- キャリアアップのために転職したい、昇進を目指したい。
- ビジネススキルや体系的な知識を身に着けたい。
- 英語力を身に着けたい。
- 将来は起業したい。
MBAを目指す目的は様々です。
MBAを取得できる大学は数多くあるため、どのようにMBAを選んだらよいか迷ってしまう人もいるかと思います。
オンラインを中心としたスクール(BOND-BBT MBA)を卒業した私の経験も踏まえ、この記事では以下について説明します。
・海外、国内、オンラインMBAの特徴と比較(リターンとコスト)
・MBAを目指す目的をしっかり考えることが大事
・目的によってはMBA取得以外の選択肢もある
タップできる目次
MBAの選び方|海外、国内、オンラインMBAの特徴と比較
MBAを取得できる大学院には、大きく分けて4つの選択肢があります。
選択肢1|海外MBA(海外留学)
選択肢2|国内MBA(フルタイム)
選択肢3|国内MBA(夜間・休日)
選択肢4|オンラインMBA
これらの特徴(リターンとコスト)を表にまとめました(私見です)。
以下で詳細に説明します。
海外MBA
海外の大学が提供するMBAプログラムです。
ハーバード大学、スタンフォード大学などトップMBA校をはじめ、世界各国多くの大学がMBAコースを提供しています。
海外MBAのリターン(メリット)
外資系企業(特にコンサルや投資銀行など)に転職する際、MBAが有利になるケースもあります。
また、外資系の中には役職昇格にMBA取得を求める企業もあります。
このように、一部のトップMBAのブランドが転職や昇進に有利になるケースもあります。
しかしながら海外MBA留学の一番のリターンは、多国籍の同級生と人脈形成できることです。
将来、グローバルに活躍したい場合、異文化の同級生と共に学び議論する経験や、人脈を持つことは資産になるでしょう。
ご参考:異文化理解の重要性 ~グローバルにビジネスをしたい人必見~
国内MBA、オンラインMBAでもビジネススキルや知識は学べますが、同級生は日本人がメインです。
そのため、世界中のMBAを目指す優秀な同級生と共に学べるのは、海外MBAならではです。
海外MBAのコスト(デメリット)
一方、コストに目を向けてみます。
海外MBAを取得するには、留学が必要です。
そのため、学費と生活費を合わせると1000万円を超えてしまいます。
さらに機会ロスも発生します。
機会ロスとは、MBAを受講しなかった場合に受け取れていたはずの収入を指します。
なぜなら、海外MBAを取得する際、基本的に仕事を辞めるか、あるいは休職をすることになるからです。(企業派遣の場合の給料の扱いは、企業ごとに異なるので自社のケースを確認するとよいでしょう)
現職の収入にもよりますが、1000万円~2000万円規模にのぼります。
また、海外留学にはMBAコース2年に加え、入学のための勉強期間が必要です。
海外MBAに入学するために、GMATなどの学力テストや、TOEFLなどの英語力が求められます。
この準備に1年程度かかるケースもあります。
このように海外MBAは得られるリターンは大きい一方、支払うコストも大きなものです。
応募する前に、投資に見合うリターンが得られるかをよく考えることをおすすめします。
国内MBA(フルタイム)
日本国内にもMBAプログラムを提供する大学があります。たとえば、早稲田大学ビジネススクールなどです。
フルタイムは全日制のことで、通常の大学と同じく朝から夜まで講義があります。
そのため、会社を辞めるか休職して通うことになります。
国内MBAは海外のトップMBAと比べ、海外でのステータスが高くないため、転職へのインパクトは小さくなります。
世界のMBAランキングのトップ100位以内に、日本のMBAは入っていません。
※ご参考:Financial Times紙によるMBAランキング
また、国内MBAの学生は日本人が中心です。そのため、人脈の多様性の観点と英語力アップの観点で海外MBAに劣ります。
一方、日本語で経営学の講義を受けるため、講座の内容理解に集中できるメリットがあるでしょう。
個人的な意見ですが、よっぽど行きたい大学や師事したい先生がいない限りは、フルタイムの国内MBAに通うメリットは少ないでしょう。
国内MBA(夜間・休日)
大学によっては、社会人向けに夜間や休日に講義を行うMBAコースもあります。
住まいの近くに大学がある場合は、仕事帰りや休日に大学に通いながらMBA取得が可能です。
仕事を辞める必要がないため、働きながらMBAをとることが可能です。
キャリアに穴をあけずにMBA取得ができるのは魅力です。
以下の条件に当てはまる人は、夜間・休日のMBAコースを検討してみるとよいでしょう。
- 家や会社の近くにMBAが取れる大学がある
- 対面で講義を受けたい
オンライン、通信
オンライン、通信でMBAを取得できるプログラムを提供する大学もあります。
特に家や会社の近くに大学がない人には魅力的です。
学習内容に関しては、動画コンテンツで対面講義形式と同等以上のクオリティが担保されています。
オンライン化により、MBAを含め教育産業は大きく変化しています。
以前は名講師の講義を受けられるのは一握りの生徒でした。しかし、今では名講師の講義を録画して動画配信すれば、オンラインで誰でも優れた講義を受けられるようになっています。
MBAも同様で、オンラインMBAでも対面と同等以上のクオリティの講義を受けられます。
オンラインMBAでも人脈形成できる
オンラインMBAだと、クラスメートとの関わりが少なく、人脈形成ができないと不安になる人もいるかと思います。
しかしオンラインでも同級生と密な交流をすることができます。
実際、私はオンラインMBAを受講し、クラスメート達と深い関係性を築くことができました。卒業後の今でも定期的に会っています。
私が受講したBOND-BBT MBAプログラムでは、オンライン掲示板でクラスメートと議論をする課題がありました。
たとえば、マーケティングの科目であれば、以下のようなテーマです。
「●●社が新製品を、自社ブランド名で発売した戦略の妥当性を論じなさい」
受講生は自分の意見と根拠をまとめ、オンライン掲示板に投稿します。さらに他の受講生の投稿についてコメントをつけ、議論を深めます。
一方通行で講義を受けるだけでなく、双方向でインタラクティブに学ぶと学習効率が高いからです。
議論の過程で、ふだん顔を合わせる友人以上に、同級生の人となりが見えてきます。
そして議論を重ねた後で、年に一回のオーストラリアでのスクーリングで顔を合わせました。
ほとんどの同級生は初対面でしたが、オンライン掲示板で人となりを知っていたため、旧知の仲のような感覚でした。話がはずみ、あっという間に仲良くなります。
SNSやオンラインサロンのオフ会をイメージすると近いかもしれません。
オンラインMBAはコストパフォーマンスに優れる
オンラインMBAは、通学式のMBAと比べてコスパがよいです。
なぜなら同等のリターンが得られる一方で、コストが抑えられるからです。
オンラインでMBA取得にかかる費用は200~500万円です。
私がオンラインでMBAを取得した際は、卒業までにかかった費用は300万円程度でした。
そのため、MBAのブランドを気にしない人にとっては、オンラインMBAはコストパフォーマンスに優れているといえます。
ここまで海外MBA、国内MBA、オンラインMBAの特徴を比較してきました。
以下では、よくあるMBAを目指す目的に分け、おすすめを解説していきます。
MBAを目指す目的別|おすすめの選択肢
タイプ1|転職、昇進など具体的な目標がある
タイプ2|人脈形成したい
タイプ3|漠然とキャリアアップしたいという思いがある
タイプ4|ビジネススキル、知識を身に着けたい
タイプ5|英語力を身に着けたい
タイプ6|将来は起業したい
転職、昇進など具体的な目標がある
MBA取得を目指す目的として、転職や昇進など具体的な目標があるケースがあります。
MBA生のインターンを募集している外資系コンサルや投資銀行に転職したい場合や、外資系企業に勤務していて昇進要件にMBAが求められているケースです。
この場合、まず転職先で働く人や、昇進した先輩がどのような経歴かを調査するとよいでしょう。
その上で、そもそも本当にMBAが必要なのか、必要な場合どのようなMBAを目指せばよいか判断をします。
具体的には、ハーバードやスタンフォードなどトップMBAを目指さないと意味がないのか、その他のMBAでもよいのか、などです。
できれば、実際に先輩達に話を聞くとよいでしょう。
また、目指すMBA校の当たりをつけたら、卒業生の進路を確認してみることをおすすめします。
人脈形成したい
次に人脈形成が目的のケース。
まず、「どんな人と、どのような関係を築きたいのか」を問い直してみるとよいでしょう。
たとえば、様々な国のビジネスパーソンと関係を築きたいのであれば、海外MBAを目指すのもよいでしょう。
他業界で働くビジネスパーソンと人脈を作りたい人は、国内MBAを検討してもよいかと思います。
しかし、本当に大事なのは「なぜ、人脈形成をしたいのか」です。
なぜなら、人脈形成するにはMBA以外にも方法があるからです。
たとえば、仕事の幅を広げていくと、自然と社外のビジネスパーソンとの関わりが増えます。
グローバルな仕事ができる会社であれば、海外のビジネスパーソンとも関係を築くことができます。
あるいは、プロボノなどの活動を通じて普段の仕事では接点のない人と関係を築くこともできます。
私の知人は、プロボノ活動を通じて異業種のビジネスパーソンと関係を築き、自身の活動の幅を広げていました。
ご参考:プロボノ
そのため、求める人脈形成がMBAを受講しないと実現できないかを、よく見つめなおすことをおすすめします。
漠然とキャリアアップしたいという思いがある
転職や昇進のような明確な目標はなくても、漠然とキャリアアップしたいためMBAを目指す人もいます。
私がMBAを受講した動機も、このように漠然としたものでした。
今になり振り返って感じるのは、「キャリアアップ」にもさまざまな形があることです。
転職や昇進を目指すのもよいでしょうし、自分の強みや得意なことを最大限に活かすキャリアを目指すのもキャリアアップの一つのカタチです。
自分が目指すキャリアアップの中で、MBAの学習がどのように位置づけられるかをよく考えてみるべきです。
ひょっとすると、自分が目指すキャリアの姿を実現するには、MBAで学ぶよりも他の自分の強みを磨くことの方が大事かもしれないからです。
私の場合は、なかば偶然MBAでの学びが自分のキャリア形成に役立ちましたが、自分にとっての「キャリアアップ」の定義をクリアにしておいた方がよいでしょう。
ビジネススキル、知識を身に着けたい
マーケティング、財務、戦略、組織論などビジネスの基本スキルや知識を身に着けるためMBAを目指す人も多いです。
私がMBA取得を目指した理由の一つです。
MBAで学ぶとビジネスの基礎となるスキルを体系的に学ぶことができます。
ビジネススキルや知識は海外MBA、国内MBA、オンラインMBAいずれでも身に着けられます。そのため他に明確な目的がないのであれば、コストパフォーマンスに優れるオンラインMBAを選択するとよいでしょう。
一方で、現実問題としてMBAに入学して学ぶのは時間的にもコスト的にもハードルが高いと感じる人も多いかと思います。実際、MBAの課題をこなすには毎週20時間以上の勉強を、2年間は継続する必要があります。また、最低200万円以上の投資が必須です。
以前は、ビジネススキルや知識を身に着けるには、MBAコースで学ぶか独学で書籍を読んで学ぶしか方法がありませんでした。
しかし、株式会社グロービスが「グロービス学び放題」をはじめて、状況が変わりました。スマホアプリで経営に関する知識を体系的に学ぶことができます。
動画は2,000本以上、200コースが見放題。動画のクオリティも高いです。スマホアプリなので忙しいビジネスパーソンも通勤時間、移動時間に学ぶことができます。
実際、私も管理職に昇格したときに、会社契約でグロービスのこのサービスを利用しました。
そして、「私がMBA入学を検討していたときに、このサービスがあったら、無理してMBAを取る必要はなかったかもしれない...」と感じました。
以下に当てはまる人には、本当におすすめのコンテンツです。
- ビジネスナレッジを身に着けたい
- ただし、いきなりMBAを取るのは時間やコスト的にハードルが高い
- ビジネスの勉強をしたいが、何から始めたらよいか分からない
これだけ優れたコンテンツが月額1,500円(年間プランの場合)、ビジネス書1冊の価格で利用できます。
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英語力を身に着けたい
将来的にグローバルに活躍するため、英語力を身に着けようとMBAを目指す人もいます。
しかし、私は英語力を身に着けるためにMBAを目指すのはおすすめしません。
なぜなら、英語力を身に着けるにはもっと効果的な学習法があるからです。
一見すると、MBAで「ビジネススキル×英語力」を同時に身に着けるのは効率的な学習法に思えます。
ところが実際には、ビジネススキルも英語力の学習も中途半端になってしまいます。
英語でビジネスを学ぶのは効率が良くない
まず、ビジネスの知識を身に着けるなら日本語で学ぶ方が効率的です。
なぜなら脳のCPUをビジネスの学習に集中させた方が、効果が出るからです。
私はTOEIC900点で、英語で仕事上のディスカッションができるレベルの英語力があります。
それでも、英語でインプットしたり議論したりすると、日本語の場合と比べIQが20くらい下がる感覚があります。
つまり、思考速度や理解力が著しく落ちるのです。この状態でビジネスを学ぶのは非常に効率が悪いです。
実際、私が学んだMBAコースは、会計や財務など半分の科目が英語で講義が行われました。
しかし、英語で科目の内容をインプットするのはあまりに効率が悪いので、私は日本語の参考書を探して学習していました。
このように、ビジネス知識を身に着けるなら日本語で学ぶ方が効率的です。
英語力を伸ばすなら、英語力アップに特化したトレーニングをすべき
同様にMBAで英語力を身に着けようとするのは、効率的ではありません。
なぜなら、MBAでは英語力向上を目的としたトレーニングを行うわけではないからです。
たとえば、リスニング力を上げるにはシャドーイングやディクテーションのトレーニングを集中的に取り組むことが重要です。
しかし、MBAで学ぶ過程で、シャドーイングやディクテーションのトレーニングをする時間は確保できないでしょう。
科目の内容に関する課題をこなすのに精一杯になるからです。
そのため、MBAで英語力とビジネススキルを同時に身に着けようとすると、両方とも中途半端になりがちです。
実際、海外留学し2年間かけてMBAを取得した知人がいますが、それほど英語力は高くありません。
英語力を身に着けたい場合は、英語力向上に特化した学習をする必要があります。以下の記事を参考にしてください。
⇒英語コーチングとは? おすすめコーチングスクール8社【表で徹底比較】
将来、起業したい
将来、起業するためにMBAを目指す人もいます。
しかし、起業をするためにMBAを取るのは少し目的がずれていると感じます。
なぜなら、MBAではゼロからビジネスを始めるためのスキルを教えているわけではなく、既にある程度の大きくなったビジネスをいかに育てるかに主眼がおかれているからです。
大企業が成長するための方法論はある程度データで示すことができます。一方で、起業で成功するか否かは起業家個人に依存するところが大きく、再現するのが困難です。そのため、学問に取り入れるのが困難なのです。
MBAでは体系的にビジネスを学べるため、起業した後で組織を大きくする際に役立つ知識やスキルを身に着けられますが、起業する方法や起業初期に何をすべきかを学ぶことはできません。
もし起業したいのならば、起業専門の講座や書籍をあたる方がよいでしょう。
まとめ|MBAを目指す目的を見直し、自分に合った選択をしよう
この記事で解説してきたように、MBAは大きく分けて海外、国内(フルタイム)、国内(夜間・休日)、オンラインの選択肢があります。
MBA入学を決める前に、それぞれの特徴を理解し、得られるリターンとコストをしっかりと把握しましょう。
また、MBAを目指す目的によっては、そもそもMBA以外の選択肢がマッチしているケースもあります。
まずは目的を見直し、得たい結果が得られる選択をすることをおすすめします。