シャドーイングは正しく取り組めば、最強の英語トレーニング法です。なぜなら、リスニング力アップに加え英語の発音やリズムが身につく学習法だからです。
実際、筆者もシャドーイングに取り組み、リスニング力とスピーキング力を伸ばせました。
しかし、シャドーイングのやり方を間違えると効果が薄れてしまいます。
- シャドーイングで得られる4つの効果
- シャドーイングの正しいやり方6ステップ
- シャドーイング8つのコツと注意点
- シャドーイングにおすすめの教材とアプリ
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⇨【口コミと評判】シャドテンを実際に2ヶ月受講した感想を本気でレビュー
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タップできる目次
シャドーイングは同時通訳者向けのトレーニングだった
もともとは同時通訳のトレーニング
シャドーイングとは、英語音声の後について発声するトレーニングです。音声の後に影(シャドー)のように続けて発声するので、シャドーイングと呼ばれます。
シャドーイングはもともと、同時通訳者のためのトレーニングとして知られていました。
同時通訳者は、外国語を聞くと同時に日本語に通訳し続けることが求められます。そのトレーニングの前段階として、日本語に訳さず、聞こえてきた音声の英語をいったん頭の中にストックして、聞き取った言葉を復唱する練習をします。
英語を音声のまま一時的に保存・記憶して、それを口に出して言うことが通訳の前提条件と考えられてきたからです。
近年になり、シャドーイングによる英語力アップの効果が明らかになってきたため、多くの英語学習者に知られるようになりました。
負荷が高いから英語力が伸びる
シャドーイングは負荷がかかるトレーニングです。
なぜなら、シャドーイングをするときに以下の4つのプロセスを経るからです。
② 音声を記憶する
③ 音声を口に出して再現する
④ 自分が口にした英語を聞く
リスニングは①、②のみですので、シャドーイングの負荷が高いことが分かります。
実際、シャドーイング学習時とリスニング学習時の脳の活動を近赤外光イメージング装置で測定したところ、シャドーイング学習時の方が脳の活動が活発であることがわかりました。
ご参考:英語シャドーイングが英語読解プロセスに与える影響:近赤外分光法による脳内処理メカニズムの検討
この実験結果からも、シャドーイングは負荷が高いトレーニングであることがわかります。そして、シャドーイングは負荷が高いからこそ英語力が伸びるのです。
シャドーイングの4つの効果〜最強のトレーニングと言われる理由〜
リスニングスキルの向上~音声知覚の自動化~
なぜ、シャドーイングがリスニングスキル向上に効果があるのでしょうか?
それは、英語の音声をモノマネするからです。
モノマネをするには、英語の音に注意を払い、自分でも繰り返す必要があります。このプロセスを経ることでリスニングスキルが向上するのです。
そもそも、英語が聞き取れないのには3つの原因があります。
2) 英語の音声に関する知識が少なく、ネイティブが話す「音」を聞き取れない
3) 英語を聞いたそばから、頭で処理できない
シャドーイングは上記2)と3)の改善効果があります。
以下で、詳しく解説します。
英語の音声変化がわかるようになる
英語ネイティブは「教科書」通りに発音していないことが大半です。言いやすいように「省エネ」をしているからです。
日本語でも「水族館」と言うとき「すいぞっかん」と発音することがあります。本来であれば「すいぞくかん」ですが、「く」が省略されて「っ」となっている感じですね。なぜなら、「すいぞっかん」と発音した方が省エネだからです。
英語も同様です。たとえば「Let it go.」は「レット・イット・ゴー」ではなく「レリゴー」となります。
⇨ご参考:【著者インタビュー】「英語の5つの音声変化」を知るだけでは意味がない理由とは?
実際にシャドーイングをやってみるとわかりますが、「レット・イット・ゴー」と発音すると、英語の音声についていけません。音声についていくためには、ネイティブのように「レリゴー」と発音する必要があります。
つまり、ネイティブのように発音しないと、シャドーイングのスピードについていけません。
だから、シャドーイングをやると、英語の音声変化が身につくのです。
英語を高速で処理できるようになる~脳の仕組みでわかる~
実は、ただ単に英語を聞くだけでなく、自分で英語を口にすると、リスニング力を伸ばしやすいことがわかってきました。
なぜなら人はリスニングするとき、無意識に頭の中で発音をしているからです。
最近の脳科学の研究結果も、このことを裏付けています。
次の写真は、米Nature誌に掲載された論文から引用したものです。
- 英語母語のイギリス人の大人10人に、1音節の無意味語(意味を持たない言葉)を聞いてもらう
- そのときの脳活動をfMRI(核磁気共鳴)と呼ばれる手法で測定
ご参考:Listening to speech activates motor areas involved in speech production
- 音を聞いたときに、「運動」に関する脳の部位が活動していることがわかった(黒く囲われた箇所が「運動」に関する脳の部位)
- 実際に英語を口に出していなくても、無意識に聞いた音を発声するイメージをしている
したがって、リスニング力を鍛えるには、実際に自分でも発音してみることが大事だと考えられます。そうすることで、聞き取った音と自分で発声した音がリンクするようになるからです。
文法や定型表現が定着~無意識に使えるように~
2つ目の効果は、文法や定型表現が定着し無意識に使えるようになることです。
何度も繰り返し口にするため、文法や表現が身につきます。
スポーツの練習をイメージしてみてください。
繰り返し素振りをすることで、無意識にフォームが定着するのと似ていますね。
反復練習するので単語や表現を忘れない
先ほど説明したように、反復練習により単語、文法、定型表現が「長期記憶」に定着しやすくなります。
長期記憶は数年~数10年の間、残る記憶です。
たとえば、しばらく自転車に乗っていなくても身体が覚えているので運転できます。これは、自転車の乗り方が長期記憶に保存されるからです。
これと同じように、シャドーイングに繰り返し取り組むことで単語、文法、定型表現が長期記憶に定着されるようになります。
発音が改善する
シャドーイングを何度も繰り返すことで、次第に発音が改善されます。なぜなら英語の音声を「モノマネ」するからです。
つまり、正しい発音を聞きながら自分でも発声するため、徐々に正しい発音に近づいていくということ。
さらに効果的なのは、シャドーイングをする際に自分の音声を録音して、教材の英語音声と聞き比べること。どの部分が正しく発音できていないかを、自覚するためです。
実際、私はシャドーイングを2ヵ月続けた結果、発音を改善できました。
次に示すのはVERSANTと呼ばれる英語のスピーキングテストの結果です。黒い棒グラフがシャドーイングの練習前、赤い棒グラフが2ヵ月間シャドーイングのトレーニングをした後の結果です。
グラフを見るとわかるように、発音が劇的に改善されています。
英語のリズムやイントネーションが身につく
英語は文章を読むときにリズムやイントネーション(抑揚)が重視されます。
重要な箇所は強くゆっくり、重要でない箇所は弱く速く発声します。
反対に、日本語は強弱、音の高低差が小さく平坦です。
下の図は英語と日本語の抑揚のイメージです。英語にはリズムと抑揚があるのに対し、日本語は平坦な様子を表しています。
英語ネイティブからすると、日本人が話す平坦な英語は、英語に聞こえません。
ですので、リズムやイントネーションを身につけることが重要なんです。
シャドーイングに取り組むと、自然と英語のリズムやイントネーションに慣れて、「英語らしい」話し方が身につきますよ。
【結論】シャドーイングは最強の英語トレーニング法
このようにシャドーイングにより、さまざまな英語スキルを伸ばすことができます。
世の中には多くの英語勉強法やトレーニング法がありますが、シャドーイングほど英語力を伸ばせるトレーニングはありません。
シャドーイングは負荷が高いからこそ、最強の英語トレーニング法なのです。
2種類のシャドーイングと取り組む順番
実はシャドーイングには2種類のやり方があります。結論を言ってしまうと、初級者・中級者には「プロソディ・シャドーイング」がおすすめです。
プロソディ・シャドーイング~初級者・中級者向け~
プロソディ・シャドーイングとは、英語の発音に注意を向け、できるだけモノマネをしながら復唱するトレーニングです。
※「プロソディ(韻律)」とは発話のスピード、高さ、強さなどを表す
特にリズムやイントネーションなどのプロソディ(韻律)に注意して取り組みます。
この練習をすることで、英語の音を聞き取れるようになったり、発音やリズムが改善したりします。
プロソディ・シャドーイングは何度も繰り返し、無意識にできるレベルまで取り組むのがポイントです。
コンテンツ・シャドーイング~上級者向け~
もう一つのコンテンツ・シャドーイングは、上級者向けのトレーニングです。コンテンツ・シャドーイングは、文章の意味内容をイメージしながらシャドーイングをするトレーニングです。
文章の意味を考えながら、スラスラと音声がでてくるようになるのが目標です。
コンテンツ・シャドーイングができるようになると、リスニング時の音声知覚が自動的にできるようになります。つまり、リスニングの負荷が大幅に減ります。
さらに、コンテンツ・シャドーイングを繰り返し行うことで、単語、文法、定型表現が定着します。
コンテンツ・シャドーイングは、とても負荷の高いトレーニングなので、まずはプロソディ・シャドーイングから始めることをオススメします。
シャドーイングの正しいやり方6ステップ
以下では、具体的なシャドーイングのやり方について説明します。
- 教材を選び、音声と文章(スクリプト)を準備する
- 文章を見ずに音声を聞く
- 文章を読み、わからない単語や表現を調べる
- 文章を見ながら音声を聞き、「英語の音の変化」をチェックする
- 文章を見ながら、オーバーラッピング(*)する
- テキストを見ずにシャドーイングをする
(*)オーバーラッピング:英語音声に重ねて音読するトレーニング
教材を選び、音声とスクリプトを準備する
まずシャドーイングに取り組む教材を準備します。
教材とは音声と文章(スクリプト)です。
出典:Digital Cast
1回に取り組む音声は30秒~1分程度にするのがオススメです。
後で説明しますが、同じ音声を繰り返しシャドーイングするので、音声が長いと続けるのが大変だからです。
もし30秒~1分よりも長い音声の場合は、細かく区切り30秒~1分のかたまりに分けます。実際、筆者も6分程度の音声を8分割して練習しました。
教材を選ぶ基準は3つあります。以下で説明します。
- 音声とセットで文章(スクリプト)があるものを選ぶ
- 文章を見ずに聞いて理解できるレベルの音声を選ぶ
- 自分が興味を持てる内容や、憧れのスピーカーが話す音声を選ぶ
音声とセットで文章(スクリプト)があるものを選ぶ
音声だけではなく、文章(スクリプト)がある教材を選びます。
「英語の音の変化」をチェックするためにスクリプトが必要だからです。
スクリプトがないと、どの英文をどのように発音しているかわからなくなってしまうからです。
文章を見ずに聞いて70%くらい理解できるレベルの音声を選ぶ
シャドーイングは負荷が高いトレーニングです。リスニングをしながら、自分でも発声するからです。
なので、教材は簡単なレベルのものを選ぶことが重要。文章を見ずに聞いて理解できるレベルのもの。目安としては、70%くらい理解できるレベルです。
もし、シャドーイングをやってみて、「難しすぎるな......」と感じる場合は教材のレベルを下げることをお勧めします。結果的に、その方が上達が早くなります。
自分が興味を持てる内容や、憧れのスピーカーが話す音声を選ぶ
英語力アップするには、同じ音声で何回も繰り返しシャドーイングの練習をします。
興味が持てない内容だと途中で嫌になってきてしまいます。
そのため、自分が興味を持てる内容や、憧れの話し手の音声を選ぶのがおすすめです。
以上、3つの観点でシャドーイングの教材を選びます。
文章を見ずにシャドーイング用の音声を聞く
文章を見ずに、音声を3回程度くり返し聞きます。
このステップで重要なことは、理解できる箇所、聞き取れない箇所を意識することです。
後で文章見るときに、自分が何を聞けていなかったかを理解しやすくするためです。
わからない単語や表現を調べる
文章を読み内容を理解します。わからない単語や表現は辞書を使い調べます。
このステップのポイントは、音声の内容を完璧に理解することです。
シャドーイングするときに、音声に集中できるようにするためです。
「英語の音の変化」をチェックする
このステップの目的は、これまで聞き取れていなかった英語特有の音の変化に意識を向けることです。
英語の音の変化のパターンを以下の表にまとめました。この表を参考にして、文章を見ながら音の変化がある箇所にチェックを入れるとよいでしょう。
文章を見ながらオーバーラッピングする
オーバーラッピングとは、英語音声にかぶせて(音声と同時に)、自分でも発音する練習です。
文章を見ながら、オーバーラッピングを10回程度くり返します。
このステップの目的は、音声を口になじませることです。
テキストを見ずにシャドーイングする
最後のステップで、いよいよ文章を見ずにシャドーイングを実践します。
ここでオーバーラッピングとシャドーイングの違いを簡単に説明します。
オーバーラッピングは音声と同時に発音します。音声を口になじませるよう意識します。
一方でシャドーイングは、音声に1秒程度遅れて発声します。意識するポイントは、音声を「聞いたまま」モノマネをすることです。
最初は、音声に遅れて発音するのが難しいと感じるかもしれません。どうしても音声に引きずられ、同時に発音してしまいがちです。シャドーイングを練習し始めたときは、音声と同時に発音してしまってもかまいません。
音声のモノマネをする意識をもって練習しましょう。
慣れてきたら、次第に音声に遅れて発音する練習に切り替えていきます。
英語シャドーイングで成果を出す8つのコツ
せっかくシャドーイングに取り組んでも、ポイントを押さえないと思うような成果が得られません。
ここでは、シャドーイングの8つのコツについて解説します。
初心者にはシャドーイングは効果なし?
シャドーイングは、非常に効果のあるトレーニングですが、初心者にはおすすめしません。なぜなら、負荷が高いトレーニングなので挫折してしまいがちだからです。
⇨ご参考:初心者がシャドーイングが難しくてイライラする理由|効果的なやり方のコツを解説
まずは、中学レベルの単語と文法を身につけてから、シャドーイングに取り組んだ方が効果が出やすくなります。
中学英語を学び直すのには、以下の書籍がオススメです。
「超初心者で何から勉強すれば良いか分からない......」という場合は、以下の記事を参考にしてみてください。
シャドーイングの前に英語の音の変化を学ぶ
先ほど説明した「ステップ4」をしっかり取り組むことです。
なぜなら、漫然と音声を聞くだけでは、英語の音の変化が身に着かないからです。しっかりと、テキストを見ながら音の変化が起きている個所をチェックすることが重要です。
意識的に聞くことで、英語の音の変化が身に着くスピードが格段に速まります。
⇨ご参考:「英語の5つの音声変化」のルールをまとめて徹底解説【著者インタビュー】
音声を「モノマネ」する
「ステップ6|テキストを見ずにシャドーイングする」の重要なポイントは、教材の音声を「モノマネ」することです。これまでの自分の発音を捨てて、教材の音声のとおりに発音する練習をするということ。
なぜなら筆者を含め日本人の大半は、学校教育で習った抑揚のないカタカナ英語で話してしまうからです。
英語らしい話し方を身につけるためには、ネイティブが喋る音声を徹底的にマネすることが近道です。
モノマネするときのコツは、音声の話し手に「なりきる」ことです。たとえば、プレゼンテーションの音声をシャドーイングをする場合、プレゼンターになり切って発声をします。声のトーンや強弱まで、感情をこめてマネすることがポイント。
もし音声に動画があれば、身振り手振りも真似してみるものよいでしょう。
同じ音声に繰り返し取り組む
先ほど、一つの音声に対してシャドーイングを1日30回×3日取り組むのが目安と書きました。合計で90回近く練習することになります。
「こんなにやる必要あるの?」と思うかもしれません。
しかし、同じ音声に繰り返し取り組むのが効果的なんです。
たとえばスポーツや音楽の練習を想像してみて下さい。
野球のバッティング練習のとき。カーブボール打つ練習をするときは、徹底的にカーブを打つ練習を繰り返します。身体にバッティングフォームを覚えこませるためです。
あるいはピアノの練習をするとき。次から次へと新しい曲を練習するよりも、一曲ずつ丁寧に練習する方が技術を身に着けられます。さらに言うと、一曲を細かく区切り繰り返し練習する方が速く上達します。
シャドーイングも同じです。
あきてくると新しい音声をやりたくなりますが、同じ音声にくり返し取り組む方が英語力アップには効果的です。
フィードバックを受けて改善する
シャドーイングを実践するとき、専門家からフィードバックを受けることは非常に重要です。これが最も重要なポイントともいえます。
【重要!】科学的な英語学習法5つのポイント|効率的な勉強法の秘訣にも書いたとおり、スキルを習得するときにフィードバックを受けることは非常に重要な要素だからです。
これもスポーツや音楽の練習をイメージするとわかりやすいはず。
一人で練習するだけで、甲子園に行ける球児やコンクールで賞を取れるピアニストは、まずいないでしょう。
必ず、その道のプロからフィードバックを受けています。野球の監督やピアノの先生などですね。
シャドーイングの練習も同じです。
淡々とシャドーイングを行うだけでも一定の効果はありますが、フィードバックを受けると格段に効果が高まります。
もし、一人でトレーニングをするときは、自分の音声を録音し聞きなおしてみましょう。
録音するタイミングは一日一回、練習の最後です。録音した自分の音声と、ネイティブの音声を聞き比べてみて下さい。
どこがネイティブと違うか? をチェックし、次の日にその点を改善して練習するのです。このように、自分ですると、自分で改善点を見つけられます。
さらに効果的なのはプロからフィードバックを受けることです。
筆者自身、シャドテンというシャドーイングの添削サービスを受けました。そのときは、毎日シャドーイングの音声を録音し、コーチに送っていました。
すると翌日にはフィードバックがかえってきます。たとえば以下のフィードバックです。よかった点と改善点を明確にしてくれます。
これらのフィードバックを翌日の練習に反映させ、日々改善していきました。
私は2か月で流暢さと発音を大幅に伸ばしましたが、このフィードバックサイクルがなかったら、もっと時間がかかっていただろうと思います。
「シャドーイングに取り組んでみようかな」という人には、シャドテンはおすすめです。7日間の無料体験もできるので、気になる場合は試してみてください。
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最低2ヵ月は続ける
シャドーイングに取り組むことに決めたら、最低2ヵ月は続けます。
なぜなら、英語学習で効果が表れるのまでに2ヵ月程度の時間がかかることが、外国語習得法の研究結果でわかっているからです。
私の場合は、一か月で少し変化が表れ始め、二か月経ったころに自分でも大きな英会話力向上を実感しました。そのため、一度取り組み始めたら2ヵ月は続けてみて下さい。
1日30分のシャドーイングを繰り返す
次に、シャドーイングの練習量について説明します。
1つの音声に対してシャドーイングをする目安は、1日30回×3日間です。つまり、30秒~1分の音声に対し、合計90回くらい繰り返しシャドーイングを行います。
回数と日数はあくまで目安なので、「大体、元の音声と同じように発音できるようになってきたかな」と感じるようになったら、次の教材に進みます。
このレベルまでくり返し練習することで、リスニング力をスピーキング力が身に着きます。
反対に一つの音声を数回しかシャドーイングしないと、それほど大きな効果は得られません。
「ながら」シャドーイングがオススメ
シャドーイングは机を前にして取り組む必要はありません。テキストを見なくてもシャドーイングの練習はできるからです。
筆者がオススメするのは、何かをしながらシャドーイングをすることです。
たとえば、以下のやり方です。
- 歩きながらイヤホンで音声を聞いて、シャドーイングをする
- 車に乗りながら、シャドーイングをする
実際、筆者は歩きながらシャドーイングをしています。「歩きながらブツブツつぶやくと、変な目で見られないかな......?」と思うかもしれませんが、これまで他人から変な目で見られたことはありません。
ここまで具体的なシャドーイングのやり方を説明してきました。「大変そうだな」と感じましたか?
たしかに、「聞き流すだけ」の学習法と比べ、一定の努力は必要となります。
だからこそ、シャドーイングを続けたあかつきには、劇的な効果があるのです。
英語シャドーイングにおすすめの教材
シャドーイングの教材選びで重要な点は2つあります。
- 難しすぎない教材を選ぶこと
- 自分が使いそうな英文が含まれる教材を選ぶこと
シャドーイングは負荷が高いトレーニングなので、難しすぎる教材に取り組むと挫折してしまいます。文章を見ずに聞いて、30~70%くらい理解できる教材を選ぶとよいでしょう。理解度30%以下の教材は難しすぎます。
また、日常会話を身につけたいのであれば、ドラマや映画のスクリプト(原稿)を教材に使うのもよいです。反対に、ビジネス英語を使うなら、ビジネス英語が出てくる教材を選びます。なぜなら、実践ですぐに使える英語表現が身に付くからです。
ここでは、シャドーイングにおすすめの教材を紹介します。
シャドテン
シャドテンは、プロの英語コーチが毎日あなたのシャドーイング音声を添削してくれるサービスです。
スマホ1台で完結するので、毎日30分、いつでもどこでも学習できます。
実際、筆者もシャドテンを受講したのですが、日々の添削が非常に丁寧でした。
- Good points(良かった点)
- Development points(改善点)
に分けて詳しくフィードバックをしてくれます。
我流だと間違ってしまいがちなところを、すぐに修正できるので、シャドーイングのやり方がどんどん上達する。
3ヶ月〜半年くらい続けると、リスニング力や発音に目に見える変化が現れますよ。
以下の動画に、シャドーイングの概要が紹介されています。ぜひチェックしてみてくださいね。
口コミと評判
筆者がランサーズを通じて独自に調査した口コミと評判を紹介します。
英語が大好きで、日常会話できるぐらい上手く話せるようになりたかったのがシャドテンに申し込んだキッカケです。
シャドテンに取り組み、少しずつですが相手が何を話しているのか理解できるようになりました。
身振り手振りも交えながら自然と英語が話せるようになり、独学よりもはるかに効率的にリスニング力を伸ばせるんだなと実感したし、コーチになんでも聞けるので、安心して学習できたのが心強かったです。
少しの疑問や悩みをコーチが回答してくれるのですごく安心出来たし、短時間でもレベルの高い学習を習慣化できるのはすごいことだなと思いました。
(20代 女性)
以前から英語学習をしていて、最終的にシャドーイングを行うようになりました。ただシャドーイングを独学でつづけることは大変だったのでシャドテンを利用することにしました。
シャドテンを利用してから、独学の時のシャドーイングのときより学習が進むようになり、発音がクリアになり、語彙数も増えました。仕事でアメリカの会社とやり取りすることがありますが、発音で馬鹿にされることが無くなりました。
独学でシャドーイングを続けるには根性がいります。時間を確保して自分の発音を自分で確認しないといけないので、かなり大変です。発音の添削を他人に頼めるのは素晴らしいことだと感じました。
(40代 男性)
独学でのシャドーイングに限界を感じたため、シャドテンに申し込みました。
いつも仕事でやりとりしているネイテイブのアメリカ人に発音がとてもきれいになったと言われました。自分では気が付いていなかったのですが、語彙力が上がっていました。外国人独特の言い方にかなり慣れてきたので、会話において相手に意味を聞き返す機会が減りました。
自分で話したのを聞き返して、チェックを入れるのは大変むつかしい事なので本当に助かっています。
(20代 女性)
- シャドーイングに取り組み、リスニング力が伸びた
- 独学でのシャドーイングに限界を感じてシャドテンを利用。学習がスムーズに進み、発音がクリアになり語彙数も増えた
- 自分の音声を録音してチェックするのは難しい。シャドテンならプロがフィードバックしてくれるのが助かる。その結果、ネイティブに発音を褒められるレベルになった
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ENGLISH COMPANY MOBILE
ENGLISH COMPANY MOBILEは、社会人に人気の英語スクールENGLISH COMPANY(イングリッシュカンパニー)が手がける、英語トレーニングアプリです。
イングリッシュカンパニーは、短期間で受講生の英語力を爆上げするのが評判で一時は600人待ちと言われていました。
- 3ヶ月でTOEICスコア300点アップ
- 3ヶ月でビジネス英会話をマスター
このような成果を挙げる生徒は、本当にゴロゴロいます。
ENGLISH COMPANY MOBILEでは、イングリッシュカンパニーの看板トレーニング「速読Reading」にスマホ1台で取り組めます。
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シャドーイングが難しいのは、いきなり難易度の高い教材で取り組んでしまうから。一方で、簡単すぎる教材を選ぶと飽きてしまい続かなくなってしまいがち。
速読Readingでは、今の自分より少しレベルが高い文章を、ステップを踏んで学習します。そのため、「子供向けではない、ちゃんとした文章」を使って無理なくシャドーイングに取り組めます。
- リスニング
- 語彙学習
- 黙読
- サイト・トランスレーション
- 音読
- シャドーイング
ENGLISH COMPANY MOBILEに取り組むと、自然と英語の総合力を伸ばせます。「本格的に英語の基礎力を身につけたいな」という場合は、ぜひ試してみてくださいね。
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スタディサプリEnglish TOEIC(スマホアプリ)
スタディサプリEnglish TOEICはリクルート社が作成した英語アプリで、独学でTOEIC対策するには最も優れている教材です。
TOEICのリスニング対策のためシャドーイングをするなら、スタディサプリ ENGLISHを使うとよいでしょう。
なぜなら、TOEICを模擬した例文が豊富だからです。たとえば、リーディングの長文読解であるPART7。
スタディサプリEnglishには「音読」機能があり、リーディングパートであっても音声を聞くことができます。
この音声を教材としてシャドーングの練習をします。
スタディサプリEnglish TOEICは、シャドーイングの音声としてだけでなく、TOEIC対策にはテッパンの教材です。
7日間の無料体験もあるので、TOEIC対策をするのであれば試してみることをおすすめします。
TED(スマホアプリあり)
生の英語で、面白いプレゼンをシャドーイングするならTEDがおすすめです。
TEDとはTechnology Entertainment Designの頭文字をとったもので、学術、エンターテイメント、社会課題、デザインなど様々な分野の第一線で活躍する人を講師として招き、プレゼンテーション主催している団体です。
TEDの精神の”Ideas worth spreading”にある通り、プレゼン内容は知的好奇心が刺激されるものばかりです。
全てではありませんが、スクリプトが収録されているものがあります。下図のように3ステップでスクリプトを見ることができます。
私が最初に取り組んだ教材はアンジェラ・ダックワーズの”Grit”でした。やや難しいですが、このシャドーイング教材から英語学習を「やりきる」ことの重要性を学びました。
映画のスクリプト
さらにレベルは高いですが、映画のスクリプトをシャドーイング教材に使うこともできます。
「1年間で英語を身に着ける」コンセプトの英語コーチングスクール「トライズ」 は、映画のスクリプトをシャドーイング教材に用いています。「一本の映画を全て覚えれば英語は話せるようになる」のが理由です。
ただし、実際の映画を使うのではなく、スクリーンプレイと呼ばれる映画の台本を教材として使います。なぜなら、映画は無言のシーンがあり時間がもったいないからです。
スクリーンプレイは台本を別の声優さんが朗読したものを録音した音声です。この音声をシャドーイングの教材に使うのです。
もし、興味がある映画があれば、チャレンジしてみてもよいかと思います。
実は、筆者もスクリーンプレイを教材にシャドーイングの練習にトライしたことがあります。比較的優しく、シャドーイング教材として評価の高い「プラダを着た悪魔」を使いました。
たしかにレベルは適切で、教材としてもすぐれたものだと感じました。
しかし、筆者は途中で挫折してしまいました。
なぜなら、「プラダを着た悪魔」はファッション業界の話ですが、筆者自身はファッション業界にそれほど興味がなく、途中で飽きてしまったからです。
もしスクリーンプレイの中で興味がある映画があれば、シャドーイング教材として使うとよいでしょう。
シャドーイングに関する「よくある質問」
シャドーイングに関する、よくある質問に回答します。
初心者でもシャドーイングをやれば英語が上達しますか?
正直にいうと、初心者にはシャドーイングはおすすめしません。
なぜなら英文を聞いて理解できない状態だと、シャドーイングの効果を得られにくいからです。
まずは、基礎的な英語力を身につけることをお勧めします。以下の記事も参考にしてみてください。
どうしてもシャドーイングをやりたい場合は・・・
どうしても、シャドーイングに取り組みたい場合は、教材の単語や構文を丁寧に調べ完璧に意味を理解できるようになってからシャドーイングをやるようにしてみてください。
その場合「ENGLISH COMPANY MOBILE」というスマホアプリがおすすめです。
ENGLISH COMPANY MOBILEは、社会人に人気の英語スクール「イングリッシュカンパニー」の看板トレーニングをスマホアプリにしたもの。
一つ一つの英文に対して、「リスニング→単語学習→文法学習→音読→シャドーイング」という感じで、少しずつ理解を深める設計になっています。
ガイダンスに従って学習を進めると、自然と教材の単語や構文を理解した後でシャドーイングができるので、初心者にもオススメです。
⇒ENGLISH COMPANY MOBILEの公式HPを見る
シャドーイングをやっていますが、英文の意味がわかりません
シャドーイングの効果を得るためには、読んで理解できるレベルの英文でトレーニングすることが重要です。
一方、シャドーイングをやる際に、英文の意味を考えず英語の「音」に集中するのはOKです。
英語の「音」に集中するシャドーイングのやり方を「プロソディシャドーイング」と呼ぶこともあります。
特に慣れるまでは、音に集中するプロソディシャドーイングに取り組むのがおすすめです。
シャドーイングをやると最短で英語が上達しますか?
たしかにシャドーイングは「最強のトレーニング法」と呼ばれることもありますが、万能ではありません。
上述したように、初心者にはあまりおすすめできませんし、一人ひとりの英語レベルや弱点により最適な英語学習法が変わってくるからです。
もし、最短で英語を上達させたいのであれば、英語コーチングがオススメです。
一人ひとりに合わせたオリジナルカリキュラムを作ってもらい、コーチが学習をフルサポートしてくれるので、2〜3ヶ月の短期間で飛躍的に英語力を伸ばせます。
少しでも興味がある場合は以下の記事をチェックしてみてくださいね。
⇨【保存版】英語コーチングスクール16社を比較~おすすめランキングあり~
まとめ|コツを抑えればシャドーイングは最強の英語学習法
この記事では、シャドーイングの効果とやり方のコツを解説してきました。
再度まとめておきます。
- ネイティブスピードの、英語の音を聞き取れるようになる(リスニング力アップ)
- 英語らしいスピーキング力が身に着く(スピーキング力アップ)
- 初心者はシャドーイングをやらない方がいい
- シャドーイングの前に英語の音の変化を学ぶ
- 音声を「モノマネ」する
- 同じ音声に繰り返し取り組む
- フィードバックを受けて改善する
- 最低2ヵ月は続ける
- 1日30分のシャドーイングを繰り返す
- 「ながら」シャドーイングがオススメ
たしかに努力は必要ですが、この記事で紹介した内容を実践すれば、2ヵ月後にリスニング力やスピーキング力が向上しているはずです。
そうはいっても「やはり、一人で続けるのが難しそう......」と感じる場合は、プロからフィードバックをもらうとよいでしょう。シャドテンは、サブスク型のサービスで気軽に始められます。
7日間の無料体験があるので、気になる方は試してみることをオススメします。
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