が正しいと言える理由と、
E:Example(具体例) 具体例を伝え
P:Point(結論) 最後に結論・要点を繰り返し伝える
たとえば、ある部品の納期のリクエストを伝えるとき、以下のように話します。
N:Number(数) 要点は一つです。
P:Point(結論) この部品を、今月末までに納品していただきたいです。
R:Reason(理由) なぜなら今月末までに納品頂かないと、顧客の開発スケジュールに間に合わないからです
E:Example(具体例) たとえば来月の納品だと、開発スケジュールが半年遅れてしまいます
P:Point(結論) そのため、この部品を今月末までに納品いただきたいです。
この順番で主張を伝えることで、相手に話が伝わりやすくなります。
最初に日本語で主張する内容を決めておき、その後で英語を準備することをオススメします。
とっさのフレーズを覚えておく
とっさのフレーズを覚えておくことも役に立ちます。
なぜなら、間をつなげるからです。具体的には、以下のような沈黙しがちなケースに使うフレーズを覚えておくのがオススメ。
とはいえ、フレーズを大量に覚えても、いざという時にパッと口から出てきません。実践で使えるフレーズを厳選して覚えるのがオススメ。
記事の後半に実践で使える4つのフレーズを紹介しいます。
キーワードを覚えておく
ディスカッションのテーマに関連するキーワードの英単語を事前に覚えておくことも有効です。
なぜなら、キーワードは議論の中で繰り返し出てくるからです。
関連するキーワードを5つ覚えておくだけでも、相手の発言の理解度が上がりますし、話をするときに単語を並べるだけで相手に伝わる可能性もあります。
事前準備の段階で、関連キーワードを覚えておくとよいでしょう。
とにかく何か答える
英語のディスカッションで一番やってはいけないのは沈黙してしまうことです。
なぜなら、黙っていると相手から「何も考えていない無能」と思われるか、「こちらの発言を無視する失礼な奴」と受け取られるからです。
ここで私の過去の苦い失敗談をご紹介します。
英語での議論の場で、顧客企業の担当者であるアメリカ人から技術的な質問されました。日本語であれば、言いたいことはたくさんあったのですが、口から英語が出てきません。「あれ、これはなんて言えばいいんだろう?」と思うと、焦りが募りますます動揺していきます。しばらく、「アー」とか「ウー」のようなうめき声を上げながら、金魚のように口をパクパクさせていました。
相手は私の顔をじっと見て答えを待ちます。
それでも、英語が口から出てこず、頭の中が真っ白になりフリーズしてしまいました。
20秒ほど沈黙が続いたのち、そのアメリカ人は「特に言いたいことはないのだな」とつぶやいてよそを向いてしまいました。
このとき、私はこのアメリカ人の信用を失ってしまったのです。今振り返ると、とっさのフレーズを使えば防げたのにもったいことです。
そのため、相手の主張に賛成か反対かを述べる、先ほど紹介したフレーズで間を稼ぐなどで、沈黙を防げるようになるとよいでしょう。
ディスカッションの後で振り返る
ここまでいくつかノウハウを紹介してきましたが、一度実践しただけで英語のディスカッションがうまくできることはないでしょう。
日本語の議論や交渉でも、一発でうまくできるようにならないのと同じです。
そのため、英語のディスカッションをした後に振り返りを実践し、次回に活かすことが重要です。
たとえば、以下の観点で振り返ります。
- ディスカッションの最中に沈黙はしなかっただろうか?
- 議論の中で、予想外なことは起きたか?
それは事前に予想できなかっただろうか? - 今回の議論で困ったことは何だろうか?
次回以降、どのように改善できるだろうか?
これらの振り返りを記録しておきます。
そして、次回のディスカッション前にWOOPを立てる際に見返し”Obstacle”に取り入れるのです。
このプロセスを繰り返すことで、効果的にディスカッションを行てるようになっていきます。
ここまで、英語でディスカッションをする際のポイントを説明してきました。
以下で、どのようにトレーニングを行えばよいか、おすすめの教材やスクールを紹介します。
英語ディスカッションに使える4つのフレーズ
次にとっさの場面で使える便利なフレーズを紹介します。以下の3つのケースで使えるフレーズです。
相手の発言を聞き取れなかったとき
相手が言うことを理解できないときは、もう一度話してもらうとよいでしょう。
“Could you repeat again?”
(もう一度、言ってもらえますか?)
“Sorry, I couldn’t understand. Could you speak more slowly?”
(すみません、分かりませんでした。もう少しゆっくり話してもらえますか?)
実際私もこれまで、これらのフレーズを使ってきましたが、相手は嫌な顔をせず、丁寧に説明してくれました。
相手の発言を理解できているか不安なとき
なんとなく言っていることは聞き取れたけれど、ちゃんと理解できているか不安なときは以下のフレーズで内容を確認します。
(私の理解があっているか確認させてください)
このフレーズの後に、聞き取ったことを繰り返して言います。もし、理解が間違っていたら相手が修正してくれます。
言いたいことを整理してまとめたいとき
言いたいことがすぐに整理できないときは、時間を稼ぐために以下のフレーズを使います。
“Could you wait a moment?
(少し待っていただけますか)
少し時間を稼ぎつつ、言いたいことのキーワードをまとめて話します。
最低限のフレーズを覚えておくだけでも、ディスカッションの場で沈黙を防ぐことができます。
このように、会話やディスカッションでピンチの場面にとっさに対応するスキルを「コミュニケーション・ストラテジー」と呼びます。コミュニケーション・ストラテジーについて詳しく知りたい場合は、以下の記事を読んでみてください。
⇒ご参考:TOEIC高得点でも英語を話せない理由|コミュニケーション・ストラテジーを身につけよう!【ストレイルに聞く】
英語ディスカッション力を伸ばす教材やスクール
先ほど述べたポイントを実践すれば、最低限のディスカッションはできるようになるでしょう。
しかし、もう一段階スキルアップしたい場合は、以下の教材やスクールを活用するとよいでしょう。
オンライン英会話を活用する
オンライン英会話をディスカッション練習の場として活用できます。
ここで重要なのは、目的意識をもってオンライン英会話に取り組むことです。なぜなら、ただ英会話の先生と英語で話すだけではトレーニングにならず、ディスカッションの力は伸びないからです。
私の過去の経験からも、英会話スクールで先生とチャットするだけでは、ほとんど意味がないと感じています。
実際に私が試してみて、ディスカッション力を伸ばすのに有効だったのはDMMのテーマ別ディスカッションです。
具体的には、下記ページ真ん中あたりにある”Agree or Disagree”です。
⇒DMMのテーマ別ディスカッションの紹介ページはこちら
ある主張に対して「賛成か反対」のスタンスを取り、そのあとに理由を説明する必要があるからです。つまり、英語でロジカルに話す訓練ができます。
英語で意見を伝える練習
一例を示すと、「ソーシャルメディアに年齢制限を設けるべきか?」と講師から聞かれます。
これに対して、賛成・反対とその根拠を答えます。
たとえば、以下のように答えます(レッスンでは英語で答えます)。
私は不賛成です。
理由は2つあります。
1つ目は、今後ますますオンラインでコミュニケーションする機会が増えるため、小さい頃から慣れておいた方がよいからです。
2つ目は、そもそも規制をしてもイタチごっこになるため効果が薄いからです。
そのため、私は不賛成です
という感じです。
実際は賛成でも不賛成でもどちらでもよいです。
話の「型」を身に着けるのが目的です。
これは、テンプレップの法則を少しアレンジし、「P(結論)→N(数)→R(理由)→P(結論)」と並び変えた話し方です。
論理的に聞こえる話の組み立てを、英語で瞬時に行うためのトレーニングになります。
他にもオンライン英会話の効果的な活用方法について知りたい場合は、以下の記事を読んでみてください。
⇒ご参考:オンライン英会話の効果的な活用方法|英語力アップする勉強法【準備が8割】
英語の基礎力を上げる
ここまで、ディスカッション力を上げるテクニックを解説してきましたが、本質的には英語の基礎力を上げることが重要です。
なぜなら、効果的なディスカッションを行うには、ある程度の英単語力、文法力や、リスニング力が必要になるからです。
前の章で、相手が言っていることを聞き取れないときに使うフレーズを紹介しました。
しかし、1時間のディスカッション中に10回の20回も聞きなおされたら、相手もイライラしてしまいます。
そのため、相手が言っていることを概ね理解できるレベルの基礎力が求められます。
まずはTOEIC800点を目指す
もしあなたがTOEIC800点以下であれば、基礎力を上げるためTOEICのスコアアップを目指すことをオススメします。なぜなら、TOEICはビジネス英語の基礎力を上げるのに最適だからです。
点数が指標となるので、勉強した成果もわかりやすいためモチベーションにもつながります。
ディスカッションを含め、ビジネスの実践で英語を使えるようになるには、TOIECスコア800点が目安です。実際、筆者が転職エージェントに話を聞いたところ、外資系企業ではTOEIC800点程度が求められているとのことでした。
⇨ご参考:ビジネスレベルの英語力を詳細に解説|TOEICの目安と最短で習得する方法
以下にTOEICスコアアップにオススメなスクール3選を紹介しておきます。
スタディサプリENGLISH パーソナルコーチプラン
スタディサプリENGLISHパーソナルコーチプランは、圧倒的にコストパフォーマンスに優れるTOEIC対策のコーチングスクールです。
パーソナルコーチプランの料金は3ヶ月で74,800円(税込)。
さらに、卒業後もスタディサプリTOEICのアプリを12ヶ月無料で使えます(29,760円相当)。
つまり、実質38,240円でコーチングを受けられると言うこと。
⇨スタディサプリENGLISHパーソナルコーチプランの口コミと評判を見る
通常のコーチングスクールは、3ヶ月で50〜60万円程度はかかります。つまり、スタディサプリENGLISHパーソナルコーチプランでは、7分の1程度の料金で英語コーチングを受けられるということ。
もちろん料金が安いだけではなく、パーソナルコーチプランの実績は十分。
3ヶ月でTOEICスコアを200〜300点伸ばす卒業生が続出しています。
7日間の無料体験があるので、少しでも気になる場合は無料体験を受けてみることをオススメします。
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スクール所在地 | なし(オンラインのみ) |
コース | TOEIC対策 |
料金 | 3ヵ月7.48万円(税込) |
プログラム内容 | コーチと電話面談 4回 チャットサポート スタディサプリENGLISH (スマホアプリ) 使い放題(通常2,980円/月) ※卒業後も12ヶ月利用可 |
STRAIL(ストレイル)
と三拍子揃っています。
卒業生は2〜3ヶ月でTOEICスコアを200〜300点伸ばしている。
スタディサプリENGLISHパーソナルコーチプランより料金は高めですが、より本質的な英語力を身につけたい場合はSTRAILがおすすめです。
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今ならSTRAILの無料体験を受けると、英語力診断シートを作成してもらえます。
この英語力診断シートを見ると、あなたの現状の英語レベルと、今後の学習内容が明確になりますよ。
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スクール所在地 | 全4校(東京、大阪、埼玉)、オンラインコース |
コース | ビジネス英会話コース、TOEIC L&Rコース、初心者コース |
料金 | 3ヶ月35.2万円(入会金込み、税込) |
プログラム内容 | コンサルティングメニューのデザイン 毎週のコンサルティングセッション 毎週の英語力アセスメント 自習課題進捗サポート |
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プログリットでは、TOEICスコアアップに留まらず実践で使えるビジネス英語力を習得できます。
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英会話の瞬発力を上げる
TOEICが800点くらいある人は、英会話の瞬発力を上げるトレーニグをすることが効果的です。
なぜなら、TOEICが800点以上あるにも関わらず、ディスカッションができない場合、英語の知識をアウトプットする脳の回路とつなげるだけで飛躍的に議論する力が伸びるからです。
おすすめなのは、「瞬間英作文」というトレーニングです。瞬間英作文とは、日本語の例文を見て瞬時に英語に訳すトレーニング。「日本語から英語に訳す回路を高速化する」ことができます。
具体的なやり方は以下の通りです。
ステップ1|日本語を見て英文を暗唱(1文ずつ)
ステップ2|英文を見て、文法と単語をチェック
ステップ3|英文を見ながら3回音読(1文ずつ)
ステップ4|日本語を見ながら英文を3回暗唱(1文ずつ)
ステップ5|1ページ(10文)を終えたら、日本語を見ながら通して1文ずつ暗唱
瞬間英作文で使われる英文は中学英語レベルです。たとえば、以下の例文。読めば意味を理解できるはずです。
「家族の中では母が一番早起きです。」
“My mother gets up earliest in my family.”
瞬間英作文トレーニングのポイントは、読めば分かる英文を、瞬時に英語が出てくるようにすることです。
日本語を見て英文がパッと出てくるまでトレーニングをしていきます。
瞬間英作文のさらに詳しいやり方を以下の記事にまとめたので、読んでみてください。
⇒瞬間英作文が独学で続かない理由|効果的なやり方とプログリットで続けた結果
英語ディスカッションを身に着けビジネスに活かそう!
ここまで英語でディスカッションがうまくいかない原因と対処法、ディスカッション力を伸ばす勉強法を紹介してきました。
ディスカッションができるようになると、「英語で仕事ができる」状態にグッと近づきます。
英語で仕事ができるようになると、グローバルに活躍できたり、外資系企業に転職の可能性が出てきたりとキャリアアップの道が広がるので、ぜひトライしてみてくださいね。
この記事に紹介した以外にもビジネス英語習得におすすめのスクールがあります。中には3ヶ月でビジネス英会話をマスターできるスクールもあります。
筆者が体験したおすすめのスクールを以下の記事にまとめたので、読んでみてくださいね。
⇨ビジネス英語スクールおすすめ14選を比較〜失敗しない英語教室の選び方〜